多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

ブラジル人学校に市民の善意手渡し

2009-03-10 14:11:23 | 多文化共生
(以下、朝日新聞から転載)
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ブラジル人学校に市民の善意手渡し

2009年03月10日
支援金を受け取り、喜ぶブラジル人学校の子どもたち=豊田市保見町

【豊田の支援団体20万円寄付】

●今月末にはバザー計画

 親の失業などで児童・生徒が激減しているブラジル人学校を支援しようと、豊田市の市民団体のメンバーが9日、同市内の学校「ピンタンド・オ・セテ」を訪れ、募金活動で集めた寄付金約20万円を子どもたちに手渡した=写真。校長の仲里エロイザさん(56)は「本当に感謝しています」と話していた。
 団体は20~30代の若者でつくる「PARA CRIAN(Cにセディーユ付き)AS(パラ・クリアンサス)」(子どもたちのために)。昨年、豊田市国際交流協会が日本人のブラジル移民100周年を記念して実施したスタディーツアーの参加者9人で結成した。
 一部を除き、ブラジル人学校は「私塾」の扱いで、公的助成がない。日本の公立学校に通うよりも学費がかさむため、不況が深刻になるにつれ、ブラジル人学校をやめる子どもが急増した。同団体は支援のため、2月6日と22日に名鉄豊田市駅前などで募金活動を実施。9日、集まった20万4千円をピンタンド校に寄付した。
 2歳の幼児から中学生の年齢までの子どもたちが通う同校では、ピーク時に86人いた児童・生徒が、現在は半数以下の41人に減っている。ブラジルに帰国したり、学費の安い公立学校に転出したりした子どもが多いという。仲里校長は「子どもたちが学校に通う手助けをしたい」と話し、寄付金は授業料の減免に使う意向を示した。
 同団体代表の土井佳彦さん(29)は、「集まったお金は予想以上に多かった。苦しい状況にある外国人の隣人に、多くの市民が温かい思いを寄せてくれて、うれしかった」と話した。
 同団体は、今月29日に同市本町本竜の財団法人あすてで開かれるイベント「あすて夢まつり」に参加し、チャリティーバザーを開く予定。また、4月には、日本人とブラジル人市民の交流を深めようと、ブラジル映画の上映会なども計画しているという。(黄)

外国人教育支援が浸透 掛川市教委 参加者が増加

2009-03-10 14:10:51 | 多文化共生
(以下、静岡新聞から転載)
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外国人教育支援が浸透 掛川市教委 参加者が増加
2009/03/09
 掛川市教委は8日、同市役所で、在住外国人のための教育支援会を開いた。外国人の保護者には日本の教育システムについて情報提供し、その子供たちには日本の学校生活を教えたり、国語や算数の初期指導を行った。昨年の第1回は1家族のみだったが、今年は10家族以上が参加し、必要性と関心の高さをうかがわせた。
 保護者説明会では市教委職員が義務教育や高校進学などについて通訳を通して話した。ブラジル人保護者からは「学校の行事にもっと参加したいので母国語の情報がほしい」、「義務教育で学べば学力が付き、高校を選べるのか」など率直な要望や質問が多数寄せられた。
 子供向けの部屋では漢字やかけ算のプリント問題に熱心に取り組もうとする児童、生徒が大半で、市教委職員や外国人支援員らが、学習意欲に応える指導に当たった。
 支援会は15日午後1時半から、市役所大東支所でも開く。問い合わせは市学校教育課〈電0537(21)1156〉へ。

外国人患者との懸け橋に 医療通訳士協議会が発足

2009-03-10 14:10:25 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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外国人患者との懸け橋に 医療通訳士協議会が発足
2009.3.9 07:58
医療通訳士の身分保障制度の整備などを目指すことが確認された設立総会=大阪府吹田市医療通訳士の身分保障制度の整備などを目指すことが確認された設立総会=大阪府吹田市

身分保障や技術の向上目指す

 医療通訳士の身分を保障する制度の整備や通訳技術の向上を図ろうと、「医療通訳士協議会」が発足した。発起人には医療者や通訳、研究者、非政府組織(NGO)、行政などの関係者ら45人が名を連ねており、医療通訳にかかわる多職種の人たちでつくる初の全国組織という。今後さらに幅広い層に参加を呼びかけていく。

(伐栗恵子)

言葉や文化の壁

 設立総会は2月中旬に大阪で開かれ、会長には大阪大学大学院人間科学研究科教授の中村安秀氏が就任した。

 協議会設立の背景にあるのは外国人の増加だ。いまや日本で暮らす外国人は200万人以上。また、政府が推進する観光立国政策で訪日する人も増えている。それに伴い、医療機関を受診する外国人患者も増え、「言葉の壁」や「文化の壁」が引き起こす問題が顕在化しているという。

 たとえば、患者が日本語ができないないために医師に症状をきちんと伝えられず、適切な治療を受けられないケースは少なくない。また、患者の出身国によっては頭をなでたり左手で握手したりすることがタブーの地域もあれば、出産時に帝王切開を望む国民性もあり、医療者にこうした異文化への理解や配慮がないためにトラブルになるケースも生じている。

 だからこそ、「医療者と外国人患者の懸け橋となる医療通訳士の重要性はますます増している」と中村会長。にもかかわらず、認知度は低く、身分保障も不十分。米国のような倫理規定がなくて業務の範囲が明確化されていないため、オーバーワークによる燃え尽き症候群で、現場を去ってしまう医療通訳士も少なくないのが現状だ。

知見を蓄積

 医療通訳士がいないことによる不利益は多方面に及ぶという。患者にとっては病状を伝えられずに不安が募る。医療者側も、患者と意思疎通が図れないために診療に時間がかかったり、誤診の可能性も生じたりする。自治体や国にとっても、不要な検査が増えたり、治療の遅れで重症化したりすることで、医療費の負担が増加する。

 その点、米国やカナダなどでは医療通訳士がいるほうが効率的な医療が実現できるという理解が広がり、導入が進んだという。

 「日本でも医療通訳士に関して根拠のある知見を蓄積していくとともに、その存在の必要性を医療者や行政関係者、市民らに知らせていくことが大切」と中村会長は話す。

 同協議会は今後、倫理規定の制定や研修ガイドラインの作成などに取り組みながら、医療通訳士の地位向上を目指していく。