2011.2.14 田中川干潟にも雪が降った。水っぽい雪だが,すぐに景色は白くなった。
先日,『伊勢の海県立公園(学術調査報告書)』(矢頭献一著昭和50年3月三重県発行)という文献を入手した。
それによると,「東千里の南には約20haほどの広大な干潟と砂浜とがあり,この砂浜にもハマボウフウ-コウボウムギ群落が成立している。これは本県立公園内最大の砂浜及び干潟で,植物・動物生態学的見地から学術的価値の高い場所と判断され,この自然公園内の重要な部分と考えられる。」
また,「現在特に自然公園として自然環境の保存の良好な場所」の一つとして「河芸町東千里と中別保との中間の干潟に接する海岸」を挙げ,「砂浜海岸植生の成立の良好な場所,典型的な植物群落を示す場所」だと指摘している。
矢頭氏は同書で,「今後,この公園を如何に扱うかは慎重な考慮の上で決定さるべきであろう。これはこの県土を永く守る意味において忘れることのできないことである。」と結んでいる。
この公園の正式名称は「伊勢の海県立自然公園」といい,昭和28年に指定されている。指定直前の13号台風と昭和34年の伊勢湾台風の影響で,公園内の自然環境は大きな被害を受け,さらに破壊された自然堤防は全てコンクリートの防潮堤に変えられてしまった。
干潟の中央部。ヨシ原が広がり,その間を澪筋がうねっている。
干潟の西にある池。元養鰻池だが,もともとここは海跡湖。
カワウたちも雪をかぶっていた。
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