田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ヤニサシガメ成虫とシマサシガメ幼虫

2009-05-24 | カメムシ
ヤニサシガメ
サシガメ科のヤニサシガメ Velinus nodipes

海岸に植樹されたクロマツの近く、草むらの中でヤニサシガメの成虫とシマサシガの幼虫を見つけた。
ヤニサシガメは松のヤニを口吻を使って体内に取り入れるだけでなく、前脚を使って松ヤニをこすりとって、中脚にこすりつけている、中脚はさらに後脚へこすりつけ、後脚は腹部や背面へこすけつける。幼虫も成虫もやっているそうだ。
年1化性で、幼虫で冬を越えて、5月に羽化し、7月頃まで成虫が見られる。
触角第1節と各腿節に2個、各脛節に1個の白色環がある。
体長は12~15ミリ。日本では本州、四国、九州に分布。
幼虫も成虫も昆虫を食べている。
2009.5.21

シマサシガメ幼虫
シマサシガメSphedanolestes impressicollis の幼虫
日本原色カメムシ図鑑にシマサシガメは「各腿節の白色環状紋は3個ずつある」と記述されている。この写真では2個にしか見えないので、当初ヤニサシガメの幼虫としていたが、新訂原色昆虫大図鑑にシマサシガメは「腿節の末端近く不規則な膨らみがある」とし、ヤニサシガメは「腿節に3個、脛節に1個の結節状の膨らみがある」としていることからシマサシガメ幼虫と改めた。シマサシガメの腿節にある3個の白色環状紋はその幅が異なっているようで、末端に近いところのものが最も細く、しかも背面からでは分かりにくいものと思われる。

シマサシガメ幼虫
シマサシガメの幼虫
後腿節の白色環状紋がかろうじて3個あるように見える。他の腿節のは2個にしか見えない。


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