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田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

チャバネアオカメムシ越冬個体

2010-01-25 | カメムシ
チャバネアオカメムシ
カメムシ科のチャバネアオカメムシ Plautia crossota stali Scott

鈴鹿市の小岐須渓谷に仲間と出かけた。山に着くと,小雪が舞っていた。
石起こしと落葉ふるいで甲虫探しだ。
見つかったのは石の裏で越冬中のチャバネアオカメムシと数種の貝だけで,甲虫は見当たらなかった。後日,持ち帰った落ち葉の中から何種類かの甲虫は出てきた。
この時期,越冬中のチャバネアオカメムシはどれもこんな色をしている。体長は10ミリを少し超えたくらい。
持ち帰った落ち葉の中からも1個体が出てきた。捕まえようとしたら,飛んで行った。
2010.1.23

小岐須渓谷
小岐須渓谷の滝ケ谷コースの川原にて石起こしをして,虫を探す

小岐須渓谷
小岐須渓谷 椿岩から南の方角を望む 向こうの山は野登山
この場所はロッククライミングで有名らしい。岩のあちこちに金具が打ち付けてあった。

尾鷲のアカホシカスミカメ

2009-11-05 | カメムシ
アカホシカスミカメ
尾鷲市の矢ノ川河口、草原状の河川敷。
アカホシカスミカメを見つけた。
色彩の変異がいろいろある種だが、この日出会った個体はカメムシ図鑑に載っているのと同じ色模様をしている。

日本原色カメムシ図鑑には、アカホシメクラガメの種名で「体長5-7㎜。やや光沢のある淡褐色で、爪状部の内縁から革質部後縁にかけて暗赤色の条紋があり、翅脈も赤みを帯びる。非常に長い触角が特徴的である。ヤハズソウやハギなどのマメ科植物やイネ科植物に寄生する」との記載がある。
なお、図鑑の第2巻では種名と学名が変更されている。

捕まえてやろうとしたが、逃げられてしまった。追いかけても追いかけても逃げていった。赤いのは追いかけたくなる。
2009.10.22

海岸のアカホシカスミカメ

ヒメハサミツノカメムシ

2009-09-13 | カメムシ
ヒメハサミツノカメムシ
ツノカメムシ科のヒメハサミツノカメムシ Acanthosoma forficula Jakovlev

鈴鹿市の入道ケ岳の登山道を登っていて、体長約15mmのヒメハサミツノカメムシ♂を見つけた。

日本原色カメムシ図鑑によると、「鮮やかな緑色で、前胸背側角の先端がわずかに赤みを帯びる。ハサミツノカメムシに似るが、雄の生殖節のハサミ状突起は赤色で長く、後外方に開く。」

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると、「鮮緑色で黒色点刻を装う。死後暗色に変わる。」

登山道周辺にはミズキが多い。ヒメハサミツノカメムシはミズキなどの植物に寄生する。

ハサミ状突起の赤色は艶があって美しい。

2009.9.13
ヒメハサミツノカメムシ
小さなゾウムシがそばに居た。種名は不明。

チャイロナガカメムシ

2009-09-03 | カメムシ
チャイロナガカメムシ
チャイロナガカメムシ Neolethaeus dallasi (Scott, 1874)

四日市市の吉崎海岸。17時頃、ハマゴウ群落を歩いた。
ハマゴウの株にカメムシを見つけた。体長は約7ミリ。チャイロナガカメムシだと思う。

日本原色カメムシ図鑑によると、「体長7㎜内外。光沢のある暗褐色で、頭部が黒い。前翅に複雑な黄褐色の斑紋がよく発達する。近似種が数種ある。
ヤシャブシ、ハンノキ、ヒサカキ、コウゾなどの実に普通に見られる。」

このチャイロナガカメムシはハマゴウの実の香りに誘われて、実の汁を吸いにやってきたのだろうか。水稲にも被害が出ているようだから、海浜のイネ科植物も被害に会うかも。

2009.8.30
チャイロナガカメムシ

海岸のアカホシカスミカメ

2009-08-14 | カメムシ
アカホシカスミカメ
カスミカメムシ科のアカホシカスミカメ Creontiades coloripes Hsiao, 1963

鈴鹿市の鼓ヶ浦海岸。
砂浜のコマツヨイグサの葉上にいる小さなカメムシを見つけた。体長は7㎜弱。
カスミカメムシ科だとは思ったが、図鑑を調べても種名が判らなかった。

カメムシBBSの画像掲示板で、風林火山と名乗る人から「おそらくアカホシカスミカメ Creontiades coloripes Hsiao, 1963 でしょう。
後脚たい節の濃色部や長い触角が特徴でしょうか。海岸部でもよく見られます。」と教えてもらった。

日本原色カメムシ図鑑によると、アカホシカスミカメは「触角第1節が頭部の幅より長」く、「半翅鞘の中央部に通常鮮やかな真紅のストライプがあ」り、「ヤハズソウやハギなどのマメ科植物を好む傾向がある」

体色には個体変異があるようである。
2009.7.26

尾鷲のアカホシカスミカメ

アカホシカスミカメ

野登山のツノアオカメムシ

2009-07-26 | カメムシ
ツノアオカメムシ
カメムシ科のツノアオカメムシ Pentatoma japonica (Distant)  

野登山の標高800メートル付近。
シロモジの葉に止まるツノアオカメムシを見つけた。体長は約20ミリ。

カメムシ図鑑によると、ツノアオカメムシは「金属光沢をもった緑色で、大型の美しいカメムシである。一見アオクチブトカメムシに似ているが、側角が幅広く、やや前方に向かって突出し、先端が斜めに切断されているので区別できる。夜間灯火に飛来する。」

脚や腹の縁の色は秋が深まる頃には赤くなるという。
山地のハルニレ、シラカンバ、ミズナラ、ミズキなどの植物で生活している。

動きはえらくゆっくりしていた。草食性のカメムシだからかも。
一週間後、同じ場所で灯火採集を行ったが、ツノアオカメムシは飛来しなかった。
2009.7.18

オオモンシロナガカメムシ

2009-07-12 | カメムシ

ナガカメムシ科のオオモンシロナガカメムシ Metochus abbreviatus Scott

庭に置いてある野菜クズ入れの容器に、オオモンシロナガカメムシを見つけたが、すぐに草むらの中へ逃げて行ってしまった。脚が一部欠損している。

カメムシ図鑑に「森林の地表で生活し、落下した植物の実や地下茎などを吸収する。行動は活発で、夜間灯火に飛来する。体長10~12mm。細長く大型のナガカメムシで、体は黒い。」とある。
2009.7.11

ブチヒゲヘリカメムシ

2009-07-07 | カメムシ
ブチヒゲヘリカメムシ
ヒメヘリカメムシ科のブチヒゲヘリカメムシ Stictopleurus punctatonervosus (Goeze)

津市河芸町東千里地区の草むらでブチヒゲヘリカメムシと出会った。こんな水色っぽい個体は初めて見た。
色彩にはかなり変異があるようだ。体長6~8ミリ。出現期は4~10月。

2009.7.4

ブチヒゲヘリカメムシ


ミズナラにサジクヌギカメムシ♂

2009-07-04 | カメムシ
サジクヌギカメムシ♂
クヌギカメムシ科のサジクヌギカメムシ Urostylis striicornis Scott

野登山。標高800メートル辺りの山道。
ミズナラの枝先をスィーピングしたら、入ってきた。体長は約12ミリ。

腹部の気門は体と同色で、黒くない。オス生殖器の中央突起の先端が「さじ状」にひろがつているのを確認した。よって、これはサジクヌギカメムシである。北海道・本州・四国・九州に分布。
新訂原色昆虫大図鑑Ⅲには、「前胸背前端に細い襟があり、前側縁は狭く扁平。口吻は中脚基節端に達する」とある。
Urostylis属の3種は良く似ていて、オス生殖器の形と腹部気門の色を見て同定する。
2009.6.28

サジクヌギカメムシ♂

サジクヌギカメムシ♂
さじ状のオス生殖器

テングアワフキ

2009-06-30 | カメムシ
テングアワフキ
アワフキムシ科のテングアワフキ Philagra aibinotata Uhler

野登山の標高800メートル付近、斜面の擁壁に生える草木で見つけた黒い個体。全身がほとんど黒化したテングアワフキである。

原色日本昆虫図鑑(下)によると「体長は翅端まで10から12mm。体色は茶褐色から真黒色まで変化が多いが、多くは黒褐色。黄色の微毛が密生する。頭部は著しく前方に突出す。小楯板の後端は通常黄白色。前翅には斑紋の無い個体もあるが、多くは前縁の末端にちかく顕著な黄白色の斜帯があり、他にも淡色斑が出ることがある。6~8月ころ山地に多く、アザミ・ヨモギ類に寄生するといわれる。分布:本州・四国・九州。」

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲには「山地に普通」と載っていた。私はこれまで山地にはほとんど行ってないので、山地の普通種が皆珍しい。
2009.6.28

テングアワフキ

テングアワフキ

砂浜のヒメアメンボ

2009-06-28 | カメムシ
ヒメアメンボ雌雄
カメムシ亜目 アメンボ科のヒメアメンボ Gerris lacustris latiabdominis Miyamoto 雌の食事中に雄が   2009.6.13

津市河芸町の豊津海岸。砂浜に大きな水槽が放置されている。そこに雨水がたまり、蜂の仲間や甲虫やらが溺れて死んでいる。種子をつけて枯れたハマダイコンが水槽に覆いかぶさるように生えている。
そして、ヒメアメンボの家族らが暮らしている。

日本では北海道・本州・四国・九州に分布するヒメアメンボは体長が8.5~11mm。黒色の小型種。前腿節の外面に幅の広い黒条が斜走し、内面には黒条を欠くかまれに短い黒条が現れる。腹部は比較的扁平で結合板の末端は後方に水平に突出する。♂の第7腹板の後縁は深く前方に湾入し、中央部はさらに円くえぐられる。池沼・水田・溜り水・流水などいたる所の水域に発見される普通種で早春から活動を始める。(新訂原色昆虫大図鑑Ⅲより)

原色日本昆虫図鑑(下)にはアメンボ類6種の尾端比較図が載っていて、同定に役立つ。同図鑑によると「ヨーロッパの原名亜種は翅の長さにさまざまの型があるが、日本ではごくまれに短翅型や亜長翅型が発見されるのみ」

幼虫は5回脱皮をする。5回目の脱皮が羽化となる。
アメンボ類の脚の先には細かい毛がびっしり生えていて、体内から分泌する油で濡れているので、また毛の間に空気を含んでいるので、水をはじき浮くことが出来るのだという。
腹部第2~6腹板の正中線の両側は広楕円に浅く窪み、正中線上は隆起するという特徴も確認したので、彼らはヒメアメンボに間違いないだろう。普通種だというのに、ネット上にヒメアメンボの画像はそれほど多くない。その幼虫の画像もなかなか見つからなかった。

ヒメアメンボ
ヒメアメンボ 2009.6.26

ヒメアメンボ幼虫
ヒメアメンボ幼虫 2009.6.26

ヒメアメンボ幼虫
ヒメアメンボ幼虫 2009.6.13

ヒメアメンボ幼虫
ヒメアメンボ幼虫 2009.6.13

ヒメアメンボの棲む水槽
ヒメアメンボの棲む水槽

セアカツノカメムシ

2009-06-09 | カメムシ
セアカツノカメムシ
ツノカメムシ科のセアカツノカメムシ Acanthosoma denticaudum Jakovlev

四日市市の宮妻渓谷の奥へ進むと、内部川の源流部にたどり着く。川を渡ると鈴鹿市に入る。そこから入道ケ岳山頂まではそう遠くない。途中で、何人かの登山者と出会った。
出かけた目的は甲虫類の調査であるが、私は山頂までは行かずに、内部川の河原周辺をうろついて、いろんな生き物との出会いを楽しんだ。

セアカツノカメムシとは久しぶりの再会である。
体長は14から19mm。オスの生殖節付属器は赤色で、鋏状に後方に拡がっているが長くない。この付属器は交尾の時に雌を離さないようにする役割を持つようである。
ミズキ、サンショウ、ヤシャブシ、アセビ、スギなどの樹上で生活する。
この個体は赤い付属器があるので、♂である。
2009.6.7

セアカツノカメムシ

ヒシモンヨコバイ

2009-05-27 | カメムシ
ヒシモンヨコバイ
ヨコバイ科のヒシモンヨコバイ Hishimonus sellatus (Uhler)

和具大島のハマゴウ群落。
ハマゴウの枝や葉で足の踏み場も無い堤防上。
ヒシモンヨコバイが飛んだ。体長(翅端まで)は4ミリ程度か。ヒシモンは菱紋。
ヒシモンヨコバイは本州、四国、九州、琉球に分布し、種々の植物に付くが、クワの萎縮病の媒介者として知られている害虫である。
ヒシモンヨコバイの配偶行動については研究されていて、交尾に先だって雌雄ともに腹部を振動して交信することが分かっている。
害虫は研究対象にしやすいようで。
2009.5.24

ヤニサシガメ成虫とシマサシガメ幼虫

2009-05-24 | カメムシ
ヤニサシガメ
サシガメ科のヤニサシガメ Velinus nodipes

海岸に植樹されたクロマツの近く、草むらの中でヤニサシガメの成虫とシマサシガの幼虫を見つけた。
ヤニサシガメは松のヤニを口吻を使って体内に取り入れるだけでなく、前脚を使って松ヤニをこすりとって、中脚にこすりつけている、中脚はさらに後脚へこすりつけ、後脚は腹部や背面へこすけつける。幼虫も成虫もやっているそうだ。
年1化性で、幼虫で冬を越えて、5月に羽化し、7月頃まで成虫が見られる。
触角第1節と各腿節に2個、各脛節に1個の白色環がある。
体長は12~15ミリ。日本では本州、四国、九州に分布。
幼虫も成虫も昆虫を食べている。
2009.5.21

シマサシガメ幼虫
シマサシガメSphedanolestes impressicollis の幼虫
日本原色カメムシ図鑑にシマサシガメは「各腿節の白色環状紋は3個ずつある」と記述されている。この写真では2個にしか見えないので、当初ヤニサシガメの幼虫としていたが、新訂原色昆虫大図鑑にシマサシガメは「腿節の末端近く不規則な膨らみがある」とし、ヤニサシガメは「腿節に3個、脛節に1個の結節状の膨らみがある」としていることからシマサシガメ幼虫と改めた。シマサシガメの腿節にある3個の白色環状紋はその幅が異なっているようで、末端に近いところのものが最も細く、しかも背面からでは分かりにくいものと思われる。

シマサシガメ幼虫
シマサシガメの幼虫
後腿節の白色環状紋がかろうじて3個あるように見える。他の腿節のは2個にしか見えない。

クモンクサカゲロウ

2009-05-06 | カメムシ
クモンクサカゲロウ
クサカゲロウ科クサカゲロウ属 Chrysopa のクモンクサカゲロウ Chrysopa formosa Brauer

開張25mm内外。顔面と頭頂に9個の小黒紋(触角間の1紋、触角直前の弦月紋、頬の1紋、頭盾両側の1線状紋および頭頂の2紋)がある。幼虫はアリマキ類を捕食する。(新訂原色昆虫大図鑑より)
体長は♂: 11-15mm ♀: 13-15mm。

庭で夕方に出会ったクモンクサカゲロウ。その夜、玄関の明かりにもやってきた。
2009.5.4

クモンクサカゲロウ

クモンクサカゲロウ

クモンクサカゲロウ