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田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

センブリ

2011-10-27 | 草花

リンドウ科センブリ属のセンブリ

松阪市飯高町月出の山道を歩く。日当たりの良い斜面でセンブリの花を見つけた。

『野に咲く花』によると,「昔から健胃薬として利用された。非常に苦く,1000回振りだしてもまだ苦いことからつけられた。日当たりのよい草地に多い高さ10~20㌢の2年草。」

日本固有種なので,漢方薬には無い。
何度か苦味を味わったことがあるので,苦いことは分かっている。この日もほんの少しだけ葉をかんでみた。やはり苦かった。

2011.10.26

神島のラセイタソウ

2011-10-21 | 草花

イラクサ科カラムシ属のラセイタソウ(羅背板草) Boehmeria biloba
 
神島。港から古里の浜方面へ行く道すがら,ラセイタソウの群生に出会った。この植物は十年以上前に知人から株分けしていただいたことがあり,志摩半島方面では雑草のように生えていると聞いていた。

『野に咲く花』によると,「葉の表面がラシャに似た毛織物のラセイタに似ていることによる。海岸の岩の間などに生える高さ30~70㌢の多年草。雌雄同株。花期 7~9月。分布 北(南部)~本(紀伊半島まで)の太平洋岸。」

2011.10.14










ツルソバ

2011-10-20 | 草花

タデ科タデ属のツルソバ

神島に出かけた。あちこちの道路脇にツルソバが群生していた。花や黒い実をつけているのも見られた。

『野に咲く花』によると,「暖地の海岸に生える多年草。茎はよく分枝し,つる状に長くのびて地をはったり,斜めに立ち上がってよく茂る。花は枝先に多数集まってつき,花柄には腺毛がある。花期5~11月。」

今にも雨が降り出しそうな天気で,風もあり,虫たちの姿がほとんど見られなかった。伊良湖岬から渡ってくる昆虫たちを観察したかったのだが,こんな湿度の高い日は虫たちも敬遠するのだろう。
2011.10.14










伊良湖岬遠望

サクラタデ

2011-10-08 | 草花

タデ科のサクラタデPersicaria conspicua

津市美里町北長野,国道163号線を走る。渓流近くの空き地にサクラタデが群生していた。隣にはボントクタデの群生も見られた。

『野に咲く花』によると,「桜蓼。花の色がサクラに似ていることによる。水辺や湿地に生える高さ0.5~1㍍の多年草。地下茎を横にのばしてふえる。雌雄異株。雄花の雌しべは雄しべより短く,結実しない。タデの仲間のなかでは花がもっとも大きい。」
2011.10.3




アケボノソウ

2011-10-04 | 草花

リンドウ科センブリ属のアケボノソウSwertia bimaculata

伊賀市。渓流沿いの道を車で走っていると,白い花が目に付いた。

『山に咲く花』によると,アケボノソウは「山地の水辺に生える2年草。茎は緑色で,高さ60~90㌢になる。和名は花冠の裂片に黒紫色の斑点があるのを夜明けの空に見立てたもの。」
2011.10.3

サンショウソウ

2011-08-24 | 草花

イラクサ科サンショウソウ属のサンショウソウ Pellionia minima

紀北町紀伊長島区をうろついた。とある神社の周辺部の崖にサンショウソウが群生しているのを見つけた。
『山に咲く花』によると,サンショウソウは山地の陰湿地に生える多年草。雌雄異株で,花期は4~6月。関東地方から西の本州,四国,九州,沖縄に分布する。
日本固有種で,複数の県の絶滅危惧種に選定されている。
名前のとおり,山椒の葉の様子に良く似ている。
2011.8.18

飯高町のヤマゴボウ

2011-06-22 | 草花

ヤマゴボウ科のヤマゴボウ Phytolacca esculenta

松阪市飯高町の山間部を回った。
細い流れに沿って坂を上っていくと,少し開けた場所にヤマゴボウの株を見つけた。

『野に咲く花』によると,ヤマゴボウは「中国原産といわれ,根を薬用とするため栽培されていたが,現在は少ない。高さ1㍍ほどになる大型の多年草で,茎は緑色。葉は長さ10~20㌢の卵状楕円形。花序は直立し,果期にも垂れない。花は白色で直径約8㍉。果実は8個の分果に分かれ,黒紫色に熟す。」

ヤマゴボウのおしべの葯は淡紅色だが,私が見たこの株では葯が無くなっていた。

『原色日本帰化植物図鑑』に「現在は山間部にまれに野生化したものに出会う。」とあり,私が見つけたのはまさに「山間部にまれに野生化したもの」である。
2011.6.19




果実は8個の分果に分かれる。なお,ヨウシュヤマゴボウでは10個の分果。

美杉町のフナバラソウ

2011-05-24 | 草花

ガガイモ科カモメヅル属のフナバラソウ 舟腹草 Cynanchum atratum

津市美杉町の土手でカモメヅル属の花を見つけた。
『山に咲く花』によると,フナバラソウは「高さ40~80㌢になる多年草。葉は楕円形~卵形で長さ6~14㌢。上部の葉腋に濃褐紫色の花を束にしてつける。花期 6月。」

2011.5.22



河川敷のヤガミスゲ

2011-05-19 | 草花

カヤツリグサ科スゲ属のヤガミスゲ Carex maaskii Maxim.

三重県四日市市塩浜町の鈴鹿川河川敷で見慣れぬスゲを見つけた。当初,ナガバアメリカミコシガヤCarex vulpinoidea Michx.ではないかと思ったが,複数の植物屋にみてもらったら,ヤガミスゲと同定された。写真中央の有花茎の高さは70センチ以上あった。

『日本のスゲ』によると,ヤガミスゲの生育環境は河川敷などの湿った草地で,「花序は3~6cm,熟すと果胞はやや開出する。有花茎は高さ40~70cm,鋭稜があって著しくざらつく。花序は無柄の小穂を円柱状に密生し,長さ3~5cm,幅約1cm。小穂は長さ5~8mm,雌雄性で多数の雌花と基部に少数の雄花をつける。果胞は長さ約3.5mm,狭いが明らかな翼があり,その縁はざらつき,上部はしだいに狭くなって長嘴となる。」
Y氏によると,ヤガミスゲの三重県内の記録は少ないという。

なお,『日本のスゲ』によると,ナガバアメリカミコシガヤは「北アメリカ原産。1998年に神奈川県津久井郡相模湖町の休耕田で採集された。その後,埼玉県,岡山県から報告がある。アメリカミコシガヤにきわめてよく似るが,葉は果期に有花茎よりも長く,果胞は長さ約2mm,幅葯1mmと小さい。」
また,『新版三重県帰化植物誌』をみても,ナガバアメリカミコシガヤは載っていなかった。

2011.5.18

小穂は雌雄性

当初,ナガバアメリカミコシガヤとして紹介していたが,2011.5.23にヤガミスゲとして記事を訂正して加筆した。

水辺のカサスゲ

2011-05-17 | 草花

カヤツリグサ科スゲ属のカサスゲ 2011.4.19

津市河芸町赤部の溜池。池の縁にカサスゲが群生していた。

『野に咲く花』によると,カサスゲは別名ミノスゲとも言い,「丈夫で長い葉を笠や蓑をつくるのに利用したことによる。平地の水湿地にふつうに生える高さ0.4~1㍍の多年草。根茎は太く,地下匐枝を長くのばして群生する。花期 4~7月。」


2011.5.7


2011.5.7


2011.5.7 カサスゲの雌小穂。鱗片の一部が赤褐色を帯びるのが特徴。

道路脇にナガミヒナゲシ

2011-05-16 | 草花

ケシ科のナガミヒナゲシ Papaver dubium L.

津市河芸町上野地区の道路脇にナガミヒナゲシが群生していた。

『新版三重県帰化植物誌』によれば,「檜山庫三が東京の採集品に和名新称した。本県では近年急増し各地の市街地や路傍に普通に見られる。」

『日本帰化植物写真図鑑』によれば,「地中海地方原産で,アメリカやアジアに帰化している越年生草本。春から夏に掛けて茎の上部に長い花茎を出し,直径2~5cmの橙色の4弁花を着ける。果実が細長いことからナガミヒナゲシの名がある。」

ずいぶん前に愛知県内の空き地で初めて見つけたときに,美しさに魅了され,種を採ってきて家の敷地に撒いておいたことがある。栽培するのに問題は無いのだが,増えすぎて,敷地外への広がりが心配になって数年後には全て抜き取った。
2011.5.13

里山のヒメハギ

2011-05-14 | 草花

ヒメハギ科のヒメハギ Polygala japonica


津市片田の丘陵地。日当たりの良い山道を歩いていて,ヒメハギが咲いているのを見つけた。初めて出会ったときから今まで,ずっと好きな花である。やさしくて,凛としている感じが良い。

『山に咲く花』によると,ヒメハギは「山野の日当たりのよいところに生える常緑の多年草。茎は細くてかたく,横に這い,高さ10~30㌢。花期 4~7月。」

2011.5.7



河川敷のクサノオウ

2011-05-11 | 草花

ケシ科クサノオウ属のクサノオウ Chelidonium majus var. asiaticum

名張市の名張川河川敷を歩く。岸近くにクサノオウの群生が見られた。

『野に咲く花』によると,クサノオウは「日当たりのよい道ばたや草地,林縁などに生える高さ30~80㌢の2年草。花期 4~7月。茎や葉を切ると黄色の乳液がでるので『草の黄』だという説がある。この乳液は有毒だが,鎮静や鎮痛の作用もあり,尾崎紅葉が胃がんの痛みどめに使ったともいわれている。」という。

黄色の花や全体の印象から,優しさを感じてしまい気に入っている植物なのだが,人間にとって有毒な植物なのだと自分に言い聞かせている。姿かたちに惑わされてはいけないのだ。
ケシ科植物は普通アルカロイドを含んでいる。そして,ケシの花は優しく美しい。

2011.5.9

大洞山のヤマエンゴサク

2011-05-04 | 草花

ケシ科キケマン属のヤマエンゴサク Corydalis lineariloba

大洞山の東海自然歩道。明るい歩道脇にヤマエンゴサクが咲いていた。

『山に咲く花』によると,ヤマエンゴサクは「山野の林内に群生する多年草。高さ10~20㌢。塊茎がある。葉は柄があり,2~3回3出複葉。小葉は卵円形~披針形で3~4裂する。小葉が円形のものもあり多様。花期 4~5月。」など。

2011.4.29

大洞山のハシリドコロ

2011-05-03 | 草花

ナス科のハシリドコロ Scopolia japonica

大洞山の東海自然歩道を歩いていると,あちこちでこの植物の群落に出くわす。図鑑などで見たことはあるが,実物は初めてであった。

『山に咲く花』によると,ハシリドコロは「全体にアルカロイドのスコポリンを含む猛毒植物。誤って食べると幻覚症状をおこし,苦しんで走り回るということからこの名がある。薬用にもされる。山中の湿った木陰に生える多年草。高さ30~60センチになる。花期 4~5月。」など。
夏には地上部は枯れてしまい,来春の芽生えまで休眠する。

2011.4.29