フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

上手?下手?

2017-09-13 23:21:23 | Weblog
アナウンサーと言う職業上、よく人様から「上手に話すにはどうしたら良いでしょう」と訪ねられます。その答えは「上手に話そうと思わないことですね」
何だか禅問答みたいですが、実際にそうなんです。私もプロになる前に聞いた話ですが、話し方には「上手の上手」「上手の下手」「下手の上手」「下手の下手」の四通りがあります。プロのアナウンサーは上手の上手を目指します。一般の人は下手の上手であるのが一番です。その意味は、話は下手でも内容があるのが良いのです。ですから、下手の下手ではダメですが、濃い内容を語れば聞き手は感動してくれるものです。つまり内容次第ですね。私の友人にとつとつとした話し方しか出来なくてもトップセールスマンだった人があります。聞き手としても優秀でしたが、少ない話の中に、顧客の胸をうつ話が多かったのです。
話は変わりますが、ステージの司会の台本には、司会は下手と書かれることが多くあります。下手は下手(しもて)に立てということです。でも良い気はしません(笑)。