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2019年6月5日 弁理士試験 代々木塾 特181条2項の趣旨

2019-06-05 12:13:39 | Weblog
2019年6月5日 弁理士試験 代々木塾 特181条2項の趣旨

【問題】特181条2項
 特許法第181条第2項において、「審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。」と規定しているが、後段において「この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。」と規定することとした趣旨について説明せよ。

【解答】
 請求項ごとに請求された特許無効審判(123条)の審決に対しては、請求項ごとに訴えを提起できるので(178条)、審決の取消しも当該請求項ごとに行われることになる。
 しかし、一群の請求項ごとに訂正の請求がされた場合において(134条の2第3項)、一群の請求項のうち一部の請求項についての審決に対してのみ取消しが確定し、他の未確定の請求項についての審決の取消しがなされない場合には、一群の請求項の関係にある一部の請求項と他の請求項との間で、訂正の許否判断及び審決の確定を一体的に行うことができなくなってしまう。
 そこで、一部の請求項についての審決の取消しが確定した場合、一体的に扱わなくてはならない他の請求項についての審決も審判官が取り消すことにより、一群の請求項に対して一体的に審理を行うことができるようにし、その訂正の許否判断及び審決の確定が一体的になされるようにすることとした(181条2項後段)。
 平成26年改正において、特許異議の申立ての制度(113条等)が新設されたので、特許異議の申立てにおける訂正の請求についても同様に取り扱うこととした(181条2項後段)。

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