麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

副都心の真ん中にも…

2019年02月15日 | 俳優座
開幕まで一ヶ月となった俳優座の
『血のように真っ赤な夕陽』
(作/古川健、演出/川口啓史
於/俳優座五階稽古場)



荒立ちが続いている。
シンプルな舞台美術は見方を変えると
頼るものがなく役者に負荷が掛かる。

手摺などない自然の湖氷の上で
スケートをするようなものだ。



一昨日、新宿にある施設を訪ねた。

昔いた劇団が特攻隊の芝居を
ロングラン上演していたので、
お世話になっていた場所でもある。

住友三角ビル33階。
「平和祈念展示資料館」。

テーマごとのコーナーに分かれ、
「満蒙開拓」のこともコンパクト
かつ深い展示内容に引き込まれた。

順路の次は「シベリア抑留」。
実はこの館の中核ともいえるテーマ。
三波春夫さんや吉田正さんなど
抑留経験者の証言もある。

両人はそれぞれに浪曲、作曲で
仲間を励ましたのだそうだが、
並んで飾られた「劇団旗」が
強く印象に残った。

収監された面々が自発的に作った劇団。
勿論、一番は餓えを凌ぐ食事で、
極寒にも耐えねばならないが、
著名文化人の逸話とともに、
そのために歌や演劇も必要だった、と。

また彼らの多くは木やアルミで
手製のスプーンをこなえたそう。
実用のためであるとともに、
いつか帰国してお腹いっぱい食べる、
その強い願いを込めて匙を作った。

「希望」もまた生きる上で
なくてはならないもの……。

そして『血のように真っ赤な夕陽』も
ただ悲惨な満蒙開拓を綴るのではなく、
観劇後に「希望」を見いだせる
・・・言うまでもなく戦争の不毛を
炙り出した上で・・・舞台をと
稽古場で力を合わせています。



アフタートークのある19日は
残席僅かとなっております。

*****

【平和祈念展示資料館】
先の大戦における、兵士、
戦後強制抑留者および
海外からの引揚者の労苦を
国民に深く理解してもらうよう
さまざまな実物資料、
グラフィック、映像、ジオラマ等
戦争体験のない世代にも判りやすく
展示している。無料。
9:30~17:30。月曜休館(原則)。



また、資料を有効活用し、効果的な方法で幅広く労苦を語り継ぐため、全国で展示会などの館外活動を展開しています。



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