麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ひわまりの咲く頃に

2012年09月11日 | 鑑賞
1980年代の小劇場といえば、
アングラ色もかなり薄れた
「笑いあり、踊りあり、涙あり」
の爛熟な時代でございました。

細かい分析は置いて、
とにかく「観客を喜ばせる」
楽しい空間を標榜する劇団が
数としては圧倒的でした。

その反動か、その後「静かな劇」
の潮流が押し寄せますが……
それはまた別のお話。

先週末みた劇団じゃけんの
『ひわまりの咲く頃に』は、
そんな80年代の古き良き小劇場の
テイスト満載の、けれども
決して古くない良質な作品でした。

オムニバスともいえるピース毎の
盛り上がりには、きっちりJ-Pop♪

20代の恋、30代の結婚ときて
三つ目のピースでは
「ヒロシマ・ナガサキ」が
織り込まれた。
この飛躍も小劇場的!
けれどもそこに無理はなし。
(…驚きはあったけど)

亡き妻への思い、息子との絆、
父との、つまりかつて自分が
子だった頃に転じて・・・
故郷を捨て上京する自分を
大きな心で許した父との顛末に。

故郷は広島で、そこには
しっかり伏線が敷かれていた。
重いテーマでありながら、
普遍的な「家族」に重心があり、
観客は深い部分で涙した。

そんな瞳がまだ乾かぬうちに、
四つ目のピースでは、
喧嘩を諫めるべく登場した
大御所漫画家がマイク片手に
『キャンディキャンディ』を
全力でフルコーラス歌いあげ、
客席は大爆笑・・・

これぞ小劇場の王道だ!!!

劇団じゃけん第6回本公演
『ひまわりの咲く頃に』は、
第24回池袋演劇祭参加作品。
王子の「pit 北/区域」にて。

その作演出(そして出演も)の
なんばよしあきの次回作は、
「ぬ企画」での外侮演出となる。

休む間もなく13日に稽古初日だ。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (けまい)
2012-09-11 08:00:22
奇遇ですね。自分は日曜日に行きました。
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わたくしも (敏腕P)
2012-09-12 03:02:25
私も、見たのは日曜昼、千秋楽。
返信する

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