麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

三面舞台のエレクトラ

2018年10月16日 | 制作公演関連
シアターΧは、自由な舞台空間を
創出可能な劇場である。



M.B.Eプロジェクト
『喪服の似合うエレクトラ』は
その機構をいかんなく生かし、
舞台をT字型に組んでお届けする。

正面の席に加えて、舞台の両側にも
客席・・・つまり能舞台風に組む。
日本の伝統演劇のそれは正方形で、
今回のそれは長方形だから、
あくまで「風」ではあるが……。

まもなく、スタジオに籠り
仮のセットを組み、舞監や
音響がベタで付き合ってくれる
稽古になるが、早既に濃厚だ。

サッカーやバレーのパスは、
ただ相手に送れば良いわけではない。
スピードや回転など状況に応じて
最適なボールが求められる。

同様に、演劇における台詞も
作者や演出の意図を組んで、
前後の展開はもちろん
「生」ゆえに都度変わることもある
間やテンポも考慮した
「新鮮な」パスが必要だ。

本作は、ギリシア悲劇を元にした
スケールの大きな作品だけに、
ダイナミックな全体の流れを
大切にしつつ、細かなやりとりも
丁寧にさらっている時期である。

もともと準備が早かった。
じっくりと戯曲を読む時間を取れた。
それがここに来て効いている。

スタジオ入りとなれば、
細かくシーンを切らずに
全体の流れに重心を置いた稽古に
当然なっていくことだろう。
前段の「パス」……もとい、
台詞にこだわった稽古は
今だからこその大切なアプローチ。

そして、これが通し稽古に
生きてくるのは明らかだ。



お陰様でチケットも伸び、
全席指定ゆえ28日の善い席はない。
新聞社からの問い合わせもあり、
さらに残席は減りそうだ……。

27日17時の回は比較的好席が。
とはいえ、300席ほどの中劇場。
最後列でも十二分に楽しめる。

そうそう、スポーツにおいて
サイドチェンジの長いパスや
意表をつくツーアタックが
リズムを変え、好機を呼び込む。
おどろおどろしい家族間の愛憎を
描く『~エレクトラ』でも、
悲劇を縫う「コロス」の芝居が
まったく新しい「風」を吹かす。

そのあたりの仕上がりも
徐々に高まってきている。

舞台が物理的に三面なだけでなく、
様々な「多面的要素」を持った
作品に日々進化中!!!

小屋入りまで9日……。

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