麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

パンジェイ~なながつ観劇回想録・參

2023年08月04日 | 鑑賞

劇団俳小『これが戦争だ』をみたのは

7月27日、中野ポケットでした。

 

2001年、9.11米同時多発テロを機に

勃発したアフガニスタン紛争。

タリバン、アルカイーダ(アルカーイダ)、

ウサマ・ビン・ラディン、首都カブール、

などの固有名詞がニュースに踊ったのは、

ああ、もうそんなに昔なのか……。

 

さて、カナダの戯曲『これが戦争だ』は、

反政府武装勢力タリバンの強力な地域、

南部カンダハル州の、中でも危険な

「パンジェイ」に駐屯したカナダ軍兵士への

インタビューから浮き彫りになる

〈戦争〉を描いていた。

 

 

兵士達は、問い掛けをあえて避けて、

個人的なストレス~もう少し言えば

公的なインタビューのさなかに、

私的な性の問題を想起するのだが、

それは言葉にはならないから

知るのは「観客」だけである~を吐露し、

やがてそれが積み上がって「ある出来事」を

浮き彫りにする。

真の戦争の恐ろしさとは何かを!

 

よくできた戯曲である一方、

いかにも西洋的な「演劇的くわだて」なので

賛否が分かれる舞台だったと思われる。

 

演出シライケイタの凄かったのは、

それを重々酌み取って、日本的ではない

「私の性」を、あえて丁寧に創ることで

ハナ・モスコヴビッチの狙いを立ち昇らせた点だ。

 

細かい話になるけれど、この作品が最初で

翌日『ブンナ~』(弊blog8/2付)、

29日に劇団印象(弊blog8/3付)と

三日連続の観劇になった。

ただ本作テーマがあまりに重かったので

一等最後に置きました。

 

昨日も載せた、中野の劇場からの帰り道。

わかる人にはすぐ解る、あすこである。

 

コメント
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