Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

おっぱいとお月さま

2021-04-17 | 映画(あ行)





◼️「おっぱいとお月さま/La Teta I La Luna」(1994年・スペイン=フランス)

監督=ビガス・ルナ
主演=マチルダ・メイ ピエル・ドゥーラン ジェラール・ダルモン

愛すべき映画である。パトリス・ルコント監督作「髪結いの亭主」冒頭の女性賛美に通ずるおっぱいへの憧れを、素直に、いやフェチな心のままに表現した愛らしい映画である。また登場人物が皆一癖もふた癖もある変わり者だらけで、それが奇妙な人間臭さを漂わせており、また愛を感じてしまう。

自分だけのおっぱいが欲しい少年、性的に欲求不満の踊り子、性的不能のおなら芸人、踊り子のためにひたすら歌い続ける青年と、それぞれの偏愛ぶりが時に悲しく、時におかしい。それがこの映画の魅力だ。

男として身につまされるのは、なんといってもおなら芸人モーリス。若い男に妻を寝取られながらも、大人の男としての余裕を見せていたり、妻を愛しながらも満足させられない自分に怒る姿は涙を誘う。マチルダ・メイ演ずる踊り子は、男の足の匂いが好きで、自分の涙をビンに貯めるのが趣味というフェチ振り。彼らと主人公の少年も含めたハッピーエンドに思わず拍手。うん、愛すべき映画である。

マチルダ・メイは全裸吸血宇宙人役のイメージが強いけど、おっぱいだけの女優じゃない。オシャレなポップスを歌ってフルアルバムのCDも出してるし、ミュージカルもこなせる才女。大好きなんす。イヴ・モンタン共演の「想い出のモンマルトル」を学生時代に見逃したのが悔やまれる。観たいなぁー。


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