羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

待ち受け画面

2011年09月17日 | Weblog
駿がいなくなってから、携帯の待ち受け画面は駿。
たくさんの写真の中から気に入った駿を選び、たまに差し替える。
携帯は日に何度かあけるので必ず駿と会う。
駿はカメラや携帯を向けられるといつも「やれやれ」という顔をした。
「またそれか?」というちょっと投げやりな表情を見せることが多かった。
たまに素直な可愛い顔のときもあるがたいていは横目とか無視。
飼い主にしてみるとそれがまたクールで可愛かった。
夏の間、待ち受けは一階のレースのカーテンに体をあずけて寛いでいる駿だった。
眠いところに携帯を向けられて不機嫌そうにチラッとこちらを見ている。
毎日写真の駿と目があい、つらい気持ちが重なっていくような気もふとして、
今回は後ろ姿にしてみた。(背景が雑然としているのでアップはなし)

データを見ると2009年12月末。
誰もいないリビングのテーブルに広がった新聞やチラシの上にポツンと座っている。
わたしは階段を上がってきたところでその後ろ姿を離れた所から撮った。
(駿は自由に育ってテーブルの上に乗っても叱られないが「食卓」となった時には
決して上がってきたりしなかった。)
柔らかな冬のひかりが降り注いで駿のひげを光らせ、チラシに小さな猫の影を作っている。
駿が背中を見せて佇む姿はいつも「何を考えているのだろう」と思わせた。
あるいはただ「無」のせかいにいたのかもしれない。
もしかしたら雑然とした居間を見下ろして「相変わらず散らかってんな~」と
思っていたのかもしれない。
掃除機が大嫌いだったくせに。