羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

猫の散歩

2011年07月21日 | Weblog
今年も八ヶ岳山荘へすこしだけ行ってきた。
山荘の窓が好き。
二階の窓、木々の緑、渡る風、小鳥たち。
一階の食卓からひとりで外を眺めていたら、
猫とおばあさんが雨上がりの小道をゆっくりと歩いて行くのが見えて
「あ」と思った。
おばあさんといっても背筋の伸びた素敵な雰囲気の女性で、
以前にもテラス越しに眺めていたら猫と犬を連れて散歩していた。
もう2年くらい前だったと思う。
良かった、またこの道をタイミングよく通ってくれた。

そう思って、以前のようにしばらくして同じ道を戻ってきてくれるのを待った。
待ちきれなくなり、わたしも小道に出る。
昔見た時は犬をゆったりとつなぎ、真っ黒い細い猫は自由に前後しながら散歩していた。
今回、犬の姿はない。
黒猫だけが尻尾をピンと上げて、やはりおばあさんの後ろをトコトコ歩いていた。

しかしいつまで待ってももう会えなかった。
おばあさんとお話ができるかも、運が良ければ黒猫と仲良くなれるかも、と期待して
待ったがダメだった。
あんなに自由に散歩ができるお利口な猫さんをわたしは他に知らない。
きっとあの森の奥に仲良く住んでいるのだろう。
絵本から抜け出てきたような一人と一匹だった。