羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

250円の幸せ

2011年05月28日 | Weblog
ドライブに連れて行った兄の推測どおり母は、帰宅後数日してから
からだの不調を訴え始めていろいろなことがまた出来なくなった。

でも、昼間は留守番して待っていてくれる。
四点杖に頼ってトイレにも行く。
テレビの前とキッチンは数歩なので好きなものを食べる。

退院直後から先日までは徐々に元気を取り戻して、
郵便受けに取りに行って新聞を読み、洗濯をして二階のベランダに干す、
というところまできていた。
次女が五月始め、一ヶ月ぶりに帰宅したとき「おばあちゃんがエプロンして
台所掃除をしてる!」とビックリ仰天していた。

その快調のままドライブにも行ったけれど、やはり帰宅後の疲労は大きく、
だいぶ逆戻りしてしまった。本人が一番つらいだろうと思う。
以前じぶんがどれくらい回復していたか、という記憶はないようだけれど。

トイレ洪水事件もあれば、異臭騒ぎもある。
食事を片付けにいけば咀嚼して口から出たものが必ず残っている。

やさしくしてあげたいのにイライラしてイライラが態度にでてしまう事も
変わらずにある。

でも、昼間はわたしは外出できる。
いつも携帯を気にかけてはいるけれど。
大好きなドイツパンのお店に久しぶりに行った。
ここは必ずひとりで行く(誰にも教えていない)。
二階の窓ガラスに面したカウンター、同じ椅子がいつも必ず空いている。
一階でパンを選んで二階で飲み物を頼む。
クリームチーズとトマトとレタスのセサミブレッド。
クルミいりライ麦パンのチョコサンド。
小さな薄いサンドイッチ、250円のささやかな幸せ。
この店を見つけてもう5年くらいは経つだろうか。
「ほんとうにひとりになれる」場所。ここがあって良かった。