羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

猫鳴り(沼田まほかる)

2011年05月06日 | Weblog
毎日寝る前に楽しみに読んでいたが、「もっと」と思いながら結局、
早く読み終えてしまった。
未消化の部分もある気がする。ありがちな「猫物語」でもなかった。
でもやはりこの本はかなり好きだ。
まほかるさんの著作は何冊か読んできたがここへきて彼女の筆力を
再認識した。
とくに仔猫の描写が力強い。
棄てられても棄てられても戻ってきた仔猫が、幾度も追放されたあと、
もう人の手元には戻ろうとせずに「確信をもった懸命な足どりで逆の方へ」
森の奥へ歩いて行く、読者にようやくつかの間の安堵が訪れる場面だ。
彼方に待ち受ける不安や怖れにも向かっていけると思わせる。


この本を読んでいたらまた仔猫が欲しくなってしまった。


忙しかった連休の谷間。
今日も慌しく一日が過ぎた。
先月決めた五月のこと。
今月中にこの仕事を辞めようと思う。
もう一ヶ所、古本屋のバイトだけは続ける、もちろん。
今日、一番近しい立場の人が話をしに来てくれた。
ひきとめたい、と言っていただけるのは有り難いと思う。
でも後悔はしない。前へ進む。(仔猫だって力強く生きていくんだし)
まだまだ連休の作業、たくさんある。