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まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

利休にたずねよ

2009-10-08 | 読書
読後感想。

一言でいうなら、
秀吉と利休がお茶で一服
秀吉 立腹
利休 切腹

ついでに、
利休詫びれば命助かる
わびずに侘茶追求す

物語は利休切腹の日から始まる。
そして、前日、三月前、四年前、二十一年前とバックトゥ・ザ・フィーチャーさながらに時代が遡る。
特に、黄金の茶室の章では、映画のワンシーンを観るような、読んでいて色が見えてくる。
そして、秀吉と利休のことばのやりとりが、ふたりの気持ちをありありと浮かばせる。
この辺から一挙に最後まで読ませてしまう。
後半はミステリーのように引きこまれてしまう。
ちょいと最後は無理があったかなあと思うけれど、作者の想像力の素晴らしさ。

おー久しぶりに面白かった。



富士周遊旅行 完結編

2009-10-08 | 旅行
部屋へ戻ったわたしたちは、今日の出来事が可笑しくてなかなか眠れなかった。
旦那の会社の旅行は何回も来たが、このようなことは初めてだ。
豹柄の世話焼きさっちゃんは、絶対大阪出身だろう、石川県人らしくない性格だ。
石川県人なら不倫と思われる夫婦を仲間にいれるだろうか。
ももちゃんかおりちゃんも、「不倫やと雰囲気で分かるし。」とか言う。
雰囲気で分かるらしいが、分からなかったでしょうが。
この辺が、みんなの無責任な想像力だ。お互いに。

で、誰からともなく明日朝一番にバスに乗るとき、場所替えしようということなりみんなの意見がまとまった。
ガイドさんを驚かせたいという我らの目論見。
尼御前夫婦の席に、たみちゃんと後部座席のリーダーしげのりさんが、中間席に座る。
ももちゃん、かおりちゃんのところへ、しげいちとカミちゃんが座る。
女同士が男同士の入れ替わりになるのだ。
わたしたちの席は、ももちゃんと尼御前夫婦の旦那さん「しげのり」が座る。
わたしとかおりちゃんは、後部座席へ。
替わらないのは、総監督豹柄さっちゃん。

しげいちは、バス会社の者なのでガイドさんに顔を知られている。
はじめに乗り込んだときに、挨拶もしている。
なお更、移動したことが明らかになる。
さっちゃんに、しげいちはこの会社の者だというと、運転手かといわれたが、運転が出来ないというと、
「運転せんと、何しとんや、何しとんや」と、不思議そうだった。
「何しとるんやろねぇ」と、ぼけていた。

首尾はOK、明日朝ロビーへ集合して、結団式をしようと言って部屋へ戻ったのだ。
ガイドさんの驚く顔を想像してわくわくした。
いい年をして、いたずらをするようなわくわく感だ。

朝、ロビーで集合。玄関先で仲間の記念写真を撮り決行の意思を固めた。
ホテルから本栖湖までの30分ほどだ。
さっちゃんは、前日と違う服だがやはり豹柄をお召しになっていた。
どうしても、大阪の人と思える。

ガイドさんが人数確認に来た。
分かっているはずだが、何も言わずに戻った。
尼御前たみちゃんは、しげのりさんと座ってにこやかに会話している様子。
しげのすけさんは、ももちゃんと会話が弾んでいる。
わたしたちは、さっちゃんとかおりちゃんで、
「驚いたアクションがなかったねぇ」
さっちゃんが窓から外を見て
「ガイドさん、運転手に話してるよ。いっこく堂みたいに口を開けんとしゃべって、手を動かしてる。運転手がこっちを見てるわ」
くすくすくす・・

富士の水のペットボトルがお土産として配られた。
ガイドさんは
「場所替わりましたね」と、笑いながら言った。
たったそれだけだが、いい年をした大人たちであるからこそ可笑しかった。
そして、おかしな緊張感を味わった。
可哀想なのは、しげいちとカミちゃんだ。
本栖湖まで全く言葉を交わさない。
カミちゃんは若いので、自分から話さないだろうし、気まずかったのだろう配られたペットボトルをずっと握り締めていた。

無事本栖湖に着くと富士山は美人の前では姿を消すというらしく、全くその影も見せなかった。
そばにCMポスターがあって、誰ともなくポスターをカメラに収めた。