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【誰も政策批判できないところが致命的欠陥】中国:成長の足を引っ張る稚拙な投資④

2018-09-15 00:00:46 | アジア

前回からの続き)

 これまでにご紹介したように、中国の投融資で進められている南太平洋の島国やアフリカ諸国などのインフラ開発プロジェクトは、多くの場合、費やしたコスト以上の利益をもたらすものではなく、よって借入国の債務を膨らませるだけであり、いっぽうで債権者の中国には金利収入どころか元本返済すら見通せない不良債権が積み上がるばかり、といったトホホな結果に終わりそうです(?)。であれば、被支援各国はもちろん、中国国内からもこれに疑問の声が上がってもおかしくはないでしょう。こんな風に多額の国費を無駄にするくらいなら、同じおカネを外国ではなく自国の事業に振り向けろ!みたいな・・・

 実際にそうするべきでしょう。中国は世界第2位の経済大国になったとはいえ、それにふさわしい生活水準を享受できているのは北京や上海などの大都市圏に住む人々くらい。広大な(というより広すぎる?)国家のあちらこちらには、中国の支援を得ている国々と同様、水道や道路や病院と言った各種インフラ設備を待ち望んでいる国民が多数いるわけです。それに都会のセレブだって、この汚い水と空気を何とかしてほしい!と願っているに違いありません。労働分配率の大幅な引き上げや、差別的な戸籍制度の撤廃や、年金とか保険そして生活保護などの社会的安全網の構築も待ったなしの状況でしょう。これらすべてを成し遂げるには、おカネがいくらあっても足りないくらいのはずですが・・・

 にもかかわらず中国がそんな「内」ではなく「外」にマネーを出したがるのは・・・おそらく、自分たちのパワーを「外」すなわち世界に見せつけたいという自己顕示欲からなのでしょう(?)。こんなことができるくらい我々は偉大な国になったのだぞ!といった感じ。たしかにこれら、注目されるし、支援してもらった国からは感謝されるし(って、後になって猛反発される場合も多々ありそう?)、したがって中国の国際的な存在感とかステータスが上がりますからね。このあたり、ついでに言えば、こちらの記事に書いた空母・・・に象徴される軍事力も(見た目は派手だが、費用ばかりかかって、それに見合う利益をもたらさないという意味で)同類でしょう。このように、おごり高ぶるトップ層に誰も意見できないところが一党独裁体制の致命的な欠陥なのでしょうね、無駄で稚拙な投資が国を傾けているというのに・・・(って、これと似たような構図が、どこか別の国にもあるような?)

 ということで中国では、権力者の見栄や面子のためにおカネが浪費され続け、本当に必要な自国民向けの事業とか改革が実行されないまま・・・ってことに。これ、かの国が4千年間(?)繰り返してきたことと同じように思えます。ということは、かつて世界史の授業で習った殷、周、秦、漢・・・のように、いまの中華人民共和国も予想以上に早く、ひとつの王朝にカウントされるときが来るような気が・・・?

(続く)

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