新しい時代が始まりつつあるいま、古い時代の仕組みもどんどん新しいものに変えていくべきなのでしょうね、教育などの分野においても。
ご存じのように現在、わが国では少子高齢化が進行しているわけですが、若年層からみたその状況を「大学全入時代」といったりします。Wikipediaによれば、これ、大学入学希望者の総数が入学定員総数を下回る局面を迎えることを指すワードで、文部科学省も用いているとのこと。でその時期ですが、若干の前後差はあるものの、じつは今年(2022年)がその幕開けとみているメディアや教育機関が多くなっています(なお、「全入」とは全大学の定員数を統計したうえでの考え方で、誰もが志望する大学・学部に進学できるようになるというわけではありません)。
で、これによって何が起きるかといえば・・・大学教育の質の低下、定員割れ、その結果としての大学の経営危機などが連鎖して・・・といったリスクが考えられています・・・って、まあそうでしょうね・・・
ではこれにどう対処するべきなのか、ですが・・・あくまでも単純に考えれば、大学入学希望者数が減っているのだから、これに合わせて大学の定員も減らせばよい、ということになるでしょう。ではでは、どの大学が定員を減らすべきなのか、ですが・・・これまた単純に考えれば、原則として国立大学が減らすべきだと考えます。大学をはじめとする高等教育の場や機会が乏しかった戦前ならいざ知らず、いまは民間の手によって設立・運営されている(私立の)大学等が数多くあるわけです。であれば、これもあくまで市場原理的に考えると、「民」がちゃんと機能しているのなら「官」がそこに余計な介入をするべきではない、ということで、私大が担当できる学問領域とカブる国立大学・同学部学科は解体等し、これで浮いた公金は学生の奨学金等に充てるとか、今度は年金原資等に回すとかしたほうが、少子高齢化時代によりマッチした血税の使い方といえるでしょう。
もっとも、だからといって国立大を全廃するのは、さすがに行き過ぎかな、と思います。一部の、とくに自然科学系の学究分野は、私大に委ねるには実験や研究等のための施設や設備の建設等コストが大きくなりすぎるため、これらは納税者の理解を得たうえで一定の公費を投入して国立大が担うのが適当でしょう。また、経営的な見地から私大が進出しにくい地方においても、そのエリアの若年層のために公的な大学が引き続き必要とされると考えます。ただしこれらは国立である必然性はなく、当該地方を所轄する自治体が運営するのがよろしいかと思いますが。
上記を逆から考えると、多数の私大等がひしめく都会にある国立大・・・のなかでも私大とバッティングする学部学科については、大学全入時代における民業(≒私大経営)圧迫の解消を図る意味でも、その運営等に充てられている公金を他のもっと重要な用途への転用を促進させる意味でも、順次廃止するのが望ましいでしょう、存在し続けるよりも・・・