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【年金基金、リスク投資失敗で多額評価損計上のおそれ】日本国債、最強の証明⑦

2015-07-07 00:03:18 | 日本

(前回からの続き)

 201Y年YY月、政府は突如、一人当たりの年金給付額を対前年比で3割もカットする決定を発表しました。少子高齢化が予想以上のペースで進行するなか、持続可能な年金制度の維持を図るため、というのがその表向きの理由ですが、本当のところは年金基金が資産運用の大失敗で巨額の評価損を計上したためであったことが関係者によって明らかにされ、大きな騒ぎに発展する事態となりました。

 「わたしたちの年金を激減させた責任者は出てこーい!」多くの年金受給者が年金基金本部前で抗議の声を上げます。そのなかには先述のワタナベ夫妻の姿もあります。基金側はやむなく会見を開きましたが、「われわれは政府主導の有識者会議で提言されたポートフォリオに基づいた運用をしただけだ・・・」と苦しい弁明を繰り返すばかり。そこで一部の人たちは同会議の座長で「日本経済学会の至宝」と謳われる某大学の先生を取り囲みましたが、先生は「提言をしたのは事実じゃが、それをどう運用に生かすかは政府や基金の判断で、わ、わしは無関係じゃ」などと、この騒動から必死に距離を置こうとします。そんなこんなで結局、誰も責任を取ることなく、上記3割削減は「粛々と」実行されたのでした・・・(以上、悪夢の私的妄想シミュレーション)

 ・・・以前、こちらの記事に書いたように、サラリーマンの厚生年金原資を運用する年金積立金管理運用行政法人(GPIF)は昨年10月末日、新しい基本ポートフォリオを公表し、これに沿った基金の運用を開始しました。日銀追加緩和発動と同日だったことからも推察されるように、これはさらなる円安誘導によって利回りが向上する(ように見えるだけの?)外貨建て証券や株式への投資拡大を目論んだもの。その新運用比率は国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%と、それ以前の国内債券(同60%)を主体とした運用スタイルから資産の過半をリスク投資で運用するものに変更されています。

 ここで本稿一回目に記した「リスクオフ」の嵐が金融市場を襲い、為替レートや株価等が先述のとおりになった、と仮定します。そのリスクオフ(前)(後)のGPIFの運用結果を示したのが以下のグラフになります(外貨建て資産の配分比はドル・ユーロで50%ずつと想定)。

 ・・・ご覧のような悲惨な有様です。(前)の100に対して(後)は69.5と、わずかの間にトータルで何と!3割以上もの評価減となってしまいました・・・。プラスは当然、国内債券(日本国債等:35⇒35.1)だけ。あとは軒並みマイナスで、最悪は外国株の6割減(25⇒10.2)・・・。これでは冒頭にあるように支給額を大幅に減らさないと年金制度の維持は不可能でしょう・・・。

 もちろん上記は少しばかり極端な想定です。GPIFはもっと安価だった頃に投資した外債や株式もたくさん保有していると考えられますし・・・。それでも、上記の新比率は、リスクオフ、つまりバブルの厚化粧が剥がれ落ちて外貨の真の姿があらわとなり、円の本来の実力が発揮されるステージでは、本シミュレーションのようにマイナス幅の大きな結果に沈むリスクに満ちているように感じられるわけです。とくにGPIFが昨年10月以降に買いまくったリスク資産はメッチャ「高値掴み」で、リスクオフ時のダメージはハンパないような気がするのですが、皆さん平気なのでしょうか? 小心者のわたしが運用責任者だったら恐ろしくて夜もおちおち眠れませんが・・・

(続く)

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