この本稿タイトル、決して大げさではありませんよ―――わが国・・・どころかこの世界に(!)、自らの意図的な政策でこれほどまでに経済を「マイナス成長」させた指導者がかつていただろうか・・・?
第二次安倍晋三政権(以下「安倍政権」)が2012年末(12月26日)に誕生してから4年2か月あまりが経過しました。近年では小泉純一郎政権(2001/4~2006/9:5年5か月)に次ぐ長期政権となっています。安倍首相の首相としての在任日数は、これと第一次政権時代とを合わせると、小泉氏を抜いて戦後歴代3位(1位佐藤栄作氏、2位吉田茂氏)になるとのことです。
「アベノミクス」―――ご存知、安倍政権の4年以上にわたる政策とは、これです。最近は同政権がやることは何でもかんでもこう呼ばれているような印象を受けますが、本来アベノミクスとはリフレーションすなわち意識的に年率2%程度のインフレを起こして経済を活性化し、その成長を促そうというもの(だったはず?)。具体的には、日銀の金融政策「異次元緩和」によってベースマネーを膨張させるとともに超低金利環境を演出し、金利を実質マイナス(0>名目金利-予想インフレ率)にして日本国債に張り付いたままのジャパンマネーに国内外への投資をさせましょう、みたいな感じでしょうか。
ということでアベノミクスは、インフレや投資などを通じた経済成長への願望が色濃いもので、実際に安倍政権は「GDP600兆円」の達成を目標に掲げてみたり、安倍首相ご自身もことあるごとに、経済成長が大切、といった趣旨のことを口にされてきたわけです。
では・・・その経済成長ぶりを示すデータであるわが国のGDPはアベノミクスでどう推移したのでしょうか。内閣府によれば、2012年つまり実質的には安倍政権発足前年の日本の名目GDPは約495兆円。これが2016年は約537兆円(2015年値に成長率1.3%を乗じた値)となっていて、平均年率で2%あまり、4年間で約8.5%の経済成長が達成されたことになります。これだけを見ると、わが国のここ十数年間の低成長に照らせば、まあまあなのかな、という気がしなくもありません・・・(?)
・・・ですがこれを世界の視点から、すなわちマネーの国際基準である米「ドル」で換算すると、上のグラフのとおり上記とはまったく違った様相が見えてきます。端的にいえば、日本経済はアベノミクスの4年間ですさまじいほどの「マイナス成長」に陥っている、ということが分かるわけです・・・
わが国のドル建てGDPはアベノミクス前すなわち旧民主党政権下の2012年に約6.2兆ドルと、何と!?本邦史上最高値に達していました。ところがアベノミクスが始まったら、2013年マイナス17%、2014年マイナス6%、2015年マイナス10%と、3年続けて対前年で大幅なマイナス成長を記録! 2015年のGDP(4.38兆ドル)は14年も前の水準(2001年:4.30兆ドル)にまで沈みました。2016年こそ前年比で12%ほどのプラスを取り戻しましたが、それでも4年間の通算の経済成長率はマイナス20%あまり、金額で1.26兆ドル!もの、文字通り「超マイナス成長」となりました、アベノミクスで・・・