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【長期金利の実質引き上げ誘導で円高へ?】日銀の「外債購入論」を排す②

2016-09-27 00:00:12 | 日本

前回からの続き)

 前回、日銀21日に導入した「長短金利操作付き量的質的金融緩和」という意味深な(?)名前の長期金利ゼロ%誘導には、マイナス金利政策発動後の利益減少にあえぐ金融業界のために利ザヤ確保(って、ほんのちょっぴりだけどね?)ができる市場環境に戻すことで、ここのところ落ち込んでいた銀行株の反転を促し、ひいては株価全体の押上げを図ろうという意図がある、なんて見方を綴りました。当日の東京株式市場では日経平均、TOPIX、そして金融株ともに前日比で上がり、まずは狙いどおりの展開、ということで黒田日銀総裁らはホッと胸をなでおろしたことでしょう。

 しかし・・・このゼロ金利誘導策には副作用があります。それは・・・黒田日銀そして安倍政権が超~ネガティブ視する円高を引き起こす面があるということ。つまり、その発動前まではマイナスだった長期金利がゼロ近辺に上げられることで、日本国債の利回りが回復する期待が生じる結果、マネーがドルから円にシフトすることで円高ドル安になりそうだ、ということです。そんな意味ではこの新政策、金融引き締め策と解釈すべきなのかも・・・?

 実際、21日の長期金利や為替レートの動向にはそのあたりが反映されていたように思えます。同日の長期金利は、日銀の上記発表前後でマイナス0.067%程度から0.005%程度へと久々のプラス圏に浮上しました(っても、ほとんどゼロだけど)。ようするに日銀の新政策を受けて国債が売られ、その価格が下がったということなのでしょう。そしてドル円ですが、新しい緩和策!という目新しさ?で直後こそ1円ほど円安ドル高に振れて1ドル102円台後半になりましたが、おそらくは上記が意識され、ほどなく円高ドル安に転じ、上記発表時のレートを下回り、その日の海外市場では100円台前半まで円高ドル安が進みました。

 日銀にとってさらにタイミングの悪いことに(?)、直後に開かれた公開市場委員会で米連邦準備制度理事会(FRB)が(大方の予想どおり?)利上げを見送りました。これでは日米金利差が開かないどころか、かえって縮小してしまう、ということで外為市場は相対的に妙味の増した(?)円が買われドルが売られる展開になっています。かくして注目されていた日米中銀の金融政策が出そろった結果、ここ当面の―――少なくともどちらかが次の会議を迎えるまでの間の?―――マーケットのモードは「円高ドル安」に決定!といった感じです(?)。

 ・・・となると日銀は苦しくなってしまいます。上記事情から邦銀の経営成績や金融株にネガティブとなるため金利引き下げ(マイナス金利の深堀りなど)はおいそれとはできず、かといってこのままだとわが国の長期金利は以前よりも上がって円高がさらに進んでしまいかねない・・・って、これまた株価にネガティブなわけです。頼みの綱だったFRBも利上げをせずじまい・・・(というか、米国内外の状況からFRBは利上げができない、どころかその逆に緩和方向へ舵を切らねばならなくなるだろう、というのが以前から書いている個人的な見通し)

 ・・・うーん、本邦金融機関を苦しめず、円安株高を維持できる手はないか・・・で今後、取り沙汰されそうなのが日銀の「外債購入論」ではないか・・・

続く

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