わが国の固有の領土である尖閣諸島の防衛強化に関する予算が次々に計上されています。
先月31日、防衛省は来年度予算案の概算要求額を公表しました。総額は約5.2兆円と過去最大額。今年度当初予算比で2.3%の増額となっています。これらのなかには尖閣諸島の防衛を念頭に、300kmもの射程を持つ新型地対艦ミサイルの研究開発費が盛り込まれています。また海上保安庁も今年度の2次補正予算案で、同諸島を含む離島の治安維持を担う大型巡視船3隻の新造費用390億円を計上しています。これらはいずれも、尖閣諸島周辺への進出を企てる中国軍に対抗する防衛力および警備体制を強めるためのもの・・・ということは分かるのですが・・・
尖閣諸島をいかに守るか?―――個人的には、上記のようなミサイルなどよりももっと効果的かつ効率的な策として、同諸島への自衛隊部隊の配置が望ましいと思っています。つまり尖閣防衛の有人化です。これこそわが国の同諸島に対する実効支配強化の決め手になるのではないか・・・
現在、離島防衛にもっとも効果を発揮する策が、軍隊の展開とか自国民の植民等であることは明白です。というのは、ある国の「国民」がひとたびその島に張り付いてしまったら、別の国が武力を用いてそれら人々を強制排除等することは、多くの死傷者の発生が避けられないことなどから、そうやすやすとはできないし許されないというのがいまの世界的なトレンドだからです。
このあたりを象徴する身近な例が、竹島です・・・。韓国が不法占拠しているからといって日本は竹島に自衛隊を送り込んだりミサイル攻撃したりできますか?できないでしょう。なぜならそこにはすでに韓国「人」すなわち同国の警備関係者らが居座っているためです。こうすれば日本は竹島に手が出せないことが彼らには、そしてわたしたちにも分かっている。だからこそ韓国は竹島を実効支配できているわけです。
ちなみに・・・日本が竹島を韓国からマジメに奪還(?)するつもりなら、上記の事情から、軍事的手法以外の諸政策によって、彼らが自主的に竹島から出ていくように仕向けるほかないでしょう(?)。でもいまの日本政府・安倍政権にはその気がまったくなさそうですね、日韓通貨スワップ協定の再開に向けた協議が和やかに(?)始められたことですし・・・
離島を有人防衛化することで実効支配を強める―――韓国ばかりではなく日本も同様のことをすでに本邦領土の最東端・南鳥島において実行しています。ここには海上自衛隊の南鳥島航空派遣隊が配置され、自衛隊員を中心に20数名の方々が常駐しているとのこと。これがわが国の国益に寄与している―――同島とその周囲の領海および経済専管水域の確保に大きな役割を果たしている―――ことはもっと認識されるべきでしょう。