(前回からの続き)
前述、竹島の「愚」(日本人がいなかったがために、韓国に「李承晩ライン」を一方的に設定され、同国人の上陸・常駐を許してしまった)を中国に再現されないよう、そして南鳥島の例にならい、わが国は尖閣諸島でも有人防衛を推進してみてはどうでしょうか・・・
で、具体的にどうするか、ですが、「諸島」というように尖閣海域には、いくつかの島と岩礁が広い範囲に散らばっており、それら全部に人を配置するのは実質的に不可能。よってそれらのなかで最大の魚釣島(同諸島西端)と2番目に大きな久場島(同北端)あたりに自衛隊等の部隊を置くのが現実的と思われます。いずれもかつては民間人が居住していたことがある島なので、こうした部隊の常駐拠点を建設・運営することは十分に可能と考えられます。
逆に、いまのまま尖閣諸島を無人状態に放置し続けたら・・・近い将来、中国のほうが先にこれらの島々に勝手に上陸し、拠点を築いて居座ってしまうかもしれません。そうなったら、おしまい―――竹島の二の舞、日本の実効支配は軽~く覆ってしまいます。前回書いたように、いまのご時世、いったん「人」が取り付いたらその島はもはやその人が属する国のものに事実上、なってしまうからです。だからこの場合、極端にいえば中国は丸腰の警備隊数名程度で尖閣を日本から楽々と奪取できてしまう。無人島だものね・・・。
こう考えると、前回ご紹介した地対艦ミサイル(数百億円!?)なんぞ、尖閣防衛に大して役に立たないことが分かります(?)。だって日本は事実上、このミサイルを使えっこないわけですから、いざ尖閣が中国軍に占拠されてしまったら。それは中国だって分かっているわけです。だからこそ、おカネばかりかかって実効性の乏しい兵器開発等ではなく、南鳥島でやっているのと同じような自衛隊部隊等の常駐化によって尖閣の実効支配を強化すべし(?)。こうしたら当然、中国は日本を激しく非難してくるでしょう。でも別にかまわないはず。というのも尖閣諸島は、従前からわが国固有の領土であり、人的拠点を置くことについて外国からあれこれ言われる筋合いはないし、それに遠慮することなんてないはずですから・・・。
・・・「『尖閣諸島は日米安保の適用範囲』とアメリカ様は言っている(たとえば2014年4月、日本訪問前にオバマ大統領がこう言及)。だから自衛隊を同諸島に展開する、みたいな、そんな中国を刺激するようなことなんてしなくてもいいのでは?」―――といった見方があるかもしれません。たしかにもっともです。でも、いつまでそんな悠長なことをいっていられるのやら・・・