Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

嗚呼コスモクリーナー

2012-06-11 23:59:00 | ノンジャンル
電車の中吊りで最近目立つのが携帯やスマホ向けの「放送局」の宣伝です。ただ、これが普及するといよいよ周囲を見ない、空気が読めない「携帯厨」「スマホ厨」が量産されるのでうんざりですが。

それはさておき、そうした宣伝の中に見かけたのが「宇宙戦艦ヤマト2199」の文字。
ご存じの方も多いでしょうが、先に公開された実写版に対し、1974年のテレビシリーズのリメイクと言う位置づけです。

色々ネットで見ると、キャラクターデザインが今風になっていて、リメイクなのか今時のアニメなのか分からなくなることや、ディテールにこだわり過ぎたのか、「お茶の間向けアニメ」故のアバウトさがあった原作の粗を埋めようとした部分が理詰めに走り過ぎた印象を受けました。

それはさておき、衝撃的な「事実」を発見です。
「ヤマト」といえばガミラスの遊星爆弾によって放射能に汚染された地球を救うべく、長躯イスカンダルに放射能除去装置「コスモクリーナーD」を受け取りに行くというのがそのミッションです。

このシチュエーション、福島第一の事故と重ね合わせて、今の日本に「コスモクリーナーD」があれば、というぼやき?もあれば、「フクシマ50」の活躍と、「ヤマト」の主題歌2番の「誰かがこれをやらねばならぬ、期待の人が俺たちならば」が合わせ鏡のようになり、40年近い時を経て、色々な意味で「再認識」されることが増えているようです。

ところが、今回のリメイク版では、その「肝」の部分が「無くなって」しまったのです。
遊星爆弾は放射能を吐き出さず、よくわかりませんが「環境変化」を図っているそうです。
ですから、イスカンダルから持ち帰る「コスモクリーナーD」も当然「放射能」除去装置ではないわけで、その意味で、187年後に地球から飛び立つ「ヤマト」への希望が薄れました(爆)

ちなみに、イスカンダルの距離は、今の学術研究の成果を反映して、14万8千光年から2万光年遠くなっていますが、もともとワープの距離や回数は14万8千光年ベースでスペックが決まっていましたから、ここも修正されているんでしょうね。







「値上げは嫌」だけでは

2012-06-11 23:50:00 | 時事
我が家にも東電から「電気料金値上げのお願い」が来ました。
電力量料金部分が平均で10.28%上がるとのことで、標準的な契約だと7%程度とのことですが、まあざっくり1割として、夏場は1000円程度の値上げとイメージすると、かなりダメージが大きいです。

まあ火発で賄うための燃料費増加が1兆円と、総発電コストの2割がそこに消えた格好になるわけで、「脱原発」で「電気が足りた」コストですから、自分達の主義主張の「重み」が数字となって現れたことを理解すべきです。

値上げの前にやるべきことが、とメディアは言いますが、他のコストを削っても焼け石に水であり、だからこそ大口契約者も文句タラタラながら契約更新に向かっているわけです。
ただ、俗耳に入りやすい人件費についてはちょっと甘いというか、考え方に難があります。つまり、「市民」やメディアが騒ぐボーナスがどうの、という上っ面の部分ではなく、今後の収支計画であるべき姿が迷走しているのです。

つまり、一律カットしても意味がないということです。社員、特に技術者や現場の逸走や、新卒の忌避が生じたら意味がないのであり、東電ケシカラン!でまともな人材の雇用や繋ぎ止めに失敗したらどうなるのか、というリスクが見えていません。薄給でもしがみ付くような人材で福島第一の廃炉をはじめとした諸問題に対応できるのか。

しかしどの企業でも人件費も聖域にしていません。結局は、人件費をカットするべきではありますが、それは常識的な範囲で下げて行き、最終的には「大企業平均の1~2割カット」程度を着地点にする計画であるべきでしょう。そしてそこで肝心なのが、一律カットではなく、人件費の総枠を定め、個々の人件費は個別に定めるのです。

ですから、要員削減で賄うことも出来ますし、必要な人材に他社見合いの報酬を提示することも出来ます。
この問題を巡る議論で気になるのが、ボーナスがケシカラン、というような感情論であり、優秀な人材はなんだかんだといってそれなりの報酬を出さないと集まらないことが置き去りになっていることです。
これは「市民」よりもメディアや地方議会に顕著に見られる話であり、地方の公立病院がこの手の「高給ケシカラン論」で医師の逸走を招いているのはその典型です。

今回の値上げ問題はきちんと整理して考えるべき題材ですが、感情的な素人談義が先行しています。
その典型が先日報道された公聴会であり、結局はどんな理由でも値上げには反対するような人の意見を聞いてどうするのか。たまたま東電がこのような問題を起こしたから反対ももっともらしく見えますが、提示された理由で反対するのでは、何も考えていません、収支なんて分かりません、というのと同じです。

「他にやるべきことが」というのも俗耳に入りやすいですが、1兆円のコストアップをカバーする原資としてみたら、根拠のない希望的観測に過ぎませんし。
ちなみに人件費を全額削っても燃料費上昇分の約1/3しかカバーできません。
発電コストが2割上昇しているのに1割の値上げに留めているコストカットの上積みで、何が望めるというのか。

ついでに言えば、「大口優遇」を最近メディアが騒ぎ立てていますが、大口向けの自由化をした時点で分かっている話であり、ならばなぜあの時に「小口からぼったくり」と批判しなかったのか。
ただ、今回のような異常事態において、本来は大口は有無を言わさず値上げを飲まされるというリスクを負っていたわけで、今回そのリスクの執行の停止、延期、軽減を図ってしまったため、見合いのリスクを取らないことで制度設計時に想定していなかった「大口優遇」になっていることに留意すべきでしょう。今回のリスクの偏倚については、大口の値上げに異を唱えたメディアなどの責任と言える部分も少なくないのです。

余談ですが、マンションの契約を大口扱いにして節電、とニュースショーが報じていましたが、ちょっと前に、大口契約になる共用部分が半端じゃない値上げになる、と騒いでいたのも同じメディアです。
大口扱いを推奨する中で、非常時の優先停電とセットになる割引プランに飛びつくケースも出てきそうですし、大口扱いにはメリットとともにデメリットもあり、国の認可などの規制による庇護から外れるということも正しく報道しないと、また同じような事態が来た時に、「騙された」となるケースが続出しそうです。