Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

「行くぜ」となる訴求力が

2012-06-07 20:47:00 | 交通
「行くぜ 東北」の2nd Seasonが始まりますが、イベントは多彩ですが、それをサメ[トする、というか、肝心な足となる企画商品の魅力が微妙です。

「東北フリー乗車券」と銘打ってますが、毎度の乗車券部分のみのフリーきっぷで、しかも「ふるさと行きの乗車券」のようにフリーエリアが細分化されており、「JR東日本パス」「東北応援パス」に今回と、どんどん渋くなる印象です。

唯一の救いは子供が一律1000円ということですが、新幹線などを使えば子供の特急料金がかかるわけで、家族旅行で首都圏から東北に普通電車で往復と言うこともないでしょうから、トータルでは魅力も相当色褪せます。

例えば仙台エリアに行くと考えたら、このきっぷで「はやて」で往復するとどうでしょうか。
大人2人子供2人で4万8千円、大人3人子供1人(子供の1人が中学生以上)で約6万円となり、クルマで往復した場合のガソリン代、高速代(休日特別割引適用)の約2万円との差は際立ちます。

宿泊費を考えると8万円から10万円はかかるわけで、そうなると現地でお金を落とす(宿代は現地支援になりますが)のも渋くなるでしょうし、だいたい旅行そのもののインセンティブも下がります。

家族での宿泊旅行ならば、まあざっくり10万円が一つのボーダーになるでしょうが、そこで値頃感が提案できないと言うのはやはり企画力の問題ですし、東北に呼び込む、自社の列車に集客するという意欲の弱さも感じます。

復興支援はまずは東北を訪れることから、と考えれば、特に首都圏からだとクルマで行ける限界を超える岩手県エリアを中心に、訪問しやすい体制作り、端的に言えば価格面でのハードルを極力下げたいものです。プレスリリースでは大人2人子供2人が宮古までの往復で通常より約3万円お得、と訴えていますが、それでも6万円です。

大人3人子供1人なら7万6千円であり、1泊2日で交通費と宿泊費だけで9万円から11万円となれば、それでも「行くぜ」となるのか。
手軽に訪問できて、現地での「経済支援」を極大化できるように設計された商品が欲しいですね。


安全、コスト、CSの相関

2012-06-07 20:38:00 | 交通
スカイマーク(SKY)のサービスコンセプトの問題、さすがに「国」を怒らしたらまずいと悟ったのか、いったん撤回して出直すようです。
しかし、前にも書いた通り、あの文章の問題は「書きぶり」であり、内容については変に妥協しないほうがいいものです。

今回の問題で感じるのは、あの文章が何をターゲットにしているのかが見えていない、というか、SKYを批判したいがために曲解している人が多いということ。
安全運航を犠牲にするとは一言も書いていないのに、安全対策も取りませんと宣言してると吹聴している人達はその典型ですが、あそこに書いてあったことは「安全第一、接客二の次」と言うある意味当たり前の話です。

荷物の収納補助もそう。荷棚の安全確認をしないとは一言も言ってませんが、補助をしない=安全確認すらしないと勝手に脳内変換する人が多いのです。

このあたり、無意識下の行動と信じたいのですが、嫌いな相手は事実に反することでも吹聴して貶めるという行動原理があるようで、以前からSKYは狭い、ひどいと吹聴している人が絶えませんが、実際に乗れば判る話であり、大手の詰め込み機材と比べればSKYのほうが快適とも言えるだけに、こういう人は何を根拠に言っているのか、と常々思うのです。

近年は出張旅費システムの関係もありもっぱら大手、それもANAを利用していますが、ANAにおいてもこうした「サービスコンセプト」が出てもおかしくないような客筋が目立つわけです。電子機器の利用などに関してなかなか指示に従わない客も少なくなく、こういったケースで「強い口調」で指示すると、あとから逆切れしてクレームを付けるような輩でしょうから、それへの対応として予め発信することは重要です。


航空の場合は船舶との共通点が多く、そういう意味では鉄道やバスのレベルを超越したサービスが求められるケースは確かにあります。ですから、船の特等船室に相当するファーストクラスではボーイやメイドがやるようなレベルのサービスの必要がある、と言う認識があることは否定しません。
しかしそれを踏まえても過剰に過ぎるサービスの印象があるわけで、特に国内線においては、階級社会に根ざした国際間輸送の流儀を敢えて排除することも考えるべきでしょう。

例えばANAのプレミアムクラスの場合、搭乗するや否や荷物は頼む前から上げてくれるし、上着もハンガーを持ってきて預かりましょうか、と来ます。席に着けばCAが跪いてご挨拶で、新聞雑誌の御用聞きと、至れり尽くせりです。
食事サービスにしても、これは無駄を省くと言う意味では逆に好ましくもありますが、弁当の味噌汁はいらないとか、これは国際線ビジネスクラスでしたが、白ご飯はいらないとか、乗客1人1人の我儘も聞いてくれるわけで、洗練されたサービス、と言えば聞こえはいいですが、そこまでするか、と言う印象が強いです。

もしそこまでのサービスが必要なら、CAとは別にボーイでも乗せて、その分のコストを負担するだけの資力がある階級にサービスを提供すればいいでしょう。一律7000円の格差でそこまで手間をかけるコストがきちんとアッパークラスの中で完結しているかも疑問ですし。

さらに言えば遍くすべての乗客に至れり尽くせりというわけでもなく、団体客が多いエリアにはロクに回ってこないような露骨な対応もありますし、本当にあるべきサービスは棚に上げて、必要性のないサービスを喧伝している面もあります。
(その変形というか典型として、鉄道やバスのように着席サービスという基本中の基本を置き去りにしている業界もある)


ついでになりますが、子供の泣き声に対する苦情は受け付けません、と言う部分については、こちらのほうが正論でしょう。密閉された空間で老若男女様々な乗客がいる、まさに「公共交通機関」であり、乗る側が受忍しなければいけないレベルは高いです。

そういう意味では現在大手の座席指定で、乳幼児をわざわざ表示することはいかがなものか、という話になぜならないのか。赤ん坊が近くにいる、と言う情報を公示することは、赤ん坊を「迷惑」と考えていることに他なりませんから。

以前国際線のビジネスクラスに乗ったとき、予約時に、「乳児用の簡易ベッドがある席が近いので、場合によっては...」と説明を受けたことがありましたが、まあそれなりに時間がかかる国際線だと確かに迷惑と言えば迷惑ですが、そんなあからさまな対応はないでしょう。

慇懃無礼と言う言葉が思い浮かぶようなシーンであり、ハード面ではいろいろ対応していますと言いながら、迷惑扱いをしているという底が知れる対応よりは、公共の場ですから我慢してください、と言うほうが正論ですが、そう書いて批判されるのはどうなんでしょうね。
赤ん坊は機械じゃないんですから、どうやっても泣き止まない時だってあります。でも、舌打ちしたりクレームを付けるくらいなら、あやしたほうが好結果になりますよ。それが「お互い様」の精神ですし。