文明の進化によって、様々な新しい機械が開発され、世の中は便利になった。旅をするにも、あっという間に目的地に着く。そのスピードを提供することによって、高い対価をもらうことも出来る。スピードが一つの価値とみなされたわけだ。
しかし、文明が高度化してくると、逆の事態も生じてくる。スピードを競う時代は、まさに時間を奪い合うことにつながるが、貴重な時間だからこそ、今度は、のんびりと過ごすことが、高い価値になってきた。スピードは要求されずに、ゆったりと過ごせることが、付加価値になる。
豪華客船の船旅は、まさに、時間価値が逆転した世界だ。このような時代であるから、価値観の変化を見過ごすことは、企業経営の命取りになりかねない。これまで価値がないとみなされていたものが、新しい視点で捉えると、ある種の価値を抱えているかもしれない。