何年振りだろう
フルーツケーキを 焼いています。
今日は 夏休みの1日を早々と取り
何をしようか考えたけれど
今なら あのフルーツケーキを焼くことができそうだ。
だって このケーキは父の大好物で
冬になると時々作っては 届けた。
そうすると父はとても喜んで 母にいく切れかを包ませて
車のちょうどよい場所に入れて 夜中の仕事の合間に食べたのだった。
暖かい車のどこかで バターもプラムも口ほどけのよいやわらかさになり
それが又美味しいのだと父は言っていた。
そんなシアワセな時間に限りがあることなんて
ずっとわかっていた。
そして父の肝臓の癌は 母や私の作る父の好物を栄養にして
まるでこの世のものとは思えない色とカタチに増殖していった。
手術によって取り除かれたこの癌細胞と肝臓を見たとき
自分の戦える相手ではないことは すぐにわかった。
B型肝炎は母子感染だったこと C型も混在していたことも
このときに初めて知った。
何 してたんだ 私。
もっと 何か できたのに。
診察に行くたびに 少しは良くなったと言われることに
小さく強い希望を持っていたのに けっしてあきらめなかったのに
それは 医師が数字を言葉にするたび
可能性が狭くなっていった。
なんで わたしのおとうさん しんじゃったんだろう・・・
フルーツケーキを 焼いています。
今日は 夏休みの1日を早々と取り
何をしようか考えたけれど
今なら あのフルーツケーキを焼くことができそうだ。
だって このケーキは父の大好物で
冬になると時々作っては 届けた。
そうすると父はとても喜んで 母にいく切れかを包ませて
車のちょうどよい場所に入れて 夜中の仕事の合間に食べたのだった。
暖かい車のどこかで バターもプラムも口ほどけのよいやわらかさになり
それが又美味しいのだと父は言っていた。
そんなシアワセな時間に限りがあることなんて
ずっとわかっていた。
そして父の肝臓の癌は 母や私の作る父の好物を栄養にして
まるでこの世のものとは思えない色とカタチに増殖していった。
手術によって取り除かれたこの癌細胞と肝臓を見たとき
自分の戦える相手ではないことは すぐにわかった。
B型肝炎は母子感染だったこと C型も混在していたことも
このときに初めて知った。
何 してたんだ 私。
もっと 何か できたのに。
診察に行くたびに 少しは良くなったと言われることに
小さく強い希望を持っていたのに けっしてあきらめなかったのに
それは 医師が数字を言葉にするたび
可能性が狭くなっていった。
なんで わたしのおとうさん しんじゃったんだろう・・・