天鵞絨(ビロード)のコートです。
先日 私に「孤独と秘密」の時間がやってきました。
私は お砂糖とバターと「寂しい」という気持ちと
そこから湧いてくる多少の「灰汁の(あく)」でできています。
たいていの女のヒトは お砂糖とバターとバニラエッセンスでできているのですが
私は物事の最初に「寂しさ」を感じてしまうのです。
社会人としての私を知るヒトは想像できないかもしれません。
でも 私は「寂しくて」 そして
その「寂しさ」が嫌いではありません。
むしろ 自分の身体の一部として受け入れています。
あなたの手や髪や爪のように。
ある時 私の「寂しい」という身体の一部が
仕事の ある一部分でうまくいかなかった。
大変 困りました。
その時に作ったのが天鵞絨(ビロード)のコートです。
仕事ですから もしもそうであるなら
『心をひらき』 興味を広げなければならないのでしょう。
この天鵞絨は 私の「孤独」を「秘密」にして包んでくれる
優しい部屋です。
コートの裏地には友禅。
几帳など平安の貴族や御所の生活の道具が描かれた美しい布です。
着ている時には見えないのですが 着物姿になる時の
わずかに見える友禅の柄。
これも「孤独と秘密」なのです。
しかし「孤独と秘密」はある時 その人を支えるものです。
あまり ひとには理解されないのですが
家族がいて 家族が出かけたあとの 誰もいない
お家の中・・・って 子どものころから好きでした。
家族は夕方になれば帰ってくるから 孤独ではないのですが
だれもいないお家の中って 特別な空間に感じたのです。
そういうヒトは 街中にいらっしゃると思うのですが・・・
どうでしょう。