7泊8日の入院手術を終え
自宅で療養しています。
まったく想像もしていなかった診断でしたが
入院中にこの疾病の体験談などをネットで検索し
そのことは自分の入院生活の大きなチカラになりました。
ひとつの疾病の体験談ではなく
あくまでも「ワタシの場合」ということで
また 忘備録もかねて記しておこうと思います。
11月のある日
職場で工務店さんが伐採していた木の枝が
わたしの右頬(眉間から目の下にかけて)当たりました。
この衝撃は相当なもので
搬送してもらった病院でMRIを撮り
外来担当Dr.はマウスで画像をクリクリと広げたり移動させながら見て
「脳にはまったく異常ないです」と診断しました。
再診の必要もないとのこと。
次が同病院の眼科。
薬で瞳孔を広げていねいに診てくれたように思いますが
「傷もありません。でもせっかくきたから薬をだしておきます」
で終了にしようとしたのですでに目の周りには腫れがあったので
「わたしは自分の顔をみていないのでわかりませんが
出血や傷はあるのでしょうか 消毒の必要はありますか」と聞きました。
「いや傷はないですから消毒の必要もないです。
気になるようなら冷やすとちがうかもしれません」とDr.は言いました。
昼過ぎに職場にもどり 仕事をつづけましたが
目の周りの腫れと痛みはありましたが
そのほかの不調は その時点では感じません。
やがて腫れが軽減したころから目の充血と
目のゴロゴロ感が始まって市販の抗生物質の入った目薬を求め
点眼をしますがあまり効果はなく
近所の眼科を受診。
「目のゴロゴロ感は傷が潰瘍状になっているからです
潰瘍と言うとびっくりしますが点眼でよくなります」とのこと。
抗菌剤 ステロイド ヒアルロンをもらって点眼すると
これはDR.のお見立てのとおりでした。
さて。
顔面打撲の事故から20日あまり
一見 打撲の後もわからなくなった頃から
体調が変わっていきました。
一番は頭痛です。
もともとわたしは頭痛を感じることが多くて
肩こりと頭痛との縁は以前からからの症状。
しかしこの痛みはそれとは区別ができるものでした。
おでこ(髪の毛の生え際のあたり)が痛い。
よく冷たいものを急いで食べるとおでこが
「キーン」と痛くなりますが しいてあげるとこの痛みに似ていました。
また頭の位置を変えるとこの痛みが強くなりました。
たとえばうなずく動作 否定しようと首を左右に振る動作
視線をあげようと眉毛も上にあげる動作
これが 辛い。
急に明るい日ざしや点灯を感じると痛さが増す症状も。
そしてどのくらいバファリンを飲んだでしょうか。
1回2錠 最低でも4時間の間隔をあける薬だったと思います。
勤務先から帰る時には6錠を飲んでいる日もありました。
2番目はパソコン入力の間違いです。
入力時に左手の薬指 小指が担当するキー。
「ZA」「SA」が間違えやすかったので
打たれたセンテンスを変換すると妙な文章になっていきます。
3番目は「歩きにくさ」
歩行が不便とか ふらつくわけではないけれど
歩く速度が遅い めんどうに思いはじめていました。
この症状が自覚できて
ようやく脳神経外科クリニックに予約。
直近で3日後夕刻の予約がとれるのですが
3日後は すでに朝起き上がれず。
仕事を休みました。
夫同行で受診。
問診票に11月○○日 顔面打撲と記入したことで
すぐにMRI撮影。(顔も頭だとのこと)
11月○○日顔面打撲が原因の硬膜下血腫で要手術ゆえ
医療センターへすぐに行って! と力強く診断と指示。
入院した病室の窓からは富士山が一望。
夫の車で医療センター救急外来に向かい
CTの撮影をして診察。
ベッドに横になりDr.が足が膝のあたりを持ち上げます。
その膝の高さを維持しなければならないのですが
Dr.が手を放したとたん がくっ と足が落ちました。
「慢性硬膜下血腫」とあらためて診断と
説明を受け その晩は救急外来に入院。
担当医師の手術の説明も とてもわかりやすく
ずうっと苦しめられてきた頭痛の原因がわかったことで
なぜか納得してしまったのでしょう。
わたしは眠ってしまって
救急外来の夜と朝の記憶がありません。
翌朝 局所麻酔で手術。
ここは覚えていますよ~
手術箇所の縫合はなく脳内に残った血液を排出させるため
ドレーンが出ていて排出パックに貯まる仕組み。
わたしの髪の毛は長いので
ドレーンを出しつつガーゼをあてることが
若いDr.を悩ませている様子もよくわかりました。
こういうのはよくある方法なのか
ガーゼはわたしの髪の毛を少しの束にして
まるで抹茶茶碗の入っている箱に
真田紐で十字をかける方法で
固定されていました。
趣きを持っているお医者さんですね。
しかしここから術後の吐き気と頭痛がやってきます。
吐き気というものは どうしようもないですね。
手術当日の夜の辛さはかなりのものです。
手術翌日は再度CT撮影。
吐き気で身体がクラクラしているところを
ストレッチャーに乗せられ エレベータに乗り
遠心力を感じながら廊下の角を曲がり
病室に帰ってきて 「せぇのぉ」の掛け声で
またベッドに戻ります。
甘えられるのなら だれかに背中をなでてもらえたら
どんなに幸せだったことでしょう。
でも先のストレッチャーの看護師さんが
「頭の中に血液 わたしもCTをみましたが
きれいに抜けていましたよ~
あとでドレーンもぬけますよ」と言って下さいました。
うれしかったです。
抜管は病室にて。
抜管後はホチキスで止めて2時間安静。
午後2時半
うどんが出されると まずうどんつゆを飲み干してしまいました。
水と塩分。
身体にしみていきます。
この病院の脳神経外科は
個室が多く入院時に病棟クラークからも
事情が許せば の範囲で個室もすすめられます。
そして富士山のみならず
外輪山まで連なっている景色まで
パノラマのようです。
富士山とは これほどまでの裾野を従えていたのですね。
この景色も治療環境として十分です。
脳神経外科病棟で退院まで治療を受けました。
経過は順調ですが
術後2日間は
ベッドの頭部を起き上がらせて座っていても
「ぽか~ん」としていることがありました。
入院してみると
病室という治療環境はさまざまな音に包まれています。
まず 病室なのに自宅ドラム式洗濯乾燥機の運転音がする。
これは まずい。
ここにいて自宅の音がするとは
手術の後遺症の幻聴かと思い
病室でしゃがんだり 歩きまわって耳をすませてみたら
ベッド近くの冷蔵庫の 音。
しばらくつながれてた医療機器のアラーム音
給食運搬の台車の音
毎朝のお掃除の人が運んでいたバケツを置き
次に持っていた取っ手が落ちてバケツ本体にあたる音
看護士さんのすれ違いざまの連絡の声
それでは こういうものから遠ざかろうと
病室の扉をしめると 音は軽くなるものの
社会から閉ざされる感覚がしてしまう。
ちょうどよいという距離感は難しいものです。
クリスマスは入院していて
夕食の献立が楽しみ。
ピラフ から揚げ 冬野菜のピクルス
そしてクリスマスケーキの 箱。
開くと サンタとそりが出てきます。
入院中のよい子は
牛乳と いただきます。
脳の再生には「たんぱく質」が必要なのです。
(個人的な感想です)
退院後 3日目。
なぜ 11月のあの日
わたしは怪我をしなければならなかったのだろうかと
考えています。
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→ みなさんも顔面や頭をぶつけたり転倒して打撲をしたらぜひ覚えていたほうがいい。
それから20日から1ヶ月経過後 痛みやふらつきなどいつもと違う症状があったら受診すべきですよ~