我想一個人映画美的blog

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悪人

2010-09-15 12:17:23 | 劇場&試写★6以上

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受賞の深津絵里だけじゃなく、キャスト全員が素晴らしい

芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを妻夫木聡&深津絵里主演で映画化。

bloggerさんのお勧めもあったし、話題の作品ということで劇場鑑賞。


長崎の外れの小さな漁村に住む祐一は出会い系サイトを通じて佐賀在住の光代と出会う。
逢瀬を重ねる2人だったが、祐一は世間を騒がせている福岡の女性殺人事件の犯人だった……。
監督は「69」「フラガール」の李相日。

誰が悪人なのかを問う、とある。
本年度最高の感動作とも謳ってる。
モントリオール映画祭で深津絵里が主演女優賞受賞。これは代表してということだろうけど、妻夫木聡も負け劣らずです。

最悪の事が起こる過程には、様々な負の要素の連鎖反応によって起きていると思う。
事が起きてからでは全て後の祭り。
孤独感、劣等感、なじられたと感じる屈辱感、、、生きていくなかでそれぞれが抱えてきた思いがあるとき何かのキッカケでぶち切れる恐ろしさ。

共演の チャラい最低男を演じた岡田将生、被害者、吉乃演じる満島ひかりのいつもながらの自然な演技もすごく良かったし、


柄本明、樹木希林、宮崎美子、井川比佐志、松尾スズキ、光石研、余貴美子、
と素晴らしい名優たちが脇を固める。


観終えたあと、女子高生たちが「すごいリアルだったよね~!」なんて話してた。

うーん、リアルかな?
映画として面白いし、惹き込まれるには惹き込まれたけど、正直一人一人のキャラにはそんなに感情移入というのはなかったな。
色んな部分で、そこまでやる?!な人物の行動とかセリフとか、、、
細かいところで気になった部分が。


どんな理由があっても、人を殺めたらそれでもう罪人。
もし愛する人や家族が、どうしようもない理由から人を殺したとしたら、
世間的には「悪人」だとしても、自分にとっては「悪人」ではない。



土木作業員の清水祐一は、長崎の外れのさびれた漁村で生まれ育ち、恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。
佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代は、妹と二人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日。



そんな孤独を抱えた二人が、○○○を通して出会う。



6/10(65点)


はじめは、理由なくかっとなって仕返しから殺したのだと思ってた。
でも、いきさつをみると被害者の吉乃自身が 加害者、祐一を罵り、
嘲り、突き放したことへの衝動的な怒りによるもの。


いくら憧れてた人にこっぴどいことされた直後でも、あのシチュエーションだったら突発的に車で現れたあの男を罵るかなぁ。
真っ暗夜道に放り出され帰るあてもなかったんだから、藁をも掴む想いで
とりあえず車に乗せてもらわないかなぁ、何度か会ってる相手なんだし。
とか、
そもそも餃子臭かったり、会話がウザいと思っただけで車から何も
あんな風に蹴り落とさなくても、、、、と思うんだけど

そして祐一と吉乃。
カッとなって。で事件を引き起こしてしまうのは
現代社会でも現実に起こっていることで、、、、

まるでやってないことを自分のせいにされ、「レイプされたとあんたを訴える」
なんて言われたら半分正当防衛じゃないけど、
自分を守るため、頭に血がのぼりやすい人間だったらありえなくもないな
という恐ろしさは感じた。



深津絵里演じる光代は、妹は彼氏がいて幸せそうで 自分は職場と家の往復だけで何も楽しみがなく、、、
本気で誰かと繋がりたいと思ってたのはわかる、
そんな時に知り合った清水祐一という男。お互いが孤独。
一緒にいることで、触れ合うことでその孤独から逃れられるような感覚になる
=恋だと思う というのもわからなくはないんだけど
それが、祐一が事件を起こす前から繋がっている関係だったらまだわかる
どんな人物か、全てはわからないまでも信頼するという意味では。

でも知り合ったのは殺された吉乃よりもあとな上、2回ほどあったくらい。
それでもう殺人を犯したと言う告白にも驚かずに
そちらを信用してむしろ逃亡しようということに至には
真面目な子のわりには軽卒な行動すぎないか、、、、

わたしだったら本当にその話を信じて、好きだと思ったなら
(怖いけど)まず自首を勧めるわ。 それやったらこの話にならないか(笑)
灯台は美しくて良かったけど、あんなところ鍵もあいてて勝手に住めるわけない
とか現実的に思ってしまうのよね。
最後まで祐一と少しでも一緒にいたいと望むその行動。
二人とも寂しかっただけで、実は誰でもよくて、たまたまタイミングがあって
傷を舐め合って、、、、みたいな風にみえてしまった。
光代の人物像が浅かったせいもあるし感情移入は出来ず。

殺された吉乃の父親の行動、ちゃらんぽらんで裕福な家のおぼっちゃまでイケメンくん、
あの言動は極端だったけど、実際あんな若者がいるとしたらあれこそほんとに悪。
自分がした行動の後で人が一人死んだんだから、いくら何でもあんなに無神経でいられるものかな。とか
そこも色々疑問に思うところがあったな。

わたしが一番感情移入してしまったのが、加害者 祐一のたった一人の育ての親であるお婆ちゃん。

樹木希林さんはもう、本当に最高。お婆ちゃんの気持ち、痛い程伝わって来て泣けた。
一生懸命働いてる姿、コツコツ孫のためにためたお金を
怪しすぎる老人狙いの漢方高額売りつけ詐欺にひっかかったり、
孫が消えたあと、病院通いで介護する姿。
くじけそうなお婆ちゃんへのバスの運転手さんの、短いけど力強い励ましに感動。
殺害現場に揺らめいていた祐一にもらったスカーフが切なかった。


祐一も、人殺しをしたことで「悪人」になってしまったのだけど、
みかけはただなんとなく変えたくて金髪にしてみたというだけだったり
もともとは家族想いだし、
車から蹴り落とされた吉乃に純粋に乗せてあげようとしたり、
灯台では光代のかじかんだ足を温めてあげたりと優しい気持ちを持っている子。

だからこそ、ラストでは 光代を共犯にしないためにあんなことに...。
そして本当の気持ちは その手の先に...。





公式サイト
悪人     2010年  日本    139min
9月11日より、公開中~





一喜一憂したくないけどやっぱり気になる
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40 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
「悪人」観ました。 (シン)
2010-09-15 14:24:16
migさん、こんにちは。僕も「悪人」観ました。でもmigさんのような深い見方はできず、ただ単純に「何が善で、何が悪かを知るにはいい映画だなぁ。」と思ってしまいました。
確かに祐一に会ったばかりの光代が、あそこまで祐一について行くのは、現実的には不自然だなぁと思いました。
それにしても祐一は実社会では悪人かもしれないけれど、本当は悪人じゃないなぁと思いました。
善悪を考えるきっかけとして、周りにお薦めしたい映画ではあります。
返信する
う~~ん・・・ (マリー)
2010-09-15 14:37:38
こんにちは~~♪
「君が踊る、夏」の方を先に書いちゃって、まだレビュー書いてないの。

やっぱり私も感情移入は出来なかった・・・
大体、いつもこういう孤独な人達の物語見て思うのは、自分が孤独であるかそうでないかっていうのは自分自身の気持ちの持ちよう。職場と自宅の行ったり来たり、単調な日々の積み重ねが・・・っていうのを見ると、はがゆくなって・・・
待ってるだけじゃダメ。自分から何かアクション起こさないと、人生変わらないよね?
何かをみつけようと出会い系へ・・っていくのがなんだかな~~なんて思ってしまって。

はなからそんな気持ちで見てるから、余計感情移入は出来ず><;
ただ妻夫木くんや深っちゃんの演技はよかったと思うし~脇の方々もよかったよね~~。
被害者役の満島ひかりちゃん?絶対女子から好かれない子をうまく演ってたし~。岡田くんもチャラ男っていうか、出来の悪い子が合ってた~。
奇林さんに関しては、もう完璧!!

登場人物がみんな哀しい人で、切ない想いが残った映画だったわ・・・
やっぱり「君が踊る・・」の方が好き(好みの問題で~す)
返信する
こんにちは♪ (yukarin)
2010-09-15 16:02:23
観たんですね^^
そうそうキャスト全員が素晴らしいですよね。
私も樹木希林さんが一番印象に残りました。
悲しみがすごく伝わってきました。
バスの運転手さんの言葉が良いんですよねぇ。
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こんばんは (ノラネコ)
2010-09-15 23:27:09
孤独なアラフォー男子としては、がっつり感情移入しました。
とにかく他人との繋がりを感じたい、理由はもう後付でかまわないというのはよくわかります。
実はこの人たちって自分を愛したい人たちなんだと思います。
だから殺人犯を愛しちゃった私でも、それが自分を認める切欠になれば肯定できちゃう。
まあ作劇的にもう少し突っ込んで描いても良いのにという部分は確かにあります。
そのあたりは素晴らしい役者のパワーでカバーされているという感じですね。
返信する
お久しぶり♪ (SOAR)
2010-09-15 23:35:20
けっして“リアル”な作品ではないと思いますが、migさんおっしゃるところの“負の連鎖”の様子には妙に現実味がありましたよね。
個々の出来事なり行動は不自然でも、展開自体はありえない話じゃねぇな~みたいな。

感情移入できそうなキャラがいそうでいないのがちょっと残念でしたね。
返信する
こんばんは☆ (ビーム)
2010-09-15 23:39:00
「悪人」気になるんですけど、地方のここは上映しないみたいで><
したとしても11月ぐらいかもしれませんがw
自分は観るとしたらレンタルかなぁ・・・

内容は重そうですね。
写真見てるだけでも伝わってきます。

個人的になっちゃいますが、樹木希林さんのお婆ちゃん姿が
死んだお婆ちゃんとめちゃ似てて驚きました!
なんか懐かしくいろんなこと思い出してきました。

って、映画と全然関係なくすいませんヾ(;´▽`A``
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Unknown (q 俳優達は素晴しいけど)
2010-09-15 23:40:29
qを闇討ちしないでね
・・・駄目だったなぁε~(・ε・`*)ゞフー  私って世間の「感激」から離れてるのかしら・・・
この作品って家族、愛、日常、平穏、人間関係、人の弱さ、強さと多々描いてって非常に考えることが多い。
でも映画になったらどれも浅くて正面から描いていなかった
深く堀り下げていなくて・・・
物足りなかった
ま。q自身が「殺人をこの世で1番許さない事」だからって事が大きいんだけど・・・周りに「被害者、家族」がいるから尚更シビアに観たかな
事件の発端となった犯罪を愛の逃避行
加害者と共に逃避行する光代に焦点
寂しさを互いに埋め合わせる「自己愛」
イミフだ(*σゝ皿・)σYO☆
出会い系で知り合って、あんなんなるか~~~~(◎¬(ェ)¬)ぶぅ
どこがリアルなんじゃぁぁぁ

役者さん達はもー素晴しいよね♡
柄本明氏といい樹木希林サン 松尾スズキ氏、♬♫♥(๑◕ܫ◕๑)♬♫イイ
「大切な人がいない人間はダメだ」
響く言葉だったなぁ
返信する
Unknown (KLY)
2010-09-16 00:29:49
うーむ、携帯で観てあれって思ったから「ミレニアム2」にもう一度TBとばしてみたけどダメみたい…。でこっちもだめだ><;
他のgooブログさんはいいのになんでだろう?

人が人を好きになるのに時間は関係ないのかもしれないけれど、私も光代がそこまで祐一に入れ込むにはちょっと彼女の背景描写が少なすぎる気がします。寂しい女性だというのは解ったけどそれだけじゃ弱い。
ただ、光代の役柄と深津さんが驚くほどマッチしてたのはあると思うの。だからそのマッチングの良さとの併せ技で光代が完成していた気がします。
個人的には圧倒的に柄本明。この人凄いですわ。ほんと演技派です。
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今日観ました。 (562_1992)
2010-09-16 00:55:58
こんばんは。『悪人』観てきました。

泣くとこまでは行かなかったけど、
レディースデイという事もあり周りでは
グスグス鼻をすすっている人がチラホラ。

なるほど、migちゃんの言うとおり
所々ツッコミどころはあるものの、
私はなかなか良かったです。

誰が本当に悪人なのか…
確かに考えさせられました。というより、
加害者だけが悪人ではないんだよ、と
あえて言われている様でした。
悪人とまでいかなくても、周りの人達
それぞれの身勝手さも描かれており
主役2人が綺麗に描かれ過ぎな気もしますが…

岡田くん・満島さんがあそこまで
憎たらしいと感じるのも2人の演技力ですねw
主役2人の他、脇を固める役者さん達が
素晴らしかった!原作本はこれから読みます。




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善人 (hino)
2010-09-16 08:34:43
migちゃん、おっぱー!!
どしゃぶりだねー。
一弾送って、第二弾め、これから送りに出ます~。
娘の同級生は雨の日、高速道路に乗って来るんだって。ええ~~っ@@

昨日水曜日なのに仕事日だったので、映画行けなかったー。

好きなテーマだけど、悪人、やっぱり本で読もうっと。でDVD待ち。
妻夫木くんは、私がちゃんと知っている数少ない俳優だし、好感持ってるよう。

足下気をつけてね!!
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