なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心不全か肺炎か

2018年06月29日 | Weblog

 昨日の午前中は救急当番だった。2件の救急搬入があったが、連絡は来ていなかった。あとで確認すると、どちらも高齢者の心不全で、紹介先のクリニックから直接循環器科の先生に診療依頼がいっていた。

 90歳女性は4月から5月まで心不全で循環器科に入院していた。退院後はクリニックで処方を受けていたが、胸水貯留が進行して再紹介になっていた。

 最初に診たら、肺炎と心不全の鑑別はどうなるか。発熱はなく、炎症反応陰性(白血球数4800・CRP0.2)なのは心不全らしい。BNPが744と上昇しているは心不全らしい。胸部X線は心拡大・胸水貯留(心嚢液貯留も)があるから心不全?。胸部CTで見ると、左背側に浸潤影様にも見える陰影があるので、肺炎らしいと思うかもしれない。

 肺炎でも、高齢者だと発熱がないこともあるし、初期には炎症反応が上昇していないこともある。心不全としても、CTからは肺炎も併発していると判断してしまうだろう。

 心電図ではV1-4にpoor r wave progressionがあり、陳旧性心筋梗塞(前壁中隔)のようだが、心エコーでは部分的ではなく全体的なhypokinesisだった。EF35%で有意な弁膜症はない。

 循環器科では、ラシックスを1回だけ静注して二トロールの点滴静注を行っていた(血圧160/100)。抗菌薬は使用していない。心不全そのものと自信をもって診断されているのだろう。当方がやると、よくわからないのでラシックス静注・ハンプ点滴静注・抗菌薬投与という心不全+肺炎の治療になるが。

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