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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃癌と肝癌

2017年05月30日 | Weblog

 先月始めに、地域の基幹病腫瘍内科から70歳代前半の男性が紹介されてきた。胃癌術後再発・多発性肝転移・癌性腹膜炎で、緩和ケアをよろしくという依頼だった。体力・食欲が低下してきていた。

 それでも、まだ元気がありそうに見えた。患者さんも入院する気はなく、まずこちらの先生に挨拶に来ましたと言う。実際、紹介先の腫瘍内科の(最後の)外来予約が入っていた。

 一昨年、その病院の外科で進行胃癌と診断されて、胃全摘術を受けた。昨年春に多発性肝転移と腹水(癌性腹膜炎)と診断された。抗癌剤治療は無理と言われたそうだが、患者さんが強く希望して、抗癌剤治療を受けたそうだ。1年以上もちこたえたので、効果があったのだろう。

 今月初めに外来に来て、CT検査をした。胸水と腹水の増加を認めた。利尿薬を増加して、ステロイドも追加していた。次回は入院かなと予想した。

 先週患者さんの奥さんから、地域医療相談室に相談があった。以前から対応に困っていたそうだが、患者さんが自宅で物を投げつけたりしているという。しだいに体力が低下しているのが自分でわかるのでイライラしているようだ。患者さんに入院する気があれば、入院でみますと答えてたが、予約日まで様子をみると言ってきたそうだ。

 今日は、患者さんから入院したいと希望があったので、そのまま入院とした。かなり理屈っぽい方で、病棟の看護師さんが対応に困るかもしれない。奥さんは、親戚も含めてここ2年間腫れ物にさわるように対応してきて、疲れ果てたと言っていた。ここまで気を使ってもらって幸せなのではとも言う。当院入院では本格的なホスピスのような対応はとてもできないが、預かってもらうだけでいいという感じだった。

 肝癌で緩和ケアの70歳代後半の女性も今日が予約日だった。今月初めに大学病院腫瘍内科から転院してきたが、自宅退院の希望が強く、退院にしていた(最後のチャンス)。入院時にはなかった黄疸が見られて(検査値が全体に悪い)入院を勧めたが、点滴してもらって今日は帰るという。2週間後の予約は入れたが、家族にはそこまでもたない可能性が高いので、状態が悪く入院する気になったらその前に受診するよう伝えた。

 

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