地域の基幹病院の血液内科(非常勤医)から急性骨髄性白血病の81歳男性が紹介されてきた。経過は長かった。
7年前に前進い皮疹が出現して皮膚科を受診した。血液検査で異型血球の出現があり、6年前に大学病院の血液免疫科に紹介された。骨髄検査でMDS-RAEB2と診断された。診断後は、基幹病院の血液内科外来に通院していた。一時は大学病院の治験に参加したり、白血球数増加時に6-MPが投与されたこともあるが、基本的には必要時の輸血で経過をみていた。
その後、芽球数が増加して急性骨髄性白血病相当となった。急変するかと思われたが、予想よりはもっていたという。原疾患に末期腎不全もあり、さらには年齢の問題もあり、ADLが低下してきていた。電話では、外来通院で時々輸血をして、いよいよ悪化した時は入院でという話だった。
今日患者さんが外来受診に来てみると、大分弱っていた。そもそも高齢者の一人暮らしだった。妻はすでに亡くなって、子供はいなかった。責任者としては隣町の妹と隣りの市の甥になるが、添えぞれあまり行き来はしていない。連絡して妹さんに来てもらったが、会うのは1年ぶりだという。まず到底ひとりでは生活していけないので、そのまま入院となった。
白血球数46000で芽球が27.0%だった。Hbは9.3g/dlとすぐの輸血は不要で、血小板数も33.5万あった。慢性腎不全はBUNが113.0、血清クレアチニンが6.13でなかなかのものだ。
まずは施設入所的な対応になるが、どこかの時点で一気に悪化するのだろう。対症療法は行うが、病状悪化時はDNR同意となった。
紹介した先生は大学血液免疫科から出張していて、先日大学病院に入院していた悪性リンパ腫の女性を紹介された先生だった。診療情報提供書にある「この度も格別のご高配を頂きまして」の「この度も」はそういう事情からの記載だ。この施設入所的な入院ができるのは当院のいいところだ。