なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症

2018年10月01日 | Weblog

 週末は土日とも休みだった。病棟から処方が足りないと電話が来たが、それは薬局から先渡し分として出してもらうしかない。看護師さんとしては、たぶん継続投与だと思っても、飲みきり中止ではないことを確認する必要があるのだろう(まあ、先渡しの指示があったと言わないと薬局で出さないし)。

 昨日の日曜日の日直帯で、46歳男性が左下肢(全体)が腫れた(浮腫)と訴えて外科外来を受診していた。酸素飽和度は98%(室内気)でバイタルは安定していた。

 7月に整形外科に足関節外果骨折で入院していた。入院中から左下肢の浮腫が軽度にあり、軽快・悪化を繰り返していたらしい。年齢的には血栓形成する基礎疾患を疑いたくなるが、下肢の骨折自体が危険因子となったようだ。

 外科医(大学病院のバイトの先生)は胸部~下肢の造影CTを行って、左外腸骨静脈~膝窩静脈の深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症と診断した。内科系の日直が循環器科医だったので、循環器科で入院になった。

 外科医がヘパリン初期量(5000単位)を静注していたが、循環器科ではその後はDOACを使用していた。イグザレルト15mgが朝夕2回で投与された。この前の肺血栓塞栓症の患者さんでも同様の治療をしていた。

 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の治療では、DOACごとに処方が違う。イグザレルト(リバーロキサバン)は1回15mg1日2回投与の倍量を21日間投与して、その後は通常量になる。エリキュース(アピキサバン)は1回10mg1日2回の倍量を7日間投与して、その後は通常量になる。リクシアナ(エドキサバン)は倍量投与はなく、最初から通常量投与になる。

 倍量投与できて、21日間とその期間も長いので、イグザレルトを使用しているらしい。というのは循環器科では心房細動にはリクシアナをよく使用しているから。

 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症は大変な病気だと思うが、内服薬で治療できてしまうのがすごい(程度にもよるのだろうが)。外科医は女性医師で、この先生ともう一人の女性外科医が時々バイトで来てくれる(大学院生)。

 

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