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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ESD後の再発

2021年01月24日 | Weblog

 水曜日に91歳男性が内科再来を受診した。2回目の受診になる。

 2年前の年末に健診の二次検査として当院消化器科で内視鏡検査を受けて、早期胃癌(Ⅱa+Ⅱc)と診断された。内視鏡治療を勧めたところ、地域の基幹病院消化器内科を希望されて、そちらに紹介となった。

 内視鏡的胃粘膜剥離術(ESD)を受けたが、病理の結果は非治癒切除となった。高齢のため(当時90歳)追加外科手術は希望せず、そのまま外来で経過観察となっていた。

 昨年の10月の検査で肝門部リンパ節転移疑いと診断され、腫瘍マーカーの上昇(CEAが90台まで上昇)もあり、胃癌再発と診断された。治療は希望せず(まあそうだろう)、経過をみて病状悪化時は緩和ケアのみとなった。

 昨年11月に当院内科に紹介されてきた。患者さんはやせているが、年齢を考慮すれば、元気だった。毎日にように畑仕事をしているそうだ。消化器薬としてはPPIが処方されていた。軽度の糖尿病もあり、DPP4阻害薬を継続とした。

 先方の内視鏡検査では胃の局所再発は認めていない。胃癌の進行による消化管出血はなくなり、また不完全でも原発巣を切除していて転移のスピードは鈍った?かもしれないので、頑張ってESDを受けた(した)甲斐はある。

 前回の受診時にCTを行って、放射線科の読影では、まだ小さいが多発性肝転移を指摘された。どこまで外来で経過をみられるかわからないが、なるべく長く元気で過ごしてほしい。

 

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