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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

悪寒・戦慄・高熱~総胆管結石・急性胆管炎

2017年02月02日 | Weblog

 昨日の午後に内科クリニックから92歳男性が胃腸炎疑いで紹介された。昼に急に心窩部痛が出現して、3回嘔吐した。クリニックで点滴とブスコパン注をしたが、症状が改善しないということだった。会話もちゃんとできて、高齢のわりにADLは自立している方だった。心窩部から臍部にかけて持続痛があった。同部に圧痛があるが、腹膜炎の所見はなかった。

 まず診察室で心電図をとったが、心筋梗塞の所見はなかった。心房細動もない。心窩部の持続痛なので、胆嚢膵臓かと思ったが、大動脈解離/瘤も心配になった。血液検査で肝機能障害を認めたが、炎症反応は(まだ)陰性だった。

 腹部エコーで胆嚢内に結石があるが、胆嚢炎の所見や総胆管拡張はなかった。受診時には平熱だったが、検査前から体熱感があり、37.4℃の発熱を認めた。エコーの検査中から悪寒が始まった。そのあとすぐに胸腹部CT検査に向かった。CT台の上で悪寒戦慄が明らかとなった。発熱は40℃になった。CT所見をざっとみると、胆嚢結石以外は大したことがないようだったが、総胆管末端に結石があった。

 総胆管結石による急性胆管炎と判明した。血圧は150/80mmHgでその時点ではショックではない。呼びかけると返事はするが、何だか受診時よりも意識が低下している気もする(単に高熱のため?)。急性閉塞性化膿性胆管炎に進展する可能性があり、胆道ドレナージができる病院への搬送を要する。その時午後5時半を過ぎていた。

 一番近い地域の基幹病院に電話した。ふだん稼働率の悪い当院でも患者数が増加して、 病棟は大変なことになっている。そちらはたぶん満床に近いはずだ。消化器内科の先生をとお願いしたが、時間外扱いだったので、当直の先生(呼吸器科の先生だった)に回された。ベットが厳しくてと言われたが、受けてくれた。その病院がダメなら、遠方の消化器センターのある病院に交渉して、それでもダメなら当院で抗菌薬投与で一晩頑張るしかないかとも思っていたので、助かった。当院で経過をみると、夜にショックになった可能性もあるから。

 

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