1週間前の当直帯で救急搬入された99歳女性は肺炎だった。搬入時酸素飽和度が酸素10L/分でも80%台だったが、点滴と喀痰吸引で90%以上になった。施設に1年以上入所していたらしい。当直医が家族に今晩中にも危ないという話をして翌朝までの指示を出してくれていた。翌朝に診ると、酸素3L/分で飽和度が94%くらいあった。何とか治るかもしれないと思ったが、12誘導心電図を見ると、ST上昇が目立っていた。Ⅱ・Ⅲ・aVFとV4-5でST上昇があり、心電図モニターにはST上昇した異様な波形が出ていた。心筋障害は同時に起きたのか、極端な低酸素にさらされて二次的に起きたのか、わからない。たこつぼ心筋症も考えて循環器科医にも話はしたが、血圧は保たれていたので、あえて精査とはならなかった。1週間たって機能の日中活気がないとは思っていたが、バイタルは変化なかった。今日の午前1時過ぎに急に心肺停止となり、当直の若い内科医が看取ってくれた。
入院後、息子さんたちが時々来て、(開眼しているが発語がないので)顔を見ては帰って行った。病棟で息子さんに会うと、「まだ持ちますか」と何度か声をかけられた。