時間が空いた時、来月展示して音を出す真空管式レシーバの修理をしています。前回はどこが故障しているのか特定しました。それはスピーカ出力段の位相変更スイッチです。今このようなスイッチは無いのではないかと思います。今回は、そのスイッチを修理しました。
故障した位相変更スイッチ 位相変更スイッチの構造 装置の裏蓋を外す
最初、その故障したスイッチを外すことにしました。そのため、レシーバの裏蓋を外しました。そして、スイッチを止めている2個のネジを外し、スイッチを手元に持ってきてよく観察しました。そのスイッチは片側のスピーカの位相を180度逆転する働きがあります。レコードプレーヤやブリアンプなどの+-接続を誤ることがあります。素人ならよくありそうな接続誤りです。そのような場合、接続を直さなくてもこのスイッチを使えば簡単に修正することができるのです。
歪んだ位相変更スイッチ なんとなんと!ポロリとスイッチが分解
その位相変更スイッチを手に持つと、歪んで隙間が空いているではありませんか。そして、スイッチを押してみると、なんとなんとスイッチがポロリと二つに分解してしまいました。これでは接触不良がおきて当たり前です。長い間このレシーバを使っていて、このスイッチが歪んでしまったのでしょう。つまみを強く押しながらスライドさせると、このような故障が頻発しやすいスイッチなのです。
ベンチを使って、スイッチのかしめ部分を修理
ところで、このスイッチは構造が簡単なため修理は容易です。弱くなって外れやすくなっていたかしめ部分をベンチなどで元の状態に戻すのです。なお、これまでに直したスイッチのうちトランジスタラジオの中短波切り替えスイッチの修理が一番大変でした。
直したスイッチを2個のネジで取り付け プレーヤーとスピーカを取り付け
直したスイッチをレシーバ本体に取り付け直すと、治っているかどうか確かめるためプレーヤーとスピーカを取り付けました。そして、EPレコードやLPレコードをかけて聴いてみました。すると、右と左から正常に音が出てくることを確認しました。ただ、50年以上前の真空管製品ですので、多少音が歪んでいるのは仕方ありません。また、左右音量バランスボリュームからひどいガリ音が出ます。これから10月にかけて、エージングしながら良い音がでるように調整しようと思います。
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