今、育苗箱を使った苗作りをしています。去年までは、昔ながらの苗代への直播もしていました。直播以外に、育苗箱を使ったり、畑に直播する畑作苗もしていました。苗代を手伝う人が少なくなって負担ばかり大きくなってきたので、今年は比較的管理が容易な育苗箱を使う苗作りだけをしようと思います。
育苗箱,籾,そして培養土 培養土を育苗箱に盛る
育苗箱を苗代の近くに並べた後、それぞれの育苗箱に培養土を盛ります。そして、移植ごてで平らに均します。25Lの培養土でおよそ10箱の育苗箱をまかなえます。なお、培養土はDIY店でたくさん売っている野菜用で十分です。
平らに培養土を均し終わった育苗箱
育苗箱に培養土を盛り終わると今度は籾を蒔きます。籾は事前に浸水させておきます。農家ではこの種蒔きを機械で行っていますが、20~30箱の育苗箱では手で均等に散蒔きするだけで十分です。
浸水した籾を手で掴む 籾を育苗箱に均等に散蒔き
籾を蒔くと、今度はその上に薄く土を被せます。被せる土は乾いた畑の土を使います。小石や雑草が入らないように、そして均一で細かな土になるように網でふるいます。
網を使つて均一な土を被覆 左側が細かな土で被覆済
網でふるった細かな土で、蒔いた籾が見えなくなると被覆完了です。この時直射日光が当たっていると、育苗に蒔いた籾は見る間に乾いてしまいます。乾く前にすばやくこの育苗箱を苗代内に持ち運んで苗代の土の上に置きます。
細かな土で被覆された育苗箱、すぐに苗代内に運ぶ
苗代内は育苗箱を並べることを想定して、あらかじめ水を抜いておきます。水を抜いておかないと、さざ波で育苗箱の土や籾がさらわれてしまいます。そっと土の上に置くと、少しずつ水が育苗箱にしみこんできます。一度水がしみこむと水を深くしても大丈夫です。
水を引いた苗代内に並べた育苗箱
育苗箱を並べ終わり十分水がしみこむと、今度は徐々に水を苗代内に引き込みます。すると少しずつ水深が深くなり、育苗箱が水没します。水に沈める理由は、スズメなどの害鳥から守ること、水温で温度差がすくなり籾が守られることなどあります。
水を引き込んで育苗箱が水没したことを確認すると、今度は苗代全体を防鳥網で覆います。サギやカモなどの大型水鳥が入らないようにするためです。この田んぼにはドジョウやおたまじゃくしなどの小動物が多く生息するため、その小動物を狙っていろいろな動物が入り込みます。入り込むとせっかくの苗代を台無しにしてしまいます。一昨年カモの害にあって苗が荒らされ困りました。
水を引き込んで水没させている育苗箱