側面と底を合体させたため、次に取っ手を作りました。前回の買物籠は芭蕉の葉茎を三本使って三つ編みにしましたが、今回は素材を変えて初冬に採集したチガヤを使って取っ手を作りました。しかも三つ編みではなく三本の束を撚って三連縄にしました。その縄を二本作りました。
チガヤを撚ったのは初めてですが、わらと違って節がない一本葉なので撚りやすかったです。ただ、葉先と葉元を混在して撚れば太さが均一になったはずです。次回縄を撚ることがあればそうしようと思います。
チガヤを使って取っ手にする三連縄を撚る
ところで、チガヤで三連縄の撚り方ですが、次のようにしました。最初、チガヤの葉元をトントンして揃えました。その後、洗面器に入れた水に浸して湿らせました。水から出すと余分な水滴を取りました。そして、木槌で叩いて柔らかくしました。
その後、縄の太さのチガヤを三等分にしました。その三等分したチガヤを左手の親指,人差指,中指,薬指の間に掴みました。そして、右手でチガヤ三等分したチガヤをほぼ同時にぐるぐると回しながら縄にしました。このように同時に三連縄を撚る方はあまりいないようです。
チガヤの葉元を揃える 三等分して各指で掴む チガヤの三連縄を撚る
チガヤの三連縄を二本撚りましたが、わらでも同様に三連縄を撚ってみました。チガヤは長めの縄に、わらは短めの縄になりました。買物籠に取り付ける時にどちらを取っ手にするか決めようと思います。今後買物籠を作る時、細い蔓を何本か束ねて取っ手にしても良いかも知れません。
チガヤの三連縄二本を完成 チガヤとわらの三連縄それぞれ二本
我家の裏山や垣根にいろんな蔓がまとわりついています。剪定する時などにとても邪魔になります。一番困るのは草刈機を使っている時です。気を付けているのですが回転する刈刃に巻き付くことが多々あります。そうなると、草刈機のエンジンを止めて地面に下ろします。そして、巻き付いた蔓を巻き戻して取らなければなりません。深く巻き付いていると刈刃を外さなければならない時があります。
そんな邪魔な蔓を撤去しました。いろんな蔓がありました。藤,アケビ,葛,実葛(さねかずら)などです。あけびは籠に加工できるので、上記四種類の蔓だけは丸く束ねて保管することにしました。暇があれば籠にしてみたいと思います。
椿の枝に絡みついたアケビの蔓を引っ張り落とす
以前、山梨県などの山間地区の民俗調査をしたことがあります。雑穀などの手伝いをした時、古老から縄の代わりに山藤を使うことを教わりました。山藤とは園芸品種ではない山に生えている藤のことです。縄を持たなくても、山に生えている蔓を使って収穫物を縛っていたのです。
いろんな蔓を試しましたが、紫の花を咲かせる藤が縄として一番適していました。引っ張り強くねばりがあるためです。
実葛(さねかずら) 抵当な長さに切断 葉が残った実葛
さて、採種した蔓は種類ごとに分けて丸く束ねておきました。気が付いたのですが、アケビはもう少し早い時期に採種すべきでした。春にそなえて小さな芽が、こぶのようにたくさん蔓に付いてるのです。実葛は籠にしている例を見たことがないため、籠には向かないのではないかと思います。乾くと縮むのか、加工しにくいのか、それとも耐久性がないのかも知れません。
蔓の種類ごとに丸く束ねる 小屋の軒下にぶら下げて乾燥
以前製作した買物籠は、側面下部のわらをさらに編んで底を作りました。編み方が良く分からないため今だに試行錯誤しています。なんとか底になりましたが、まだまだ探求する必要があります。
しかし、今回の方法はとても楽なので、その昔に作られたわら細工の買物籠は、この方法で作られることが多かったのではないかと思います。さて、買物籠の側面も底も共に完成したため、底と側面を紐で縫って合体させました。
側面と底を合体後に買物籠の内側の底を見て
ほぼろを製作する時は側面の繋ぎ目に細い縄を通します。そのため、繋ぎ目が見た目に分かりやや粗くなります。しかし、買物籠はファッショナブルにしたいと思い、繋ぎ目が分からないようにしています。そのため、細い縄を隠すようにしました。ただし買物籠の内側からみれば、結び目があるため繋ぎ目が分かります。
側面を三ヶ所紐で結ぶ 側面と底を縫って合体中 側面のひれをカット中
側面と底を縫って合体させると、上部のひれの部分をハサミで切りそろえました。以前作った買物籠にはなかったひれです。後は、手持ちする紐を取り付ければこの買物籠は完成します。
なお、完成後実際に買物に使ってみて、ひれが邪魔にならないか検証しようと思います。
籠上部のひれをカット後 籠の上から覗き込む
買物籠を一つ作り終えたので、次の買物籠を作っています。これまでの籠とは違い、底と側面を別々に作ってから後で接続する方法です。これは一番作りやすいように思います。わら細工初心者や子供にも作りやすいと思います。
前回、底になる楕円形の円座を作りました。今回、この楕円座の周りに取り付ける側面を編みました。いつものように、ほぼろと同じ作り方で編み台や駒を使って編みました。前回作った籠とは違い、側面の上部が底になり反対に底だった部分が今度は側面の上になります。
楕円形の円座に合うように、側面を編み台と駒で編む
底はすでに作っていたので、今度は籠の側面を編みました。その編み方はほぼろの側面を作る方法と同じです。わらを選んだ後、長さを揃えるため押切で端を切りました。そして、木槌が叩いてわらを柔らかくしました。次に、水に浸してさらに柔らかくしました。その後、編み台を使って次々に籠の側面を編みました。
押切で長さを揃える 水に浸して柔らかく 籠の側面を編み始める
三時間位でしょうか、もくもくと籠の側面を編みました。すると、すでに作った底の円周と同じ長さに近づきました。あと、三段ほどで円周と同じ長さになると駒を切り離しました。そして、繋ぎ目が分からないように側面の端と端を繋いで側面が円柱状にしました。最後に側面と底がピッタリ重なることを確認しました。
編み台でもくもくと側面を編む 側面の両端を結ぶように編む
一昨年樹を伐採した荒地に枯草がジュータンのように広がっています。その中に枯草が盛り上がっている箇所がたくさんあります。そのような箇所は地面に切株や枯枝が隠れています。耕運に邪魔な枯草などを草刈機で細かく粉砕しました。
その作業のついでに檜(ひのき)を一本伐採しました。目的は、薪にすることに加えて木槌に加工するためです。作り方が容易な円柱型木槌を作ります。二個ほど作ろうと思っています。ところで、伐採の途中から雨が降ってきたため細断や運搬は止めました。
薪や木槌にするため檜(ひのき)を一本伐採
久し振りのチェーンソーを使っての伐採です。伐採しやすいように高さ1m位の場所を切りました。後日地面ギリギリを切ります。そんなに大きな檜ではないのですが、倒れた時にはドスンと地響きが聞こえました。また地面が揺れるのを感じました。狙った場所に倒れて良かったです。
ところで、今年はまだシイタケ菌を植え付けていません。そのため、後日クヌギの樹を一本伐採しようと思っています。
まさに倒れている瞬間 ドスンと地響きを立てる
中敷にする竹細工が出来上がりましたので、買物籠の底に敷いてみました。ピッタリでした。やや不細工な中敷ではありますが、底に敷くため人に見られることはまずありません。
試しにこの買物籠を持ってスーパーに行ってみました。そして、食パン,ビスケット,ジュース,ミカンなどを買いました。商品を選び終わると、自分でレジ打ちするコーナーに並びました。レジを打つたびに買物籠に入れました。やや大きめに作ったため、商品は難なく入りました。好き嫌いが分かれるわら製ですが、実用性のある買物籠に仕上がりました。
少し照れくさかったものの、実際にスーパーで買物に使ってみる
さて、中敷に加工した薄い竹皮ですが、最後に角が丸くなるようにハサミで切りそろえました。竹なので普通のハサミでは切りにくいこと。途中で金切りバサミに切り替えました。その後、買物籠の底に敷いてみました。中敷きは竹皮でなくても薄い板で作ってもかまいません。話題提供的な意味もあり、たまたま余っていた薄い竹皮で作ってみました。
年が明けてから作り始めた買物籠、あれこれ寄り道しながらのんびり製作したため完成まで一ヶ月かかりました。中敷きを除いて、根詰めれば二日でできるのではないかと思います。
角を丸くハサミで切る 出来上がった中敷 買物籠の底に敷く
ブリキ缶に水を入れて煮るテストを行う前に、ブリキ缶に耐熱塗装をしました。この塗装をしなくてもよいのではと思いましたが、以前ドラム缶を熱した後にひどい錆が出ました。その防錆になると思って塗装しました。耐熱温度は600℃とのことです。元々薪ストーブの煙突に塗って煙突が錆びたり傷んだりしないための塗料です。
ブリキ缶の底全体に耐熱塗装を施す
せっかく塗装するならば綺麗に塗りたいものです。綺麗に塗装できるように、事前にマスキングテープを貼りました。貼った後にブリキ缶の底部と側面に耐熱塗装しました。塗料が乾燥するとマスキングテープを外しました。後は、ブリキ缶内側に水漏れ防止シールをします。それが終わると、実際に水を入れて水漏れが無いかどうか、次に練炭一個を使って水温が上昇するかテストしようと思います。
マスキングテープを貼る 側面に耐熱塗装 マスキングテープを外す
芭蕉で買物籠の手提げ部の紐を作ったのですが、やはり持った感じがゴワゴワしました。そのため、そのゴワゴワ感を減らすために手提げ紐に布カバーを取り付けることにしました。いくつか布があるのですが、自分が一番気に入った模様の布を裁縫してカバーにしました。
いつものようにお気に入りの骨董手回しミシンを使いました。久し振りに動かしたためか回転が重く感じました。油を少しさしてから縫いました。
布カバーを縫った手回しミシンと布カバーを取り付けた買物籠
前回作ったポシェットの紐のカバーにアーミー調の柄の布を使いました。今回はクラシックな模様の柄の布を使いました。手提げ紐は二組あるため、カバーを二つ作りました。長さは手提げ紐の長さに合わせ、径は三つ編みにして作った手提げ紐の径に合わせました。
手提げ紐を取り付け 今回選んだ布の柄 裏返ししてカバーを縫う
布カバーは裏返しで縫っています。その布を裏返しすると表になります。表になった布カバーを三つ編した芭蕉の紐に通します。途中引っかかることがあるのですが、気長に通しました。通し終わると手提げ紐の片側を買物籠に結び付けました。後は、底に敷く中敷が完成すればこの買物籠は完成となります。
手提げ紐の長さに端を合わせる 手提げ紐の端を買物籠に取り付け
今作っている買物籠の底に中敷を入れようと思っています。最初クルミの皮で作ろうとしたのですが、去年剥いだクルミの皮は厚くて硬くてなかなか思うように加工できません。
猫ちぐらの屋根が凹まないように使った薄く剥いだ竹をがたくさん残っていました。その竹を細工して中敷に加工することにしました。わら細工の買物籠に竹細工を組み合わせることになり、意外な展開になってしまいました。
薄く剥いだ竹を交互に編んで、買物籠の中敷に
私は竹細工はあまり得意ではありません。2年前に簡単な六目籠を作ったことがありましたが、それ以来竹細工はしていません。今回は六目ではなく、薄く剥いだ竹を交互に編んで中敷になるよう試作することにしました。うまく中敷になればいいのですが。
薄く剥いだ竹、幅1cm 竹を交互に編む 買物籠の底に合わせる
2月中旬にわら細工民具「ほぼろ」の講習会を開きます。この日までに、2作品ほどわら細工の買物籠を作っておこうと思います。今回は底を編むのに苦労しているやや大きめの買物籠の手さげ紐を編みました。
これまではわらを三連に撚って作りましたが、今回は乾かした芭蕉(バナナとよく間違えられる)の葉軸を使いました。芭蕉の葉軸は太く柔らかいので、撚らないで三本を三つ編みにしてみました。
買物籠の手さげ紐を芭蕉で製作、乾燥後に取り付け
我家に昔から生えている芭蕉、去年の春に一株を日当たりの良い場所に植え替えました。場所が良かったのか株が一つから三つに増えました。晩秋になって葉を収穫して乾燥しておきました。その乾かした葉の軸だけを取り外して、三つ編みして手さげ紐にしました。
去年植え替えた芭蕉 乾燥中の芭蕉の葉 水に浸して柔らかく
沖縄では芭蕉の繊維を取り出して芭蕉布と呼ばれる布を織るそうです。それだけ繊維が丈夫なのでしょう。今回手持ち紐に加工した芭蕉、乾燥した後に買物籠本体に取り付けます。そして、中敷を入れてようやく買物籠が完成となります。私は創作しながらのんびり買物籠やポシェットなどを作るため、なかなか完成に至りません。
芭蕉の葉軸三本を三つ編み中 完成した手さげ紐を乾燥
これまでほぼろを応用した買物籠を作ってきましたが、ほぼろ版猫ちぐらを製作した方法で買物籠ができないかとひらめきました。それは、先に買物籠の底を作った後、その底に合うように買物籠の側面を作るのです。
ほぼろ版猫ちぐらのように、最後に底と側面を合体させて買物籠にします。まずは底を編んでみました。底を作る方法は円座を作る方法を応用します。底の板型に合わせて長楕円形の円座を作るのです。
買物籠の底の型板に合うように、長楕円形の円座を製作
円座の作り方は何種類かあります。その中の一つ、紐をクルクル縛りがら円を大きくする方法をとりました。ただ、円座は円の中心から放射状に縄を巻き付けます。買物籠の底は長楕円のため、円の中心は二ヶ所になります。それが通常の円座との作り方の違いです。
△:長楕円の中心二ヶ所 片側の中心で縄固定 長楕円の編み始め
紐を巻きつけながら円座を作ることは何度もしています。そのため、円を長楕円にするだけなので、そう難しいことはありません。型板の大きさになるまで縄をぐるぐる巻きつけながら作りました。次は買物籠の側面を作ります。今回作った長楕円にピッタリ合うように側面を作ります。
半円になるように紐で縄を固定 あと一巻か二巻きで底が完成
クルミや楮などの皮細工をするためには枝から皮を剥がなければなりません。例えばクルミの皮を考えると、7月頃ならば煮なくても素手で皮を剥がすことができます。しかし、秋から春にかけての長い期間、素手で皮を剥がことはできません。その期間は煮なけれぱ皮を剥がせないのです。そのため、季節を問わずたくさんのクルミの皮を剥がせるような窯を試作することにしました。
最初ドラム缶を使おうと思いましたが、ドラム缶は曲線があり窯を作りにくいのです。ドラム缶の代わりに大き目のブリキ缶を試してみることにしました。クルミ、楮、シダなどを煮ることができるでしょうか。
地面を固めてブリキ缶の蓋を囲むようにブロックを積む
たくさんの水を沸かすため、それだけ強い火を燃やします。そのため、万が一を考えて水道の近くに窯を作ろうと思います。そして、煙がなるべく出ないように、最初は練炭や木炭を使ってみようと思います。DIYのお店で調査すると、練炭一個で400円位でした。予想では、一度に練炭を四個位使いそうなので1600円位かかるようです。それでも火が弱いようであれは薪を使おうと思います。
水道の近くに窯作り 土を敷き詰める 転圧器で地面を強く叩く
窯はブリキ製なのですが、ちゃんと錆びないよう工夫すれば10年位はもつのではないでしょうか。そのため、耐火性塗料を塗るなどの対策しようと思います。地面を突き固めると、窯のまわりにブロックやレンガを敷いてみました。後日練炭を載せる鉄網などを重ねてみます。2月上旬には一度湯を沸かして適切な練炭数を測ってみようと思います。
ブリキ缶の蓋を置いてみる ブリキの周りにレンガを積む
先日周防大島でいただいたマオランを日当たりの良い畑に植えました。去年植えたマオランの隣です。去年植えたマオランはまだ小さいもののちゃんと根付いています。今年あたり本来の大きさに育つのではないかと期待しています。
ただ、根付かず枯れてしまったマオランも数株ありました。枯れた一番の共通点は周りの雑草に負けたことです。マオランは日当たりが弱いと簡単に枯れてしまいます。そのため、夏から秋にかけて何度も草刈りをして周りに雑草を生えさせないことが大事です。
周防大島でいただいたマオランを日当たりの良い畑に植える
去年植えたマオランは、今回いただいたマオランと比較して緑の色が薄いです。肥料分が少なかったことは明白です。今年は鶏糞や堆肥をたくさん与えようと思います。いったん大きく育つと極めて丈夫なのですが、植え付けた直後はひ弱です。もともとはニュージーランド産の植物なので、日本はやや育ちにくいのかも知れません。
マオランの株を植穴に入れる マオランの葉の色や背の違い
前回まで底を縫い終わったはずなのですが、やや緩いので、長く使っていると底が傷んできます。最悪底が抜けるのではと危惧しました。そこで、底を強化するため、藍染めした麻紐で縫い加えました。藍染めしただけあって、縫った麻紐の模様がくっきり出ました。
底を強化するため、藍染めした麻紐で縫い加える
四苦八苦しながら底を縫い勧めましたが、統一した縫い方をまで試行錯誤しています。底の強度を保ちながら、美しくシンメトリックな底にならないか考えています。最低もう三作程度籠を製作しないと決まらないようです。またまだ先が見えません。昔の人はどう試行錯誤したのかと思います。
麻紐で縫い始め 全周を縫い終わる 格子模様に縫う
買物籠の取っ手にするためのマオランを頂きに友達と周防大島に行きました。去年、そのマオランの株をいただいて植えたのですが、なかなか大きく育ちません。マオランを自給できるようになるのは数年先のようです。そのため今後数年間は必要量のマオランを頂きに行くことになりそうです。なお、所用で八幡生涯学習のむらと周防大島文化交流センターにも寄りました。
いただいたマオランの葉と株、その巨大な株
昼食を済ませると、小積に行きました。そして、喫茶店のオーナーの奥様に小積地区のマオランを紹介していただきました。一ヶ所は以前の調査で知っていたのですが、新たにもう二ヶ所を教えて頂きました。小積集落を少し案内していただいた後、喫茶店で海を遠望しながらコーヒーを楽しみました。
小積のマオラン株1 小積のマオラン株2 外入の山羊達
小積を出ると地家室を過ぎて外入に行きました。顔なじみの方がおられ、小屋で番をする猫ちゃんや傍には山羊達もいました。お話をすると、快くマオランの葉や株を分けていただきました。ありがとうございました。田布施饅頭をお土産としてお持ちしました。マオランが自給できるようになるまで、これからも何度かお世話になると思います。
外入の懇親小屋の番をする猫