金瓜石・・・かつて鉱業が栄えた台北縣の山の町。金鉱があり、人々が集い、日本人も統治時代には多く住んでいた煌びやかな時代がここにはありました。今となってはそんな華やかな痕跡など歴史の中に閉じこめられてしまったかのように、静かな集落には茶壺山の向こうから風が吹き下ろす音が聞こえるのみなのです。そよそよ。遠く眼下の海を臨みながら、在りし日の賑わいに思いを馳せる・・・そんな気分にピッタリの町と言えるでしょう。
なーーーんて言うのはちょいと昔の話です。確かに金瓜石は文字通り黄金時代がありました。そしてそれが寂れちまった時代がありました。しかし今、観光地として金瓜石はものの見事に甦っておりますですよ。古いガイドブックには上のような文章が書いてあるかもしれませんが、現実は違うんですのよ~。
今はね、昔の金鉱だとか砂金だとかにまつわるモノは全て観光のネタにしてまんねん!商魂逞しい場所でっしゃろ!と思わず大阪弁になるほどです。でも、これが結構おもろいんですのよ。
ほ~らほら、金瓜石ではこんなお弁当売ってるんですよ。「鉱工便當」っていう名です。中身は普通の台湾によくあるお弁当なんですが、面白いのはこの弁当箱を包んでいるハンカチとお箸が付いていること!弁当屋さんには電灯付きのヘルメットが置いてあって、金鉱の町の雰囲気作りに一役買っていますのよ~。
金光路を歩いていくと、砂金取り体験ができるスペースがありました。ちょうど男の子が挑戦していました。100元払ったら一連の砂金取り実習が体験できましてよ。
桜の道と平行して、当時金を運んでいたトロッコの線路が残っております。
で、この線路はどこから出ているかというと、ここでございます。「本山五坑坑道」です。かつて実際ここで金が掘り出されていました。今はここで働いていた金鉱夫の体験ができる観光スポットとなっておりましてよ。
一人50元払うと、入場券と灰色の厚紙をくれます。厚紙には「鑛廠第五平巷採鑛場入坑派工卡」なんて印刷されています。作業員が使っていたようなタイムカードも印刷されています。ま、要するにギャグですな。これ持って金鉱夫の気分になってみよう!というんでしょう。なかなかやってくれるじゃないですか。
入り口ではヘルメットが支給されます。これをかぶったらますます作業員のような気分になりますね。坑道に入る前には幾つか注意を受けます。が、いい加減に聞いていたのでどんな注意だったか忘れちゃったいっ。
いざ!坑道内へ!レンガの入り口が歴史を物語っていますね~。古びた感じがいいです。
坑道の中は暗~い!皆一列に並んで、白い手摺りのパイプを頼りに奥へ奥へと進んでいきます。なんだか川口浩探検隊みたいだわ。
うわああ、真っ暗です!上から滴がポタポタ落ちてくるし、足下は滑るし、ちょっぴりスリリング!
「隊長、道がわかりません!」
「大丈夫だ、見ろ!坑道の見取り図があるぞ!」
と、口調が水曜スペシャル風になりましたが、はい、このように坑道は一本道になっていますので、ご安心を。
「隊長、誰かいます!」
「なんだ、よく見ろ!人形じゃないか!」
坑道内には人形が当時の作業風景を演出しています。
「隊長!これはいったい何でしょうか!」
「鉱脈だ。」
「ああ、お年寄りや小さい子どもが喉に詰まらせるっていう・・・」
「バカもの!それはコンニャクだ!」
「隊長!怪しい奴がいます!爆破しようと導火線を持っていますが、テロでしょうか?」
「違う違う、金を掘り出すために発破するんだよ。」
「葉っぱ!?」
「発破!!」
「ハッパァ・・」
「バカもん、ジャイアント馬場じゃねえ!」
「隊長!ここでも何かやっています!」
「金の採鉱だ!」
「採鉱は、最高!」
「言うと思った・・・」
「隊長、これは何でしょうか!?」
「これはだな、採った金石を外に運び出すトロッコだ!だいぶサビがついているな。」
「ああ、サビつきのトロで・・」
「つまんないこと言ってないでさっさと出口へ向かえ!出口へ!」
「隊長!出口に厳しい顔をした検査員がいます!」
「ああ、作業員のボディチェックをしているんだ!」
「口を開けさせて中を見ていますが、歯医者さんですか?」
「違う!口の中に金を隠していないか検査しているんだ!」
作業員さんもなかなか大変だったようですね。
ま、そんなわけで冗談を言いながら、本山坑道の中を歩いてみました。さて、最後にこの写真を見てください。坑道出口附近にある茶色い筒状のものはいったい何でしょうか?答はコメントのところを見てくださいね。
本山五坑道のホームページはこちら