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ふぉるもさキッチン(台湾厨房)

台湾あれやこれや、色々なトピックスをご紹介したいと思います。(すでに閉店してしまった施設、店舗もあります。悪しからず。)

お寺で“拝拝”いたしましょ

2006-05-16 23:49:43 | 台湾の風習
          

 我々日本人はお正月や受験などの時には神社やお寺へ行ってお参りをするという習慣がありますが、台湾の人もお参り好き。いや、日本よりももっともっと頻繁にお参りをするのですな。お参りや神様にお祈りすることを“拝拝(バイバイ)”と言い、春節はもちろん月に2回訪れる満月の日には各家庭や会社、商店で必ずたくさんのお供えをし“拝拝”するというのは台湾の習わしとなっています。家庭や会社、商店での拝拝についてはまた別の機会に詳しくお話しするとして、今回はお寺での拝拝についてお伝えします。

 さて、訪れましたのは龍山寺。大勢の人が拝拝に訪れ、老若男女がお供えや線香を手に、熱心にお祈りをしていました。ここは台湾なんだから台湾式にってことで、周りの人をまねて拝拝に挑戦。

         

         

 中華圏のお寺にはお祈りする所に両膝をつくための椅子のようなものが置いてあります。ここに膝をついて身をかがめ、半月型をした赤い小さな拝拝の道具(木製。表面が赤く塗られている。二つで一対。)を手に持ち、お願いを唱えます。この道具、台湾の言葉でぶぁっぼぇいといいます。(ぶぁっぼぇいというのは「神様とコミュニケーションをとる」という意味だそうです)よくお願いしたらぶぁっぼぇいをポイッと地面に落とします。
 上の写真2枚を見てください。ぶぁっぼぇいには表と裏があり、こんもりと盛り上がった形のほうが表、ぺたっと平べったくなっている方が裏なんですね。(上の方の写真はどちらも表)落としたときに一つが表向き、もう一つが裏向きになるとお願いがかなうと言われています(下の方の写真参照)。こうなったら近くに置いてあるおみくじを引きます。(下の写真を見てください。黄色の服を着た男の子の隣におみくじ棒の束がありますよね。ここから一本引くのです。棒の先には数字が書いてあります。)仮におみくじの数字が「十」だとすると、「十でよろしいでしょうか」と唱えながら再びぶぁっぼぇいを落とします。うまく表と裏が出たらおみくじ箱十番の引き出しをあけてその中に入っている紙に書かれた占いを読みます。(これは日本でも同じですよね。)表と裏が出なければもう一度おみくじを引き、新しい番号を唱えてぶぁっぼぇいを落とします。こうして表と裏が出るまでおみくじを引き続ける
のです。

         

 最初のお願いの時点で表と裏が出なければまたお祈りをしてぶぁっぼぇいを地面に落とせます。しかしぶぁっぼぇいを使えるのは通常3回までなのだそうです。ただしぶぁっぼぇいがどちらも裏向きになった場合は“神様が笑っている”という意味と見なし、もう一度落とすことができるとのことでした。

 ここでご紹介したぶぁっぼぇいを使った拝拝は一般的に台湾で言われているやり方なのですが、お祈りの方法については家庭によって、また人によって多少異なるそうです。

 ・・・と、ここまで読み返してみて拝拝の仕方がうまくまとめられていないようなのでもう一度わかりやすく説明いたします。
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 願い事を唱えながらぶぁっぼぇいをポイッと落とす                     
    ↓                   ↓
表と裏が出た               表どうし、または裏どうしが出た
   ↓                          ↓
   ↓            またぶぁっぼぇいを落として表と裏が出るまで
   ↓            お願いできる、ぶぁっぼぇいを落とせるのは3回
                まで。但し裏どうしが出たらノーカウント                                                                              
   ↓               ↓
   おみくじを引いて、その数字を確認するのだ!                     
             ↓
   この数字でよいかもう一度ぶぁっぼぇいを落とす
    ↓       ↓
表と裏が出た   表どうし、または裏どうしが出た
    ↓       ↓
    ↓ またぶぁっぼぇいを落として表と裏が出るまでおみくじを引き続ける
    ↓       ↓
    ↓       表と裏が出た
    ↓         ↓
   おみくじ箱へレッツゴー!!
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うーむ、うまく説明できたかなー?
拝拝に興味のある方は是非台湾に来て実際にやってみてください。       

尾牙には欠かせない刈包

2006-04-19 15:44:54 | 台湾の風習
 台湾では月に2回満月の日に拝拝(神様にお参り)する習慣があります。そして旧暦の12月16日、つまり1年の最後の拝拝の日のことを尾牙(ウェイヤー)といいます。この日は会社の経営者が社員にご馳走して、1年の労をねぎらいます。言ってみれば忘年会のようなもの。

 そしてもう一つ、尾牙の日には各家庭で刈包を食べる習慣があるんです。刈包というのは、ハイ写真を見てください。なんだかハンバーガーみたいな感じでしょ。具を包んでいるのは確かにハンバーガーのパンのような形ですが、真っ白で食感はパンよりもふわふわ。ふかふかの柔らかいマントウと思っていただければいいかも。そんでもって刈包のポイントはなんと言っても中の具!入っているものはピーナツの粉、酸菜(白菜の漬け物みたいなもの)、香菜、そして甘じょっぱくちょうどうまい具合に煮込んでとろけるように柔らかくなった分厚い豚の三枚肉。この4種類が一見ミスマッチに思えるんだけど、食べてみると見事なコラボレーション!とっても好呷(おいしいん)です!私の大好物台湾フードのうちの一つだよっ!!

 一般的に台湾の人はおうちで刈包を作るそうです。豚肉以外は市場で買ってきて、豚肉は自家製のものを使います。だから家庭によってお味がちょっと違うんですね。私は自分で肉が煮込めないので市場で出来合のを買ってきますが、これだってホントにおいしいの!

 ところで、なぜ尾牙の日に刈包を食べるのでしょうか。諸説あるようですが、友達曰わく、「会社を経営したり、商売したりしている人はうまくいくようにかなり“口”の力を利用している。自社製品を上手に宣伝したり、営業などでもお客さんをうまく取りなしたりと、口八丁に頼ることがままある。が、しかしそれは時にはやや誇張されていることもあるだろう。こういうことも神様は全部お見通し。特にエンマ様はうそつきの舌を引っこ抜こうとする。そうなる前に口の形をした刈包を食べることによって、エンマ様に『私はこうしてもう自分を罰していますよ』というポーズを見せる」。
うーーん、おもしろいお話だと思いませんか。

 由来はどうあれ、台湾にしかない伝統的な刈包、チャンスがあったら是非食べてみてね。お勧めデス!


満一歳のお祝い

2006-04-06 00:30:14 | 台湾の風習
 写真の整理ってなかなかこまめにできないものですよねぇ。この前、少しはちゃんとアルバムに入れて整理しなきゃ、と娘の写真を引っ張り出してきたらこんな写真が出てきたのです。これは今から3年ほど前、娘がまもなく一歳になる頃のもの。さていったい何をしているところでしょうか。実は台湾で古くから行われている「満一歳のお祝い占い」をやっている写真なのです。

 こっちの友達で、娘と同じ年頃の女の子を持つ人が「子供の満一歳の誕生日パーティーをするから是非どうぞ」とお招きを受け、行ってみるとお庭に丸いテーブルが用意されていました。そこにはいろいろなものが置いてあって真ん中に赤ちゃんを座らせ、最初に何を取るかで将来を占うというお祝いを兼ねた遊びをやるのだという説明を受けました。

 ではもう一度写真を見てください。テーブルの真ん中に赤ちゃんを東の方角に向くように座らせ、その周りに占う道具を並べます。この写真を例に取ると、向かって左から時計と反対回りにペン、卵、電卓、ネギ、セロリ、お金、天秤棒、本、鏡を並べ、見ている大人たちは「何か取ってごらん」とはやしたてます。赤ちゃんがペンや本を取ったら「勉学に秀でた子になる」、卵を取ったら「一家団欒、楽しい家庭が築ける」(丸い形は団らんを表す)、電卓や天秤棒を取ったら「商売でよく稼げるようになる」、ネギを取ったら「賢い人になる」(「葱」と「聡明」の聡は発音が同じ)、セロリを取ったら「勤勉な人になる」(「芹菜{セロリ}」と「勤勉」の勤は発音が同じ)、お金を取ったら「裕福な暮らしができる」、鏡を取ったら「美しくなる」(中国では鏡は女性が身だしなみを整えることを意味します)と解釈するのだとか。ちなみに我が娘の最初に取った物は天秤棒でした。ぬぬぬ、将来はキャリアウーマンにでもなるのだろうか・・・・・・

 この占いは家族や親戚が集まって楽しくにぎやかに子供の将来をお祝いするものなので、悪い結果になるようなことはやりません。従ってテーブルに並べるものはよい暗示を示す物ばかりにするのだそうです。まさに親戚で集まることが大好きな台湾ならではの行事!日本では確か満一歳の赤ちゃんに大きな餅を入れた風呂敷包みを背負わせてその子の健康を祈るなんていう行事があったような気がしますが、今ではこんな事をする家庭も少ないでしょうね。台湾のお祝い占いも実際にやる家は珍しいらしいです。



お正月の飾り その2

2006-03-17 23:26:57 | 台湾の風習
また、大根も台湾では縁起物。台湾語で大根のことを「ツァイタオ」と言い、「好彩頭」(いいことあるぞー)の彩頭と発音が似ていることから写真のように大根を鉢植え籠盛りにして用いられたりします。お正月らしく赤大根もお目見えしたり。

その他にもお正月に欠かせない植物といえば銀柳(ネコヤナギ)、枝付きの松ぼっくり。大きな花瓶に豪快にイキに飾り付けられます。お正月用には金や銀のスプレーで色づけされているのが主流です。

お正月の飾り その1

2006-03-17 23:20:30 | 台湾の風習
春節前になると市場やスーパー、デパートなどではお正月用品を売り出し、大変にぎやかで活気に満ちています。中でもお花屋さん、果物屋さんでは普段お目にかからないお正月ならではのものが売られており、華やかで見ているだけでも心がウキウキしてきます。台湾ではお正月には装飾用(お供え用)にどんなものを皆さん購入するのでしょうか。

果物屋さんで目に付くのはまずパイナップル。いつも売っているパイナップルと違い、葉と実の間に赤いリボンをかけたものがどっさり。台湾ではパイナップルのことを「鳳梨」といい、好運旺旺来(幸運があふれ来る)という縁起のいい言葉の旺来と鳳梨の台湾語の発音が似ている(オンライって言うんだそうな)ので、パイナップルはお正月の飾りには欠かせないのだそうです。お正月用には写真の通り葉の部分がたくさんついているものが好まれます。またパイナップルがおめでたい赤色で染められているのもあります。

パイナップルだけでなく、お正月の果物の王様は橘子(みかん)。「橘」の発音と「吉」の発音が似ているため縁起を担ぎ、柑橘類はいろいろな形で飾られます。写真のように(パイナップルの並びの前列)大きなみかんに赤いリボンを付けてお供えしたり、小さい赤いリボンをたくさん付けたキンカンの鉢植もお正月にはポピュラーな飾りとして用いられます。