宇奈月の2日目、午前6時前に目覚めると幸運にも雨は止んでいて青空も垣間見えている。
しかし、ふたつ並べた座椅子をベッド代わりに爆睡したためか僕もオ-ちゃんも腰をやられて真っ直ぐに立つことができない。
腰を屈めるようにして駐車場まで歩き、アオサと刻みネギをたっぷりぶちこんだインスタントラ-メンをすすって出発の準備を整える。
7時35分発のトロッコ列車の車窓から最初に飛び込んできた黒部川本流は恐ろしいほどの濁流と化していた。
あぁ、こりゃもうアカンわ~と思ってはみたものの途中下車もできないので山釣りから黒部観光へと気持ちを切り替えることにする。
(初めにお断りしておきますが本レポは釣りレポではなくなりましたのでそのつもりでご覧頂ければ幸甚です)
しかし辛い、えらく辛い、何が辛いって、腰をやられた我らにとって背もたれのないトロッコ列車の固いイスに1時間半もゆられるのは辛すぎる。
支流の黒薙川も濁流となって轟々と流れている、もしこの谷底で渓泊でもしていたら荒れ狂う濁流に呑みこまれてひとたまりもなかろう。
不思議なことに黒薙駅を過ぎると黒部本流はきつい増水ではあるものの濁りは極端に薄くなっている。
下流のダムもこのとおり、これなら最上流の祖母谷まで行けば大丈夫かもしれないと期待がふくらむ。
終点の欅平には定刻の8時47分に到着した、この黒部のトロッコ列車でさえ世界に類のない時間の正確さに驚かされる。
腰が痛て~、ザックの重さに顔をゆがめながら10分ほど歩くと名剣温泉、ここの露天風呂とお蕎麦も味わってみたいものだ。
名剣温泉の先にこんな物騒な看板が立っていた。
別の看板には、命の保証はできませんというようなことまで書かれている。
ここから先に進む人は極端に少なくなるけれど皆ヘルメットを装着して歩く。
黒部の登山道は岩を掘削して開いた道が至る所にある。
下の廊下の水平歩道など距離の長さや工事の難易度を考えるととても人間業とは思えなくなる。
学生時代に訪れた耶馬溪の青の洞門を遥かに凌ぐ。
祖母谷と祖父谷が合流して黒部本流に注ぐこの流れは険しさも渓相も群を抜いて素晴らしい、きっと太い岩魚が居るんだろうなあ。
二つ目のトンネルを進むと、、、
恐ろしいほどの水量が怒涛の流れを作って険しい峪を落ちて行く、この白泡と巨大な渦を見ていると身がすくんでしまう。
1kmほどの長い登りのトンネルを腰を庇いながらゆっくりと進むと、、、、
あぁ着いたよ~、なんかあっけない道のりだったなあ!
これが一軒宿の祖母谷温泉の全景、奥の建物が山小屋、一段低い左の平地がテン場、テン場の右奥が露天風呂。
小屋の前を流れるのは祖母谷で少し上流に進めば温泉の源泉があって岩魚は棲めない、祖母谷で竿を出すならずっと上流になる。
こちらは祖父谷、先の堰堤を越えると渓相は険しくなるけれど岩魚の核心部となるようだ。
山小屋側が祖母谷、こちら側が祖父谷で小屋の下流で合流し、その下流も岩魚が釣れるそうだ。
釣れるそうだ、というのは我らは渓のあちこちを見ながら歩いてはみたものの腰が激しく痛んで
釣欲が湧かず恥ずかしながら最後まで一度もロッドを振ることなく終わったのでありました。
もし我らがロッドを振っていたなら、むふふっ、すごいことになっていたことは間違いないでしょう、、、、、?
ここにワラジを脱ぐのは少しばかりの釣り師と温泉客、そして白馬岳や唐松岳から長大な道のりを下ってきた猛者に限られる。
テン場にテントはなかったけれど小屋には釣り師が宿泊していたようで本流では大物がいくつも出たようにいっていた。
幕営してから露天風呂につかってまったり骨休めしようと受付に寄ると、小屋のおばちゃんが今夜も激しい雨になるから小屋に泊まれという。
小屋に泊まるのはいいのだけれど、大雨で更に増水して翌日も釣りにならないのなら意味がない。
オ-ちゃんは今日中に下山して、あそこのラ-メンとあそこのステ-キを食べて温泉でまったりしようぜとあらぬことを言い出した。
あぁ、これでまたこの釣りレポは観光の食レポへと落ちぶれてしまうのか~!
でもまあ祖母谷の様子を見られただけでも次回の釣行の参考にはなったと思うことにしようか。
というわけで、なぜか氷見(ひみ)ラ-メンのお店にワ-プして遅めの昼食です。
ラ-メンを注文するとサ-ビスでニンニクの効いた旨いギョ-ザが一人前付いてくる。
これでは申し訳ないので氷見牛のメンチカツを注文してビ-ルをグビっと頂く、腰は痛くともビ-ルは旨し!
ちなみに運転担当のオ-ちゃんはノンアルコ-ルで一声吠える、ノンアルなんて何の役にも立たんがね!
ラ-メンは醤油ラ-メンとカレ-ラ-メンを二人で半分ずつ味わう、最近主流のとんこつ系と魚介のダシでなかなかイケる。
カレ-ラ-メンを先に食べてしまったオ-ちゃんは、醤油味が分からなくなっちまったと嘆く、当りまえだわね~!
次回は氷見うどんも是非食べてみたいなあ!
最後は奥飛騨の温泉宿。
深深と雪降る季節に是非ここに泊まってみたいといつも思うのです。
ひとっ風呂浴びたらまたビ-ル
そしてオ-ちゃん所望の飛騨牛ステ-キで有終の美を飾る。
今夜は駐車場のアスファルトの上に天泊して痛い腰に更に鞭を打つ!
今回は岩魚の顔こそ拝めませんでしたが、食の大漁を果たせた満足の旅となりました。
皆様には期待を裏切ることとなり誠に面目なくお詫びする次第ですが黒部観光の参考になれば幸いでございます。
しかし、ふたつ並べた座椅子をベッド代わりに爆睡したためか僕もオ-ちゃんも腰をやられて真っ直ぐに立つことができない。
腰を屈めるようにして駐車場まで歩き、アオサと刻みネギをたっぷりぶちこんだインスタントラ-メンをすすって出発の準備を整える。
7時35分発のトロッコ列車の車窓から最初に飛び込んできた黒部川本流は恐ろしいほどの濁流と化していた。
あぁ、こりゃもうアカンわ~と思ってはみたものの途中下車もできないので山釣りから黒部観光へと気持ちを切り替えることにする。
(初めにお断りしておきますが本レポは釣りレポではなくなりましたのでそのつもりでご覧頂ければ幸甚です)
しかし辛い、えらく辛い、何が辛いって、腰をやられた我らにとって背もたれのないトロッコ列車の固いイスに1時間半もゆられるのは辛すぎる。
支流の黒薙川も濁流となって轟々と流れている、もしこの谷底で渓泊でもしていたら荒れ狂う濁流に呑みこまれてひとたまりもなかろう。
不思議なことに黒薙駅を過ぎると黒部本流はきつい増水ではあるものの濁りは極端に薄くなっている。
下流のダムもこのとおり、これなら最上流の祖母谷まで行けば大丈夫かもしれないと期待がふくらむ。
終点の欅平には定刻の8時47分に到着した、この黒部のトロッコ列車でさえ世界に類のない時間の正確さに驚かされる。
腰が痛て~、ザックの重さに顔をゆがめながら10分ほど歩くと名剣温泉、ここの露天風呂とお蕎麦も味わってみたいものだ。
名剣温泉の先にこんな物騒な看板が立っていた。
別の看板には、命の保証はできませんというようなことまで書かれている。
ここから先に進む人は極端に少なくなるけれど皆ヘルメットを装着して歩く。
黒部の登山道は岩を掘削して開いた道が至る所にある。
下の廊下の水平歩道など距離の長さや工事の難易度を考えるととても人間業とは思えなくなる。
学生時代に訪れた耶馬溪の青の洞門を遥かに凌ぐ。
祖母谷と祖父谷が合流して黒部本流に注ぐこの流れは険しさも渓相も群を抜いて素晴らしい、きっと太い岩魚が居るんだろうなあ。
二つ目のトンネルを進むと、、、
恐ろしいほどの水量が怒涛の流れを作って険しい峪を落ちて行く、この白泡と巨大な渦を見ていると身がすくんでしまう。
1kmほどの長い登りのトンネルを腰を庇いながらゆっくりと進むと、、、、
あぁ着いたよ~、なんかあっけない道のりだったなあ!
これが一軒宿の祖母谷温泉の全景、奥の建物が山小屋、一段低い左の平地がテン場、テン場の右奥が露天風呂。
小屋の前を流れるのは祖母谷で少し上流に進めば温泉の源泉があって岩魚は棲めない、祖母谷で竿を出すならずっと上流になる。
こちらは祖父谷、先の堰堤を越えると渓相は険しくなるけれど岩魚の核心部となるようだ。
山小屋側が祖母谷、こちら側が祖父谷で小屋の下流で合流し、その下流も岩魚が釣れるそうだ。
釣れるそうだ、というのは我らは渓のあちこちを見ながら歩いてはみたものの腰が激しく痛んで
釣欲が湧かず恥ずかしながら最後まで一度もロッドを振ることなく終わったのでありました。
もし我らがロッドを振っていたなら、むふふっ、すごいことになっていたことは間違いないでしょう、、、、、?
ここにワラジを脱ぐのは少しばかりの釣り師と温泉客、そして白馬岳や唐松岳から長大な道のりを下ってきた猛者に限られる。
テン場にテントはなかったけれど小屋には釣り師が宿泊していたようで本流では大物がいくつも出たようにいっていた。
幕営してから露天風呂につかってまったり骨休めしようと受付に寄ると、小屋のおばちゃんが今夜も激しい雨になるから小屋に泊まれという。
小屋に泊まるのはいいのだけれど、大雨で更に増水して翌日も釣りにならないのなら意味がない。
オ-ちゃんは今日中に下山して、あそこのラ-メンとあそこのステ-キを食べて温泉でまったりしようぜとあらぬことを言い出した。
あぁ、これでまたこの釣りレポは観光の食レポへと落ちぶれてしまうのか~!
でもまあ祖母谷の様子を見られただけでも次回の釣行の参考にはなったと思うことにしようか。
というわけで、なぜか氷見(ひみ)ラ-メンのお店にワ-プして遅めの昼食です。
ラ-メンを注文するとサ-ビスでニンニクの効いた旨いギョ-ザが一人前付いてくる。
これでは申し訳ないので氷見牛のメンチカツを注文してビ-ルをグビっと頂く、腰は痛くともビ-ルは旨し!
ちなみに運転担当のオ-ちゃんはノンアルコ-ルで一声吠える、ノンアルなんて何の役にも立たんがね!
ラ-メンは醤油ラ-メンとカレ-ラ-メンを二人で半分ずつ味わう、最近主流のとんこつ系と魚介のダシでなかなかイケる。
カレ-ラ-メンを先に食べてしまったオ-ちゃんは、醤油味が分からなくなっちまったと嘆く、当りまえだわね~!
次回は氷見うどんも是非食べてみたいなあ!
最後は奥飛騨の温泉宿。
深深と雪降る季節に是非ここに泊まってみたいといつも思うのです。
ひとっ風呂浴びたらまたビ-ル
そしてオ-ちゃん所望の飛騨牛ステ-キで有終の美を飾る。
今夜は駐車場のアスファルトの上に天泊して痛い腰に更に鞭を打つ!
今回は岩魚の顔こそ拝めませんでしたが、食の大漁を果たせた満足の旅となりました。
皆様には期待を裏切ることとなり誠に面目なくお詫びする次第ですが黒部観光の参考になれば幸いでございます。
後編タイトルの落ちもなかなかでございましたぁ~!
黒部の流れを目の当たりにしても竿を振らない旅もまたいとをかしじゃありませんか!
温泉入っちゃって、酒呑んじゃって、美味いもの食べちゃって、そんな旅しか出来ない僕としては、なんだか仲間が増えたような喜びを感じてしまいます。
しかし、ひとつだけ気になる食い物があります。
そりは・・・カレーラーメンです。
余談ですが、
カレーラーメンの汁には二種類のタイプがあります。
ひとつは、汁にカレールーを溶かし込んだとろみのある『スープタイプ』
ひとつは、中華そばにカレーをかけた『かけタイプ』
僕は断然後者派であります。まずは透き通った中華スープにごまかしの無いことを確認しつつすすり、次は麺とルーを絡めその相性を確認しつつすすり、徐々に中華スープとカレールーが混ざりあう様は「こんにちは」「あ、どうもこちらこそ」「少しそちらに溶け込んでしまいましてすいません」「いえいえ、強引な方は苦手ですがあなたは紳士ですね、あ、と、とけて、き、きました、あ、ああぁ・・・」と最後には一体化するこの微妙な関係がなんとも男女間の愛の営みにも思えてしまう、この『かけタイプ』こそ僕の中では一等賞のカレーラーメンなのです。
しかし、とんこつ味の『スープタイプ』は今までに食したことがありません。いつかタイプ別の食べ比べ旅などしてみたくなりました。
しかし本当に美味しそうな画像ばかりで、朝から腹が減ってしまいました。
旨そうなもの、たくさんでてきますね~♪
銀盤、幻、立山、酒の流れも最高ですね。
僕なら、間違いなくこの時点で山への気力はゼロです。
この旅ではお布団の上では寝なかったのでしょうか?
続きを楽しみにしております。
ごめんなさい。
飛騨牛めちゃくちゃ美味そうですね。
湯上がりのビールもこの世に生まれた幸せを感じますね♪
それにしても黒部の天気は読めないですね。
去年は全然降らなかったし。
今年も腰を労りながら楽しく安全に黒部の大自然に飛び込みましょう!
祖父谷の写真を見ていながらカレーラーメンに強く反応しているホリャさんは、もう釣り人ではないっすね(喜)
しかもこんなにいい渓相を前にして
とんぼ返りはないんでないの。
腰が痛くったって釣るときゃ釣らなきゃね。
前篇のデカかったと後編のデナかったって真逆でないの、なんだよそれ、怒るで!
でもまあ将来の黒部観光の参考には十分になったかな。
さすがです。
タイトルの微妙な違い、分かっちゃいました?
黒部の渓相、なかなかのものでしょ?
釣らなきゃあきまへんね、やっぱり。
BOSSさんの言葉をそのまま差し上げましょう!
カレ-ラ-メンごときでこれだけ語れるとは
君はもう由緒正しき釣り人の肩書を返上して
居酒屋評論家に宗旨替えすべきですな。
しかし、単なる薀蓄ではなく
これだけおもしろく読ませる表現力たるや、もう才能のなせる技としかいいようがありませぬ、ご立派!
まみちゃんを連れて旅をするなら黒部の帰りに泊まれる奥飛騨の温泉宿も教えましょう。
この飛騨牛のステーキ定食は3700円、まみちゃんには2枚少ない2700円がええかもね。
北八つ、満喫して下さいね。