山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

雨と岩魚の薬師沢(前編)

2019-09-08 17:31:16 | フライフィッシング
(一日目 入山)


釣友寅さんの同行を得て5日間の予定で薬師沢に入ることになった。
登山口の折立で寅さんが用意して下さった鮎と鰤カマを酒肴に舌鼓を打って前泊し翌朝7時に薬師沢小屋を目指した。
登山口から4キロ弱の距離で760mの高度差を稼ぐ急登に辟易しながら3時間もかかって第一目標の展望台に辿り着いた。

 


アラレちゃんポイントに至る前から雨が降り始めて展望台辺りからは暴風雨に変わり
寒さに晒されながらダラダラと続く坂道を2時間半ひたすら登り続ける(天気予報は大ハズレじゃね~か~!)
ようやく太郎平小屋が小さく見え始める頃になって雨は小降りになったのだけれど心は既に折れはじめていた。




薬師沢小屋はきっぱり諦めて太郎平小屋にお世話になった(鍛えている寅さんはここまで息切れ一つしていないから驚く!)
寒さにふるえる手で受付をして個室に落ち着き、ぐしょぐしょになった着衣や登山靴を乾燥室に持ち込んでようやく一息ついた。

 



(二日目 薬師沢小屋へ)



初っ端からエラい目に遭ったが二日目は何とかなりそうで午前8時に小屋を発って薬師沢に向かう。




急坂を下りきると第一渡渉点、次の第二渡渉点で我慢できずにそそくさとロッドをつないだ(午前9時半)

 


ここは薬師沢の中俣最上流部、更に分岐を左の沢に入って魚留まで釣りあがる。
型は7寸止まりだけれど鮮やかな柿色の腹のネイティブ岩魚が小気味よくフライを咥えて楽しい!

 
  


勾配のきつい小さなポイントで寅さんが小ぶりの岩魚を釣り上げた、良い腕してます!




更に魚留の小さな滝壺でも岩魚、こんなところも岩魚は軽々と遡上してしまうんですね~!




1時間半ほどの釣りで満たされて薬師沢小屋に向かう、草木も吹く風も既に秋の気配です。




午後1時半、薬師沢小屋でビールと昼食を摂ったあと、薬師沢を出合いから1時間半ほど釣りあがる。




釣れる岩魚は8寸程度にサイズアップ、この日は二人で40尾ほどの黒部岩魚らしい引きを楽しませてもらった。

 


この日の宿泊者は7名、二人分のカイコ棚を一人ずつ割り当てられてゆったりと熟睡できた。

 






(三日目 本流へ)



今日は午前4時から7時までの間、強烈な雨が降り続いた。
午前5時半の朝食のあと雲の平や高天原に向かう登山者が小止みになった7時過ぎにスタートして行く。

 


薬師沢には濁りが入り黒部本流も増水している。




午前11時、少し水が引くまで待ってから黒部本流を1時間下ったA沢出合から釣りあがろう。




左の黒部本流と右の薬師沢の出合に薬師沢小屋が佇む、いい雰囲気ではありませんか?




増水した黒部本流は落差のあるポイントでは恐ろしいほどの怒涛の流れを作っている。




ここは小屋から25分ほど下ったポイント。
1時間下って釣りあがっていたら夕飯までに小屋に帰れないと判断して僕はこの辺りから、寅さんは少し下流から釣りあがることにした。




いったいどれだけの岩魚が入っているのであろうか?
深い流心から12番のテレストリアルめがけて1投ごとに8~9寸岩魚が食らいついてくる。
この下のポイントで5尾ほど、このポイントでは30分ほどで15尾、フライチェンジすればもっと釣れただろうけれどもうお腹一杯です。

 
 


今日だけ、2尾の9寸岩魚の命を有りがたく頂いた。




1尾は刺身に、一尾はみょうがと生姜と醤油でタタキに。




ザックの軽量化のため4回とも小屋にお弁当をお願いした、薬師沢小屋のチマキのお弁当がとても美味しゅうございました。




午後2時半、さあ小屋までもう少し岩魚と遊びましょう!
今日は二人で60尾、尺上は出なかったけれど黒部の9寸岩魚の引きを満喫することができました。




僕と寅さんは連泊メニュ-でした。
ビールもワインもウィスキ-も進んで本日も爆睡と相成りました、幸せ!




明日はこの旅のもう一つの目的にチャレンジです。
夜9時から激しい雷雨となりましたが、果たして朝までに水が引いてあそこに辿り着けるのでしょうか(つづく)
コメント (28)
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