山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

会津 食ときどき釣りの旅!

2013-05-06 23:33:17 | フライフィッシング
会津で釣りでもやろうかと熊さんとオ-ちゃんを誘った。
もちろん二人は釣る気満々なのだが僕はこの時期、釣りをする気など実は全然ない訳で。
2日の夜、二つの高速を乗り継いで渋滞に嵌ることなく順調に猪苗代のマンションに到着した。


3日の朝、先ずは裏磐梯茶屋の山親父さんを表敬訪問すべく強風とみぞれ交じりの中を檜原湖に向かった。







途中、小さな沼や沢の流れ込みのあちこちで白く可憐な水芭蕉が目を楽しませてくれる。







この茶屋は山親父さんの気さくなお人柄がいい雰囲気を醸している。
初対面なのであるが旧知の仲のような気がして失礼とは思いつつ堅苦しいご挨拶は省略させていただき
自家製のお新香と美味しいコ-ヒ-を頂きながら山や釣りや経験に裏付けられたおもしろいお話を伺うことができた。







いつしか風もみぞれも止んで気温も上がってきたのだけれど僕だけは釣る気など全然ないわけで
喜多方に向かう途中で川の様子だけは見ておこうと川辺を歩いているとタラの芽がうじゃうじゃ、
おまけに熊さんが見つけた行者ニンニクもあちこちにうじゃうじゃ生えているではありませんか。
もう、釣りなんてやってる場合じゃありません、タラの芽60~70本、行者ニンニクは2枚葉の若芽を20本ほど間引きして。
いやいやそれにしても会津の自然はなんと豊かなことでしょうか?








遅めの昼食は地元の方々御用達のお店のひとつ、陽かろうで餃子と大盛りラ-メンを頂きました。
老麺会に加入している喜多方ラ-メンのお店はどのお店も30人を超えるほどの行列ができておりましたがこのお店は全然。
このお店は観光客も殆どノ-マ-クなのですが、餃子も、太目の縮れ麺もチャ-シュ-もス-プも大満足の逸品でありました。











さて、夜の宴会に突入です。









馬刺しとタラの芽の天ぷらだけの質素ではありますがこれだけで充分に会津の味は満喫できるのです。
特に、熊さんが揚げてくれた天ぷらは秀逸で、からっと揚げた薄衣はタラの芽の味と香りを引き立てる見事な技といっておきましょう。







同じフロアに部屋を所有する私のお客様ご一家にお裾分けしても食べきれず、あとは明日の天ぷらそば用に残すことにいたしました。










2日目の朝は暖かくて運悪く釣り日和となってしまいました。
山親父さんに教えて頂いた釣り具屋さんで釣り券と周辺の川地図を手に入れて釣り場に向かいます。







最初の渓はまだ雪深い飯豊連峰を目指して林道を遡ります。







あまりの渓相の素晴らしさに耐えきれず途中で竿を出しますが、雪代が入った水は冷たくて歯が立ちません。









飯豊連峰への林道は雪が深いために途中で通行止め、仕方なく支流に入ります。







この支流、小渓に見えますが実は渓を渡ることができないほどの水量豊かな渓でした。






しかし良い渓相ではありませんか?






これはもう完全に夏の渓ですね、夏のね!







結局、ここでは本流も支流も○ボに終わったという次第です。







里に近い渓に場所を移すとようやくヤマメがアタックするようになりました。
熊さんにも6尾出たようで1尾だけキ-プして今夜の宴会料理の一品に加わることとなりました。






どうですこのドヤ顔!








せっかく山都に来たからにはお蕎麦を食べずに帰るわけにはいきませんよね。
ということで、嘉左衛門さんに寄らせていただきました。
ちょうど蕎麦打ちの最中で写真を撮らせていただきましたが、ホンの10分ほどで打ち上げる手際の良さには唖然とするばかりでした。









最初の蕎麦前は大皿に盛られた刺身こんにゃく、おいしい醤油で頂く味はまろやかな甘さを感じるほど秀逸でございました。
そして更に蕎麦前三品、サクラシメジとイッポンシメジの煮物、野蒜の酢味噌和え、きゅうりの漬物とくれば、、、もちろん、ビ-ル1本!





そして〆の盛り蕎麦2枚、香り立つ角のしっかり立った腰のある蕎麦はもちろんなのですが、
鰹だしの効いたそばつゆも絶品でついつい蕎麦湯を3杯もお変わりして飲み干してしまうほどでした。
『ここよりうまいとこが あるかいや』 さすがはお蕎麦の王道を行く山都、この自信の言葉に偽りはございませんでしたね。







さて、会津での最後の晩餐です。





お約束の馬刺し、タラの芽の天ぷらそば、行者ニンニクの醤油漬けで食す鰹の刺身、茄子とピ-マンの炒め物
そして絶品だったのが熊さんが仕上げたヤマメのバタ-ソテ-のレモン添え、これワンランク上の料理と言っておきましょう。
いやいや、人は見かけによらぬものとはよく言ったものでございまする。







みな釣果には不満が残ったものの食の楽しみは満たされたようで、、、、、








最終日は入遠野川、四時川、大北川を釣りながら南下する予定でいたのですが、震災後の復興状況をぜひ見たいということもあり
四倉港、小名浜港などに立ち寄ってみたのですが津波にやられた漁船が無惨な姿を晒し、浜の近辺も復興途上といったところでした。

それでも、民家や店舗の殆どは新築されて元の生活を取り戻しつつあるようでここに住む人たちの底力を見せつけられた思いで嬉しくなりました。





今回の旅は、実は震災後の福島を訪ねることが目的のひとつでもありました。
震災後、福島県に少なくとも10年間は寄付を続けようと決めているのですが
その福島県から毎年送られてくる品々と旅のお誘いにようやく応えられた旅でもありました。

原発周辺の方々を除けば毎日の生活も元に戻りつつあるようでよそ者ながら安堵した次第です。
肉親や友人を亡くされた方々の悲しみが癒えるにはまだ長い時間を必要とするのでしょうが
一日も早く被災者の皆さんがふる里の地で元どおりの生活に復帰されることを願ってやみません。





この地に立って見ると、極く普通に打ち寄せる波にも背筋が凍るような感覚にとらわれてしまいます。

トラウマというのは、おそらくこういうことを言うのかもしれませんね。


コメント (34)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする