山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

横浜のDrコト-

2006-12-08 03:01:36 | 書籍
『子どもより大切な存在ってあるかしら?』

この、オ-ドリ-ヘップバ-ンのメッセ-ジに共感して、ユニセフをはじめ毎年いくつかの団体に募金をさせて頂いています。ユニセフは開発途上国の幼い命を救う取り組みをしています。フォスタ-プラン(あしながおじさん)は開発途上国の子ども達に教育を受ける機会を通じて、自国の未来に貢献できる子ども達を育てる取り組みをしています。日本赤十字はご存知のとおり。

ボランティアは、何も労力と時間を提供して活動するばかりではありません。
活動に必要な資金を寄付することも同じように大切なボランティア活動であると思います。労力と時間の提供、活動資金の寄付、一人ひとりが自分に出来ることを出来る範囲で参加させて頂く。これが大切だと思うのですが、、、。

横浜のY先生は、私の最も尊敬する歯科医の一人です。
大型クリニックを運営する超多忙な毎日にも拘わらず、数年前までKADVO(神奈川海外ボランティア歯科集団)の中心メンバ-として活動し、毎年フィリピンのフリ-クリニックを組織して、歯医者にかかれない沢山の人たちの診療を続けていました。今では、組織も大きくなって、国の補助金も出るようになり一線を退いていますが、この活動に賛同する多くの若い歯科医や歯科衛生士、歯科技工士さん達が自らのお金でフリ-クリニックに参加する姿に目を細めています。

このY先生の今。毎年10人ほどの高卒女子を採用し、1年をかけて一人前の医療従事者として育成し、人材不足に悩む地域の歯科医院に紹介する活動を続けています。勿論、紹介料などはビタ一文受け取りません。地域医療をもっともっと向上させたい、医療に従事する喜びを一人でも多くの人に知って欲しい、この一念がY先生を突き動かすのでしょうね。そんじょそこらの地域一番歯科医院とはレベルがちがいます。

この活動を通じて、沢山の気づきと喜びが生まれています。数年前、初めて高卒女子を受け入れるY先生のクリニックでは、スタッフ総出で育成プログラムとマニュアルを完成させました。素晴らしいものでした。この作成のプロセスの中で、そして現場で指導する中で、スタッフ達は沢山の気づきや学びを得てきました。後進を育てることの難しさ、成長を目の当たりにできる喜び、気配りと思いやりの大切さ、医療に従事できることの喜び。

1年生スタッフの皆さん。初めて白衣に袖を通し、鏡の前でまぶしい自分の姿を見たときの感動、どうか忘れないで下さいね。白衣を自宅に持ち帰ってご両親の前で着て見せた時のご両親の嬉しそうな笑顔、忘れないで下さいね。専門教育を受けていない自分が、まさか医療に従事できるなんて!その喜び、忘れないで下さいね。あなた達はこの一年で、良識ある社会人として、思いやりあふれる医療従事者として立派に成長しましたね。Y院長の医療に取り組む真摯な姿勢をその目で見られたことは、とても幸せなことなんですよ。来春の旅立ち、寂しさもありますが大きな喜びでもあるのです。

Y先生の昼休み。疲れてお昼寝でもしたいでしょうに、スタッフを連れて在宅診療に向かいます。『おばあちゃん、また来ましたよぅ。顔色、良いじゃない。どうですかぁ、ご飯美味しくたべられてますかぁ』。若い歯科医や衛生士さん達に医療の本質を知ってもらうために、疲れもいとわずに続けているのです。研修生や実習生たちは、Y先生の背中を見、医療への思いを聞いて感動し、無給で良いからもっと先生のそばで学ばせて欲しい、そんな希望者も後を絶ちません。

更に更に。数年前、近隣のクリニックの院長が倒れました。これを知ったY先生は自院の歯科医を交代で派遣し続け、そのクリニックの危機は救われました。余計なことと思われますか?一時的に自院の収入が落ちても、放ってはおけなかったんですね。これらの活動を通じて、自院も自院のスタッフも成長し、1年生スタッフも成長して羽ばたき、地域のクリニックにも感謝されて良い関係が培われてゆく。こんな人が一人くらいいても良いですよね!



『NQ(NETWORK QUOTIENT)、人を幸福にする思いやり指数』
IQ(知能)とEQ(心)の時代は終わった。これからは他人を幸福にすることで自分も幸福になるNQ(共存)の時代だ!(キム.ムゴン著)




コメント (4)
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