この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『探偵はBarにいる』、復讐と自己犠牲の美しき華。

2011-10-01 16:30:15 | 新作映画
 橋本一監督、大泉洋主演、『探偵はBarにいる』、10/1、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2011年32本目。


 昨日、10/1は映画サービスデーということもあり、気になっていた『探偵はBarにいる』を観に行きました。

 それにしても昔は映画サービスデーが土日であれば、一日中映画のハシゴをしていたものですが、三本、四本、ときには五本も!!昨日観たのは『探偵~』一本だけでしたよ。
 人間、年を取りたくないもんです、、、って他に観たい作品がなかった、というのもありますけどね。

 閑話休題。

 まず、本作の短所を述べます。
 何といっても大泉洋演じる探偵の“おれ”があまりに探偵として無能すぎ。
 依頼人である“コイズミキョウコ”と“おれ”は電話でしか話をしたことがないんですが、“おれ”は“コイズミキョウコ”を名乗っていた人物と実際に会って話をしても、そうだと気づかないんです。
 ボイスチェンジャーで声を変えていたわけじゃなし、声の調子とか、言葉のアクセントでフツーは気づくっつーの!!

 さらに真相に気づくのが不自然なぐらい遅すぎ。
 いくらなんでもそこで“コンドウキョウコ”の仕掛けたトラップに引っ掛かるのか~、と観ていて突っ込まずにはいられませんでした。

 と、いきなり短所を述べてしまいましたが。
 この作品は探偵である“おれ”が探偵として無能であるがゆえに成り立つんですけどね。笑。

 次に長所を挙げると、主人公である探偵の“おれ”を始め、どこかすっ呆けた、でも実は空手の有段者である探偵助手(演じるは松田松田龍平)、それに“おれ”にとってのファム・ファタールである沙織(演じるは小雪)など、登場人物が皆、魅力的なんですよね。存在感がある。
 キャラクターが単なる記号でしかない邦画も多い中で(まぁ洋画もそれは同じだけど)、このことは案外稀有だといってよいのではないでしょうか。

 それに、もう一人の主人公と言っていい、札幌のススキノもすごく魅力的に撮られてましたよ。
 とりあえず地名だけを借りて、実は舞台はどこでも置換可能、って作品もまた多いじゃないですか。
 けれど『探偵~』はススキノでしか成り立たないお話なんです。
 これもまたやっぱり稀有なんじゃないですかね?

 そんなわけで自分は『探偵~』をすごく気に入りました。
 やっぱり復讐と自己犠牲の話はいい!!
 続編製作も決まったようで今から楽しみです。
 でも続編でも本作と同様に探偵が無能すぎたらついていけない!!って思うかもしれないですけどね。笑。


 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。 
コメント
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