この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

そこに希望はあるのか?『華氏119』。

2018-11-10 23:34:20 | 新作映画
 マイケル・ムーア監督、『華氏119』、11/2、Tジョイ久留米にて鑑賞。2018年40本目。


 拙ブログにおいて政治を語ることは(ほとんど)ありません。
 なぜか?
 理由は単純、未来に希望を見い出せないからです。
 出生率1.43の国に未来があるとはとても思えません。
 50年後、いや、30年後、日本という国は国の態を保ってはいられないでしょうね。
 東京オリンピックは日本という国における最後のお祭り騒ぎとなるでしょう。
 せいぜい盛大に騒げばいいんじゃないですかね。

 かように未来に対して悲観的なので自ずと政治に対しても興味が持てなくなるのですよ。
 右に走ろうが、左に傾こうが、所詮50年後は仲良く同じ墓の下、そこには主義も主張もありゃしない、あるのはただなぜあの時ああしなかったのかという悔恨だけ。

 逆に言えば政治について熱く語れる人がうらやましいです。
 そういう人は右であれ、左であれ、その道を突き進めば輝かしい未来が待ち受けていると信じているのでしょうからね。
 自分も出来ればそういうふうに未来を信じたかった。

 自由の国アメリカでトランプ大統領が誕生して二年が経ちます。
 一言で言えば彼は自由の敵です。
 報道の自由を認めず、宗教の自由を認めず、恋愛の自由すら認めようとしない。
 彼は彼が認めるものだけを認めるのです。
 それ以外のものに関しては存在することすら許そうとはしない。
 彼はそういう人間です。

 ただ彼もある日突然空から降ってきたわけではないんですよね。
 彼のような大統領が誕生し、そして大統領であり続ける、そんな土壌がアメリカにはあったってことなのでしょう。
 トランプ大統領が誕生したことはそれほど驚くべきことではなかったのかもしれません。
 彼の統治するアメリカに未来は見いだせなかったとしても。

 それでもムーアは希望を持つことを忘れるなと我々に説くんですよね。自由の国アメリカで。アポなしの突撃取材だけを武器にして。

 彼の映画を観ると、もう少しだけ未来に希望を抱いてもいいか、という気持ちになれます。
 

 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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