ケヴィン・グルタート監督、トビン・ベル主演、『ソウ ザ・ファイナル 3D』、10/31、TOHOシネマズ トリアス久山にて鑑賞。2010年43本目。
日本の秋の風物詩、『ソウ』シリーズ最新作を観てきました。
やっぱり一年に一度はジグソウの元気な顔を拝まないとね!!(劇中すでに死んでるけどさ)
さて、大人から子供までみんな大好き(←これはソウ。じゃなくて嘘。)『ソウ』シリーズを個人的に総括させてもらうと、パート1こそホラー映画史に残る衝撃的な作品であるが、続く2~6は雑な作りで矛盾に満ちている、といったところでした。
この『ソウ ザ・ファイナル 3D』を観るまでは。
いや~、感服しましたね。
雑な作りで矛盾に満ちていると思った箇所すらも実はすべてミスリードだったんだよ~ん♪という作り手のにやけた笑いが目に浮かぶような、実に見事な伏線の回収ぶりでした。
もし『ソウ』シリーズから同じようなことばっかやってんじゃねーよ!!と次から次へと登場人物を増やしてんじゃねーよ!!とかいう理由で脱落した方は、きちんと2から6まで復習した上で本作を観た方がいいです。
シリーズの完結編はこのように作るのだ、というお手本みたいな映画でしたよ。
などとベタ褒めするのはそれぐらいにして、以下ネタバレレビューです。
『ソウ』シリーズって、つまり伝統産業に従事する職人が、後継者を育てるのに苦労するっていうのと同じお話だったんですね。生きることの大切さを説く割にはずいぶん命の扱いが雑だな、と思っていたのですが、あれは全て不肖の弟子がやっていたことなのか!深く納得しちゃいましたよ。
それで最終的にジグソウが後継者として選んだのがパート1で右足先を切断して監禁部屋から脱出したゴードン医師だったのですね。
なるほどー、と一瞬感心したのですが、待てよ、と首を捻りました。
ゴードンの考えてることが今ひとつよくわからない・・・。
本作においてまず驚くのはジグソウの後継者の最有力と考えられていたホフマンの八面六臂の大活躍です。
自動車の解体工場で人種差別主義者に天誅を与え、ターミネーターばりに警察署を襲撃し、同じく後継者の一人と考えられていたジグソウの元妻ジルを激殺、それと同時にゲームの生存者だと偽っていたペテン師にもお仕置き、って観ている者は皆こう思ったはずです、ホフマン、あんた働きすぎ!!と。
しかし警察を手玉に取り、ライバルであるジルを弑したホフマンを上回るのがゴードンなんですよ。
彼はジル殺害直後のホフマンを拉致すると、パート1の監禁部屋に閉じ込めて、「ゲームオーバー」と嘯くのです。
一見すると見事な完結ぶりなのですが、よくよく考えてみるとこれっておかしくないですか?ゴードンが本当にジグソウのことを師と仰いでいるのであれば。
なぜなら、ジグソウは本当に望んでいたのはジルの幸せなのですから(ジルに何かあったときは、といったけれど、実際それを望んでいたわけではないはずです)。
であれば、なぜゴードンはホフマンがジルを殺すのを止めようとしなかったのか(その気になればいくらでも止めれたはず)。
その答えは一つしか思い浮かびません。
それはつまり、ゴードン自身がジルの死を望んでいたから。
なぜゴードンがジルの死を望んだか、それははっきりしません。
推測ですが、ジグソウの元妻であるジルの存在はジグソウの真の後継者たるゴードンにとってもやはり目障りだったんじゃないでしょうか。
しかし、自身の手で葬るという選択は出来ない(それだとジグソウの遺言に背くことになる)。
なので、ホフマンによってジルが殺されるように仕向けた・・・。
そう考えるとゴードン=ジグソウの愛弟子という構図は崩れ、それどころか彼はジグソウに対する最大の叛逆者ということになります。
この仮説を証明するには些かピースが足りないのですが、自分はそのように想像します。
やっぱり後継者を育てるのって難しいですね!!!笑。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
日本の秋の風物詩、『ソウ』シリーズ最新作を観てきました。
やっぱり一年に一度はジグソウの元気な顔を拝まないとね!!(劇中すでに死んでるけどさ)
さて、大人から子供までみんな大好き(←これはソウ。じゃなくて嘘。)『ソウ』シリーズを個人的に総括させてもらうと、パート1こそホラー映画史に残る衝撃的な作品であるが、続く2~6は雑な作りで矛盾に満ちている、といったところでした。
この『ソウ ザ・ファイナル 3D』を観るまでは。
いや~、感服しましたね。
雑な作りで矛盾に満ちていると思った箇所すらも実はすべてミスリードだったんだよ~ん♪という作り手のにやけた笑いが目に浮かぶような、実に見事な伏線の回収ぶりでした。
もし『ソウ』シリーズから同じようなことばっかやってんじゃねーよ!!と次から次へと登場人物を増やしてんじゃねーよ!!とかいう理由で脱落した方は、きちんと2から6まで復習した上で本作を観た方がいいです。
シリーズの完結編はこのように作るのだ、というお手本みたいな映画でしたよ。
などとベタ褒めするのはそれぐらいにして、以下ネタバレレビューです。
『ソウ』シリーズって、つまり伝統産業に従事する職人が、後継者を育てるのに苦労するっていうのと同じお話だったんですね。生きることの大切さを説く割にはずいぶん命の扱いが雑だな、と思っていたのですが、あれは全て不肖の弟子がやっていたことなのか!深く納得しちゃいましたよ。
それで最終的にジグソウが後継者として選んだのがパート1で右足先を切断して監禁部屋から脱出したゴードン医師だったのですね。
なるほどー、と一瞬感心したのですが、待てよ、と首を捻りました。
ゴードンの考えてることが今ひとつよくわからない・・・。
本作においてまず驚くのはジグソウの後継者の最有力と考えられていたホフマンの八面六臂の大活躍です。
自動車の解体工場で人種差別主義者に天誅を与え、ターミネーターばりに警察署を襲撃し、同じく後継者の一人と考えられていたジグソウの元妻ジルを激殺、それと同時にゲームの生存者だと偽っていたペテン師にもお仕置き、って観ている者は皆こう思ったはずです、ホフマン、あんた働きすぎ!!と。
しかし警察を手玉に取り、ライバルであるジルを弑したホフマンを上回るのがゴードンなんですよ。
彼はジル殺害直後のホフマンを拉致すると、パート1の監禁部屋に閉じ込めて、「ゲームオーバー」と嘯くのです。
一見すると見事な完結ぶりなのですが、よくよく考えてみるとこれっておかしくないですか?ゴードンが本当にジグソウのことを師と仰いでいるのであれば。
なぜなら、ジグソウは本当に望んでいたのはジルの幸せなのですから(ジルに何かあったときは、といったけれど、実際それを望んでいたわけではないはずです)。
であれば、なぜゴードンはホフマンがジルを殺すのを止めようとしなかったのか(その気になればいくらでも止めれたはず)。
その答えは一つしか思い浮かびません。
それはつまり、ゴードン自身がジルの死を望んでいたから。
なぜゴードンがジルの死を望んだか、それははっきりしません。
推測ですが、ジグソウの元妻であるジルの存在はジグソウの真の後継者たるゴードンにとってもやはり目障りだったんじゃないでしょうか。
しかし、自身の手で葬るという選択は出来ない(それだとジグソウの遺言に背くことになる)。
なので、ホフマンによってジルが殺されるように仕向けた・・・。
そう考えるとゴードン=ジグソウの愛弟子という構図は崩れ、それどころか彼はジグソウに対する最大の叛逆者ということになります。
この仮説を証明するには些かピースが足りないのですが、自分はそのように想像します。
やっぱり後継者を育てるのって難しいですね!!!笑。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
自分が面白かったのはギリギリ3作目までかな。
それ以降は、内容よりも描写のグロさがハンパなくなってきて観るのやめちゃったんですよね。
うーん・・・勇気を出してファイナルまでの残り4作(で、いいのかな?)、観るべきですかね?せぷさんの絶賛の声なんて聞いちゃうと決心が揺らぐなぁ。(笑)
小夏さんも観るのを途中でやめちゃった一人ですか。笑。
描写のグロさが問題だった、と仰ってますが、お話が面白ければそれも受け入れられたはずで、たぶん毎回似たような話で飽きちゃったんだと思います。
まぁ本作が上映されている間にパート6までを観るというのは現実的に難しいと思うので、DVDになったときまた改めて見直したらいいと思いますよ。